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『ペルソナ3』ユーザー歓喜のワケとは? 『P3R』DLC「エピソードアイギス」配信で“17年越し”の悲願が実る

インサイド / 2024年9月16日 13時0分

アトラスを代表するRPGのひとつ『ペルソナ』シリーズは、少年少女たちの悩みや葛藤、そして成長を描く物語と、“もうひとりの自分”であるペルソナ能力を使いこなすバトルシステムが高く評価され、長く愛され続けています。


2024年2月には、シリーズの転換期となった『ペルソナ3』(以下、P3)をベースにフルリメイクした『ペルソナ3 リロード』(以下、P3R)が発売。現行機向けに登場した名作の復活に、多くのゲームファンが虜となりました。


その発売から7ヶ月が経った同年9月10日、DLC「エクスパンションパス」に含まれる第3弾「エピソードアイギス」の配信が始まりました。この「エピソードアイギス」は、更なる物語を楽しめるのはもちろんのこと、『ペルソナ3』ユーザーが長年待ち続けた展開のひとつでもあり、ようやく念願が叶ったと喜ぶ人も少なくありません。


この「エピソードアイギス」がなぜ17年越しの悲願となったのか、その背景に迫ります。


■2000年代に幕開けした『ペルソナ3』と「エピソードアイギス」


『P3R』の元となったオリジナル版『P3』は、2006年7月13日に発売されたPS2ソフトです。物語の大筋や、有利/不利なアクションによって行動回数が増減する「ワンモアプレス」など、基本となる要素はオリジナル版の時点で確立されていました。


ですが、オリジナル版『P3』に収録されていた内容は、いわゆる本編のみ。その後、追加要素を加えた『ペルソナ3 フェス』(以下、フェス)が2007年4月19日に登場しました。そして、『フェス』版の追加要素として初めてお目見えしたのが、「エピソードアイギス」です。


ネタバレになるので詳細は伏せますが、『P3』本編のエンディングでは衝撃の結末を迎えました。そして「エピソードアイギス」は、後の物語を描いた後日談。あの展開からどのような物語に続くのかと、当時の『P3』ファンの関心を大きくかき立てます。


「エピソードアイギス」はデリケートな内容だったため、賛否が分かれる向きもありましたが、『P3』と直接繋がる物語だったのも確か。好みの違いはあれども、「エピソードアイギス」も大事な『P3』の一部でした。





■PSP向けに蘇った『ペルソナ3』


『フェス』がリリースされた2007年当時、Xbox 360(2005年発売)に加え、PS3やWii(ともに2006年発売)などが既に発売され、徐々に広がりつつありました。


しかし、こうしたゲーム機に『P3』が展開することはなく、PS2以外の据え置き機でプレイできる機会にはなかなか恵まれません。当然「エピソードアイギス」も、PS2のみで体験可能で、徐々にプレイできる環境が狭まっていきます。


こうした状況に変化が訪れたのは、2009年11月のこと。携帯ゲーム機のPSP(2004年)に向けた新たな『P3』──『ペルソナ3 ポータブル』(以下、P3P)が発売されました。


『P3P』は単なる移植に留まらず、新たに女性主人公(選択制)が用意されたほか、戦闘中に仲間の行動を直接指示できるようになったり、難易度設定の幅が広がったりと、より豊かなプレイ体験を提供してくれます。


ただし、利点ばかりではなく、キャラモデルベースの演出がイラスト絵を主体とする形になるなど、性能差による演出の簡易化も行われました。


また、今回の主題となる「エピソードアイギス」ですが、『P3P』には収録されていません。PSP向けに登場したことで、“どこでも手軽に『P3』を遊べる”という新たなプレイ環境を手に入れた一方、“「エピソードアイギス」はPS2版のみ”の事情が変わることはありませんでした。


■『ペルソナ3 ポータブル』がリマスター化


そして『P3』の家庭用向けゲーム展開は、長い空白期を迎えることになります。『ペルソナ』シリーズ自体は、定期的に新たなタイトルをリリースしていきますが、2009年の『P3P』以来、『P3』本編の動きは沈黙が続きました。


『P3P』の発売から13年以上が経った2023年1月、ようやく迎えた新展開は『P3P』のリマスター化でした。ニンテンドースイッチ/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PCと、幅広いプラットフォームに向けて『P3P』が登場。このリマスターのおかげで、『P3』へのアクセスが格段にしやすくなったのです。


ただし「エピソードアイギス」に関しては、この限りではありません。一部のリマスター作品では、新たな要素を追加するケースも存在しますが、リマスター版『P3P』に「エピソードアイギス」が新たに加わることはなく、2023年の時点でもPS2版以外では体験できません。





■フルリメイクの『ペルソナ3 リロード』発表


リマスター版発売から半年近く過ぎた2023年6月、『P3』を全面的にリメイクする『P3R』が発表されました。リマスター版で『P3』の物語にアクセスしやすくなりましたが、現代向けのリッチなビジュアルで新たに描く世界は、『P3P』とは一味違う魅力と迫力に満ちています。


また、『P3R』に「エピソードアイギス」が収録されるのでは……といった期待も、一部ユーザーの間で持ち上がりました。PS2版の『フェス』以外に遊ぶ手段が一切なかったアイギスの物語が、現行機向けに復活して欲しい。そう願う人がいたのも、ごく自然の話でしょう。


ですが、当時IGNが行ったインタビュー記事(「18年ぶりに『ペルソナ3』をリメイクする理由とは?『ペルソナ3 リロード』開発者インタビュー」)の中で、「『ペルソナ3 リロード』には、『ペルソナ3 FES』と『ペルソナ3 ポータブル』のコンテンツは含まれない」と開発陣が言及。リメイクをきっかけに見えた希望の光が、またしてもユーザーのもとを去ってしまいます。


追加要素を盛り込みつつも、「エピソードアイギス」は収録されなかった『P3P』。長い空白期間を経て、現行機向けに蘇ったものの、物語面の追加はなかったリマスター版。フルリメイクとして立ち上がった一方で、『フェス』などの要素は含まない『P3R』。『P3』はオリジナル版以降、3度の動きを見せたものの、どのタイミングでも「エピソードアイギス」が収録されることはありませんでした。


■3度の展開を経て、17年越しに「エピソードアイギス」復活


しかし、2024年2月に『P3R』がリリースされた翌月、事態がいきなり急変します。本作のDLC「エクスパンションパス」が発表され、「エピソードアイギス」の実装が明らかになりました。


結果からの逆算になりますが、先ほど触れたインタビュー記事の内容は、あくまで『P3R』本編に限った話だったと考えるのが妥当でしょう。DLCの内容を、本編に含むと取られかねない発言は問題があるため、「エクスパンションパス」発表前のインタビューでは、ああいう形で伝えるほかなかったものと思われます。


そして「エクスパンションパス」発表から半年が経った9月10日、「エピソードアイギス」が現行機向けに配信を開始。PS2版『フェス』の発売から数えて17年越しに、「エピソードアイギス」が初めてオリジナル版以外でも遊べるようになりました。


この17年の間にナンバリングシリーズは『5』まで進み、『ペルソナ2 罪/罰』のPSP版、2D対戦格闘ゲーム、複数作品がクロスオーバーするダンジョンRPG、リズムゲームにSLG、そしてアクションRPGと、『ペルソナ』シリーズは多彩な発展と活躍を遂げました。


とても一言では表現できない年月を経て、ようやく再び姿を現した「エピソードアイギス」。当時遊んだファンも、まだ未体験の人も、この連休に『ペルソナ3』の後日談を味わってみてはいかがでしょうか。




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