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SRPG要素は遊びやすいバランスで、爽快感を重視!『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』小高和剛氏らが情熱的に魅力を語った「Behind Closed Door Session」レポ【TGS2024】

インサイド / 2024年9月28日 10時10分

小高和剛氏を始めとした『ダンガンロンパ』のクリエイターに加え、『極限脱出』『AI:ソムニウムファイル』などで知られる打越鋼太郎氏も参加することで話題を呼んでいるトゥーキョーゲームスのオリジナル新作『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』が2025年4月24日に発売されます。


本記事では、東京ゲームショウ2024の裏で行なわれたメディア向け「Behind Closed Door Session」のレポートをお届け。小高氏らが熱く語った本作の魅力をお届けします。


◆マスターアップは直前!「シナリオは間違いなく面白い」と断言


幕張メッセ横のホテル内で行なわれたこのイベント。登壇したのは、本作のディレクターとシナリオを担当する小高和剛氏と、発売元であるアニプレックスのプロデューサーの稲生舜太郎氏の2名です。


イベントの冒頭では小高氏が、発売半年以上前であるにもかかわらず、マスターアップ直前であり、延期することはないと豪語! 小高氏いわく、「シナリオが面白いのは間違いない」そうなので、今回は小高氏や打越氏の作品としては異例のSRPGパートを中心とした発表が行なわれました。


本作の主人公である澄野拓海(すみの・たくみ)は、ドームに囲まれた「東京団地」に暮らす男子学生。管理されているような環境に住んでいますが、特に不自由や不満もない何気ない日々を家族や幼馴染と過ごしていました。


しかし、それはある日突然現れた「侵校生」という謎の存在により崩れ去ります。拓海はSIREIなる謎の存在に指揮されるがまま戦いに身を投じ、そのまま「最終防衛学園」と呼ばれる閉鎖的空間への転校を余儀なくされます。こうしたカットシーンは『レインコード』でも制作を務めたジェットスタジオが担当しており、素晴らしいクオリティでした。


最終防衛学園は、ピンク色の消えない炎に包まれた学校。ここでは15人の見知らぬ男女が集まっており、なんだか見覚えのあるような場面でご対面します。そして、SIREIの口から「身体に爆弾を埋め込まれているため、戦って学校を守らないと殺される」ということを告げられ、100日間の共同防衛生活を強いられます。


この学園に集められたのは、一癖も二癖もある人ばかり。デスゲーム大好きで、ちょっと死にたがりな躁鬱女子「飴宮怠美(あめみや・だるみ)」や、昭和ヤンキーっぽいけど根は優しい「厄師寺猛丸(やくしじ・たけまる)」、こんな状況を過去にも経験したことがあるようなドS女子「雫原比留子(しずはら・ひるこ)」など、『ダンガンロンパ』や『レインコード』の頃から変わらぬ強烈キャラが登場します。


◆SRPGパートは緻密な戦略性よりも、爽快感を重視した斬新なバランス!


本作の大きなポイントは、なんといっても「防衛戦」と呼ばれるSRPGパートです。「特防隊」と名付けられた主人公たちは、「我駆力刀(がくりょくとう)」なる武器を胸に突き刺し、変身して戦います。このパートは『メギド72』や『戦場のヴァルキュリア』などシミュレーションや戦略性の高いRPGの開発に定評のあるメディア・ビジョンです。


ただ、ゲームが得意でないひとでも楽しめるよう、緻密な戦略性や複雑なシステムより“爽快感”を重視しているといいます。SRPGでこのフレーズは珍しい気がしますが、一体どういったものなのでしょうか。


このパートに登場する敵ユニットの数はたくさんいるのですが、その代わり味方ユニットは基本的に多マス攻撃です。そのため、1対1で戦うシチュエーションよりも、ザコ敵を一網打尽にするような戦い方が多いのです。


各ターンにはAPというものが設定されていて、0になるまで行動できます。一度攻撃したユニットは疲労状態になってしまい、移動範囲が狭くなってしまいますが、攻撃は繰り返し行えるため、攻撃を始めるマスなどは大事になってきそうです。


最弱のザコはサクサクと倒せますが、ネームドのユニットは耐久度も高め。その代わり、倒すとAPを+1獲得できるというメリットもあります。


仲間ユニットはそれぞれ、攻撃の仕方が異なります。例えば怠美は遠距離攻撃ができるため後方で安全に倒すのに向いています。猛丸は攻撃するたびにアーマーが付くため、どんどん特攻していくと有利に立ち回れます。比留子は単体しか攻撃できませんが、攻撃力が高いためネームド向きです。盤面をみて、どのキャラを割り当てるか考えるのも楽しそうです。


小高作品らしい要素として、キャラの死がゲームプレイ上でも重要になってきます。SRPGパートでキャラが死ぬ・死にかけると、必殺技が出せる「ボルテージ」というゲージが溜まったり、キャラクターの命と引き換えに出せる強力な「決死技」が使えたりと何かとお得。本作は回復がしづらい仕組みになっているので、やられて死ぬくらいなら最後の抵抗をしたほうが良いというわけです。


防衛の日々を過ごしてくると、ボスが現れることも。ボスを倒すときにはトドメ演出があり、どのキャラにトドメを刺させるかを決めることができます。選ばれたキャラはボスの能力を吸収できるというメリットもあります。


もちろん、SRPGではないアドベンチャーパートも充実しています。会話シーンは3Dの空間に2Dの立ち絵で表示……という、小高氏ファンならグッとくる方式で、混乱や他のキャラとの会話が描かれます。


イラストは『ダンガンロンパ』からおなじみの小松崎類氏が担当しているほか、各所のBGMもこれまたおなじみの高田雅史氏が担当しています。両者ともトゥーキョーゲームス所属のため、小高氏は場面に合わせた立ち絵や楽曲などもオーダーできたそうです。


本作ではSFなビジュアルの学園を探索する自由行動パートがあり、こちらは3Dで描画されながらもシステムとしては横スクロール式。『トワイライトシンドローム』を思い出すような画面……といえば、分かる人には分かるでしょうか。自由行動はクリアに必須ではありませんが、SRPGパートでの恒久的な強化やキャラクターたちとの関係を深めることができるようです。


◆小高氏&稲生氏にインタビュー!


ここからは、メディア合同で実施した小高和剛氏(以下、小高)および稲生舜太郎氏(以下、稲生)のインタビューの様子をお届けします。


――小高さんや打越さんの作品はアドベンチャーが多いと思いますが、SRPGという新たな試みをする中で浮かないような工夫はしているのでしょうか。


小高本作は物語からスタートしていて、テーマとして戦争があるからSRPGというシステムを採用しました。つまり、SRPGがやりたくて作り始めたのではなく、物語を表現する上で相性が良いのがSRPGだったわけです。


何日目に敵が襲ってくる、どういう攻撃をしてくるというところは隅々までシナリオ側で決めてあるので、そこをメディア・ビジョンさんに理解してもらい、シナリオを盛り上げるための演出の一貫として組み立てていただきました。とはいえ、そこが面白いに越したことはないので、頑張っていただいています。


――では、戦闘の中で物語が進むこともあるのですね。


小高そうです。途中で会話シーンが挿入されるなど、ドラマティックな展開がどんどん起きていくので、基本は物語を楽しんでいただきながら、SRPGで戦争を体験していただく形です。


――ゲームが得意ではない人も楽しめるとおっしゃられていましたが、うまくこなせた人へのメリットはあるのでしょうか。


小高防衛戦のあとにBPというポイントが手に入るので、それを貯めることで成長要素につながったり、ギャラリーを開放したりできます。やりこみ要素的な位置づけになっているので、上手い人はBPをたくさん得るのを目指す形になると思います。


――『ダンガンロンパ』のようにキャラクターと仲良くなって、好感度がアップしたりデートができたりといった要素はあるのでしょうか。


小高自由行動で学園内にキャラがいるので、小話をすることで何らかのポイントが溜まっていきます。これで恒久的な成長を得ることもできますし、好感度イベントももちろんあります。こちらもやりこみ要素として据えているので必須ではないのですが、キャラ同士のやり取りを楽しみたい人は満足できると思います。


――100日間を過ごすことになると思うのですが、ボリュームはかなり多くなるのでしょうか。


小高あんまりボリュームを言ってしまうと引いちゃう人もいるかもしれませんが…いい意味でスゴイことになっています(笑)。足りないということはないと思いますね。


――戦闘中にキャラが死んでしまうと仰っていましたが、死ぬ前提のバランスであるような印象も受けました。キャラの生き死にや選択肢などで大きく物語が分岐するのでしょうか。


小高戦闘での生死は物語に関わりますし、選択肢で大きく分岐するのもその通りです。マルチエンディングなのもすでにこっそり発表していました(笑)。


稲生このあたりはPVでも予想できる範囲だと思うのですが、戦闘中に死んだキャラがその後どうなっていくか……という掘り下げはあります。詳細はもう少しの間内緒にさせてください。


小高『ダンガンロンパ』を作っていた時、キャラの死ぬ順番が変わったり、ルートによって生き残らせられたりしたらいいのに、と言われたことがあります。


『ダンガンロンパ』は物語の流れやトリック上そういうことはできなかったんですが、本作はそういったものにトライしていて、プレイヤーの選択によって大きく体験が変わります。


稲生マルチエンディングはこれまで小高さんはあまり作ってこられませんでしたが、逆に打越さんはすごく得意とされている表現です。この2人が組むことでファンが期待すること、これまで実現できなかったことなどは全部叶えられたのではないかなと思うので、楽しんでいただきたいですね。


――100日間とボリュームがあるとなると、エンディング回収のしやすさも気になります。なにか周回や回収がしやすい工夫はありますか。


小高そこはやはり「用意しなければいけない」ところなので、打越がしっかりディレクションしてくれています。チャプタージャンプ機能ももちろんあります。


――最後に、ファンに向けてメッセージをお願いします。


小高本作はトゥーキョーゲームス初の自社IPということで、いつにも増して気合を入れて制作しています。気合を入れすぎて、逆に「よくこんなの作ったな」というようなとんでもない作品になっています。


昨今表現に厳しいという時勢もありますが、本作では結構攻めた表現や刺激的な部分を多く用意しています。


自分としてはすごく手応えのある作品で非常に満足しています。プレイしてくれた人たちをぶん殴るような刺激的な作品になっていますので、ご期待ください。


稲生これまで小高さんや打越さんの作品をパブリッシュしていたのはスパイク・チュンソフトさんが多かったと思うのですが、今回は我々アニプレックスが担当します。変わったことでの不安の声もあると思いますが、トゥーキョーゲームスの集大成として全力で開発していることは間近で感じています。


我々としては、そんなクリエイティブをいかに純度が高い状態でお出しできるかというところを努力しており、会社からは「大丈夫?」と心配されるシーンもなるべくこのままでいきたいとお願いしています。とにかく「アニプレックスになって丸くなったね」なんて思われないようなエッジの効いた作品にしたいと思っているので、引き続きご注目ください。


――ありがとうございました。




『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』は、Steam/ニンテンドースイッチ向けに2025年4月24日(木)発売予定。価格は通常版が7,700円(税込)、デジタルデラックスエディションが9,900円(税込)です。


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