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『シュタゲ』15周年ライブ&展示コーナーをレポート-新しいファンにもアーカイブ配信を見てほしい!解説つきで語る15年のムーブメント

インサイド / 2024年10月31日 12時0分

完全新作ゲーム『STEINS;GATE RE:BOOT』が会場で発表され、新たな歴史を刻むことになった本作。


今なお『STEINS;GATE』(以下『シュタゲ』)グッズを買い求めて聖地・秋葉原ラジオ会館に訪れる観光客がいたり、TVアニメ同時視聴などを通じて新たなファンが生まれたりするなど、その魅力はリリースから15年経った今でも色あせていません。


2024年10月27日に千葉県松戸市の「森のホール21 大ホール」で開催された15周年記念ライブ「STEINS;GATE 15th LIVE - ONE WORLD -」は、その人気のほどをうかがわせるほどの大盛況。主人公・岡部倫太郎を演じる宮野真守さんが12年ぶりにMAGES.のライブに登場することもあって、壮絶なチケット争奪戦が繰り広げられました。


そこで本稿では、注目のライブステージはもちろんのこと、同会場に併設された展示イベントのようす、そして新たに『シュタゲ』ファンになった皆さんへ向けて、この15年の歩みを解説しながらイベントのもようをお届けしたいと思います。


なおライブステージの配信アーカイブは2024年11月4日(月)まで。どんな時代に『シュタゲ』が生まれ、どのような歩みを経てきたか、新たにファンになった人は、ぜひアーカイブとともに原作ゲームもプレイしてみてください。


会場で発表された新作ゲーム『STEINS;GATE RE:BOOT』のビジュアル。オリジナル版のキャラクターデザイン「huke」氏の現在の絵柄で描かれるほか、グラフィック一新、ストーリーも一部追加で2025年発売予定。対応機種は未定です。
『STEINS;GATE RE:BOOT』ティザートレーラー

◆朗読・歌・トークで盛り上がった約3時間のステージ


これまでもMAGES.は、『シュタゲ』が属する「科学アドベンチャーシリーズ」のライブのほか、MAGES.にゆかりのあるアーティストが集うライブなどさまざまな形でライブステージを開催してきました。


今回実施された「STEINS;GATE 15th LIVE - ONE WORLD -」は、意外にも『シュタゲ』オンリーで企画された初のイベント。そのためセットリストも出演者もすべて『シュタゲ』一色に染まっていました。


※「科学アドベンチャーシリーズ」とは、志倉千代丸さんが原作を務めるアドベンチャーゲームシリーズのこと。妄想を科学した『CHAOS;HEAD NOAH』にはじまり、『シュタゲ』、巨大ロボットをテーマにした『ROBOTICS;NOTES』、『CHAOS;HEAD NOAH』の続編として新たなキャラが新たな猟奇事件に挑む『CHAOS;CHILD』、オカルトを科学する『OCCULTIC;NINE』、そしてプレイヤーが劇中のハッカーと共闘する『ANONYMOUS;CODE』へと続きます。


なお当日のセットリストと出演者は以下の通り。


【セットリストおよびアーティスト】


01 スカイクラッドの観測者 歌:いとうかなこ


02 ボイスドラマ「既視回想のラウンドテーブル」(声優陣による朗読劇)


03 宇宙エンジニア 歌:いとうかなこ


04 LAST GAME 歌:Ayumu(Zwei)


05 ライア 歌:Ayumu(Zwei)


06 La*La*Laラボリューション 歌:純情のアフィリア


07 禁断無敵のだーりん 歌:純情のアフィリア


08 刻司ル十二ノ盟約 歌:ファンタズム(FES cv.榊原ゆい)


09 運命のファルファッラ 歌:ファンタズム(FES cv.榊原ゆい)


10 World-Line 歌:今井麻美


11 COSMIC LOOPER 歌:いとうかなこ


12 Another Heaven 歌:いとうかなこ


13 非線形ジェニアック 歌:いとうかなこ&Ayumu(Zwei)


14 アマデウス 歌:いとうかなこ&彩音


15 邂逅のフェタリテート 歌:彩音


16 フェノグラム 歌:彩音


17 ファティマ 歌:いとうかなこ


18 Hacking to the Gate 歌:いとうかなこ


19 STEINS;GATE 15th スペシャルアクト(声優陣によるトークコーナー)


【出演声優(朗読劇・トークコーナー)】


宮野真守(岡部倫太郎 役)


花澤香菜(椎名まゆり 役)


関智一(橋田至 役)


今井麻美(牧瀬紅莉栖 役)


後藤沙緒里(桐生萌郁 役)


小林ゆう(漆原るか 役)


桃井はるこ(フェイリス・ニャンニャン 役)


吉田尚記(ニッポン放送)MC/トークコーナーのみ


朗読劇「既視回想のラウンドテーブル」で再集結した声優陣。

◆志倉千代丸×いとうかなこの名曲が次々と!


今回の15周年記念イベントは、いとうかなこさんによるオープニングアクトではじまり、主要キャストによる朗読劇「既視回想のラウンドテーブル」を挟んで全17曲が披露され、最後にトークパートで盛り上がりました。


科学アドベンチャーシリーズといえば、原作者でありサウンドクリエイターでもある志倉千代丸さんが紡ぐサウンドを、いとうかなこさんがパワフルかつ情感たっぷりに歌い上げる数々の名曲がひとつのアイコンとなっています。


このコンビこそ『シュタゲ』のみならず科学アドベンチャーシリーズの音楽面の根幹。そのためオープニングアクトだけでなく、歌唱パートはいとうかなこさんがリードする形で進行しました。


なお、いとうかなこさんのセットリストは以下の通り。


01 スカイクラッドの観測者 (『STEINS;GATE』(Xbox 360)OPテーマ)


03 宇宙エンジニア (『STEINS;GATE』(PSP)OPテーマ)


11 COSMIC LOOPER (『STEINS;GATE ELITE』(PS4 / PS Vita / Switch)OPテーマ)


12 Another Heaven (『STEINS;GATE』(Xbox 360)EDテーマ)


13 非線形ジェニアック (Ayumu(Zwei)とのコラボ/『STEINS;GATE』(PS3)OPテーマ


14 アマデウス (彩音とのコラボ/『STEINS;GATE 0』(PS4 / PS3 / PS Vita)OPテーマ)


17 ファティマ (TVアニメ『シュタインズ・ゲート ゼロ』OPテーマ)


18 Hacking to the Gate (TVアニメ『シュタインズ・ゲート』OPテーマ)


オープニングアクトを飾ったいとうかなこさん。

『シュタゲ』はもともとXbox 360用ゲームとして2009年10月15日リリースされ、口コミによってそのおもしろさが広まった作品でした。ガラケーのメールのやり取りがストーリー分岐の鍵となっており、その世界線にとどまるか、それとも椎名まゆりを救うために元の世界線に戻るかで結末が大きく分岐します。


※とどまるバージョンの結末はいわゆるバッドエンド扱い。アニメ化されていない部分です。


攻略要素の難易度が若干高く、プレイヤーは何度も失敗しながらようやくトゥルーエンドの世界線に到達するわけですが、その苦難の道のりが主人公・岡部倫太郎の「何度失敗してもやりなおす」というストーリーや葛藤とリンクしたこともあってたちまち話題になりました。


「記憶を消してまたプレイしたい」はそのプレイ体験を端的に表現した言葉であり、自力でトゥルーエンドに到達した際のプレイヤーがいかに強い解放感と感動を味わったか分かります。懐かしいですね。


また当時は他ハードに移植されるたびに新規のOP・ED曲が制作されており、「宇宙エンジニア」などもその中の1曲として収録されました。さらにテレビアニメ版はまた別の主題歌が存在するなど様々な顔を持っています。MAGES.の当時のゲームタイトルならではのスタイルであり、この15年の時の流れを感じさせる販売方法でもありました。


ちなみに『STEINS;GATE 0』(以下、『ゼロ』)とは、『シュタゲ』の正当続編として制作されたものです。それまで派生作品として『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』(以下『だーりん』)と、『STEINS;GATE 線形拘束のフェノグラム』(以下『フェノグラム』)の2タイトルがリリースされていましたが、それらは別の世界線を描いたものがほとんどであり、『ゼロ』は初めて本編を補完する位置づけとしてミッシングリンク部分を描きました。


『STEINS;GATE ELITE』はTVアニメ版の素材を用いたフルアニメ版の『シュタゲ』。アニメ版では描かれなかった分岐ルートのシナリオも、新規のアニメ映像として制作されました。


アニメから入った新規のファンには、派生作品とともにぜひプレイしてみてほしいタイトルです。


話が脱線してしまいましたが、それら各バージョンでOP、ED、挿入歌などを担当し続けているいとうかなこさん。今回のライブステージでは生演奏の、文字通り心臓を震わせる迫力の演奏に乗せてパワフルに歌唱。持ち味の高音も、情感たっぷりに歌い上げる場面も、ドラマチックな名場面の数々を思い起こさせながら客席を夢の空間に誘っていました。


驚いたのは歌唱パートのラストで披露された「Hacking to the Gate」です。


ライブステージといえば通常どのイベントでもカメラでの動画撮影や録音は禁止されています。しかしこの一曲だけは撮影がOKという特別サービスで、SNSへの投稿が推奨されました。


もし本公演のことが気になっている方がいたら、まずはそれらアップされた動画でいとうかなこさんのパフォーマンスに魅了されつつ、アーカイブ配信に手を伸ばしてみてはいかがでしょうか?


◆続く楽曲でも思い出の大洪水が!


Ayumu(Zwei)さん。

いとうかなこさんからバトンを受け取ったのは、2ピースバンドユニット「Zwei(ヅヴァイ)」のAyumuさんです。


Zweiは科学アドベンチャーシリーズ3作目『ROBOTICS;NOTES』からシリーズに参加した音楽ユニットで、『シュタゲ』でもいくつか楽曲を担当しました。以下が本公演で披露した楽曲です。


04 LAST GAME (TVアニメ「シュタインズ・ゲート ゼロ」前期EDテーマ)


05 ライア (『STEINS;GATE 0』(PS4 / PS3 / PS Vita)EDテーマ)


13 非線形ジェニアック (いとうかなことのコラボ/『STEINS;GATE』(PS3)OPテーマ)


LAST GAMEでステージに立ったAyumuさんは、ステージ向かって左側の踊り場で直立不動に。ED曲らしい、ゆったりとした壮大なサウンドの効果もあって、スクリーンに向かって歌い上げる姿はさながら国歌斉唱の風景です。作品に対する敬意がひしひしと伝わってきました。


続く「ライア」でも、会場を照らすミラーボールの演出が神々しく、激しくロックするZweiの爆発力が情景描写でも活きたステージとなっていました。


これまではベース担当でリーダーでもあるMeguさんと二人三脚でライブ活動をおこなってきたAyumuさん。しかし2024年5月をもってユニットは活動休止に。今回はAyumuさんのソロ出演となりました。


ただユニットとしては解散しておらず、本公演でもMeguさん発案の定番「わっしょい」コールをしてその魂の部分をアピール。バトンを受け取った純情のアフィリアの皆さんと一緒にコールをするという珍しい絵面を見せてくれました。


ハードに歌い上げるAyumuさんと、キュートにパフォーマンスをする純情のアフィリアは正反対のイメージがあるだけに、短いながらも特別なコラボとなったようです。


「純情のアフィリア」のメンバーたち。

純情のアフィリアの皆さんが披露したのは、派生ゲーム作品『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』の楽曲。


『だーりん』は派生作品の第1号で、『シュタゲ』のストーリーがシリアスで重かったことから、いわゆるギャルゲーのテイストに振った明るい作品としてリリースされました。そのコンセプトは「あったかもしれない世界線」。


実は『シュタゲ』の世界線設定とはパラレルワールド設定ではなく、「改変された世界はつねにひとつ」というルールのもと展開されています。『だーりん』も「存在したかもしれないけれど今は消滅した世界」を描いており、楽曲も『シュタゲ』とは異なるキュートでポップなメロディーとなっていました。


メンバー7名で披露されたパフォーマンスは、アイドルユニットらしい華やかかつ愛らしい振り付けで『だーりん』のラブラブな世界線を表現。この15年でメンバーが代わっただけでなく、ユニット名も15年前は「アフィリア・サーガ・イースト」名義だったことからも時代の流れを感じさせます。


ただし志倉千代丸・桃井はるこのダブルプロデュース体制は変わっておらず、楽曲も純情のアフィリアのライブでは今も歌われていて、新たなメンバーへと引き継がれています。


フェイリス・ニャンニャン役の桃井はるこさんが作詞や作曲をした楽曲をアイドルたちが歌うというのも、劇中のメイド喫茶「メイクイーン+ニャン2」ぽさがあっておもしろいのではないでしょうか。


なお本公演で披露されたのは以下の2曲となります。


06 La*La*Laラボリューション (『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』(Xbox 360)OPテーマ)


07 禁断無敵のだーりん (『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』(PS3 / PSP)OPテーマ)


ファンタズム(FES cv.榊原ゆい)。

純情のアフィリアからバトンを受け取ったのは、ひときわ異彩を放つファンタズム(FES cv.榊原ゆい)です。


FESとは科学アドベンチャーシリーズ第1作『CHAOS;HEAD NOAH』の登場キャラのひとり。本名は「岸本あやせ」で、劇中のバンド「ファンタズム」のボーカルという設定です。


『シュタゲ』は他の科学アドベンチャーシリーズと世界を共有するタイトルであり、FESもそのファミリーのひとり。MAGES.のライブイベントの常連として何度も登場していました。


榊原ゆいさんにそっくりな容姿をしていますが、ステージに立っているのはあくまでFESさま。本公演でもミステリアスなキャラクターに合った舞台演出で2曲を歌い上げます。


寡黙でポーカーフェイスという設定なので、イベントのたびにイジられる役回りではありますが、歌唱では本気の歌声を披露し客席を魅了していました。


以下が本公演で披露された楽曲です。


08 刻司ル十二ノ盟約 (TVアニメ「シュタインズ・ゲート」EDテーマ)


09 運命のファルファッラ (『STEINS;GATE』(Xbox 360)EDテーマ)


FES.さまからバトンを受け取ったのは、朗読劇のパートでも活躍していた今井麻美さん。『シュタゲ』の声優陣としてはただひとり歌唱パートに登場です。


朗読劇やトークコーナーとは異なる衣装で登場した今井麻美さん。

今井麻美さんが披露した「World-Line」はTVアニメ「シュタインズ・ゲート ゼロ」の後期EDテーマ。これまでもキャラクターソングはありましたが、今井さんが正式にOPEDを担当するのは初の楽曲であり、現状において唯一の楽曲となります。


この楽曲が今井さんに決定した際、その報告を嬉しそうに語っていましたが、その想いは今でも変わらないようで、本公演でものびのびと歌唱していました。


その後は再びいとうかなこさんがステージに上がり、いとうかなこ×Ayumu(Zwei)のコラボ、そしていとうかなこ×彩音のコラボを経て彩音さんのソロパートへと続きます。


彩音さんは「劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ」や派生作品『STEINS;GATE 線形拘束のフェノグラム』などで楽曲を担当。2024年の今年、デビュー20周年を迎えました。


彩音さん。

「劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ」はアニメ版『シュタゲ』のその後を描く物語として制作されたアニメ作品であり、原作ゲームも含む作品群の中でも重要な位置を占めるものとなっています。


『フェノグラム』は派生ゲームの第2弾。『だーりん』が明るい作品だったことからシリアス路線に回帰し、なおかつラボメンなど個別のキャラクターを主役にするというアンソロジー形式の作品としてリリースされました。


楽曲から辿る各派生作品やメディアミックス作品も、この15年、色々な展開があったことを思い出されます。


彩音さんが披露したのは、いとうかなこさんとのコラボを含む全3曲。右腕を高くつき上げて客席を鼓舞し、満員の客席から上がるコールと心地よいメロディーを全身で浴びながら、気持ちよさそうに歌い上げていました。


彩音さんといえば「劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ」のED曲「いつもこの場所で」や、「ひぐらしのなく頃に」の数々の楽曲も有名なところ。彩音さんだけでなく、各アーティストの個別のライブでは今回聞けなかった楽曲が聞けるかもしれないので、ぜひそちらも体験してみてはいかがでしょうか。


なお彩音さんのセットリストは以下の通りとなります。


14 アマデウス (いとうかなことのコラボ/『STEINS;GATE 0』(PS4 / PS3 / PS Vita)OPテーマ)


15 邂逅のフェタリテート (『STEINS;GATE 線形拘束のフェノグラム』(PS Vita)OPテーマ)


16 フェノグラム (『STEINS;GATE 線形拘束のフェノグラム』(PS3 / Xbox 360)OPテーマ)



◆豪華キャスト陣がステージに再集結!


声優陣がステージに立ったのは、演目の2番目に披露された朗読劇「既視回想のラウンドテーブル」と、歌唱パートに続く形で15周年記念ライブのトリを飾ったトークコーナー「STEINS;GATE 15th スペシャルアクト」です。


朗読劇「既視回想のラウンドテーブル」は、本公演のために『シュタゲ』のメインシナリオライター・林直孝さんが書き下ろしたオリジナルシナリオ。動画ではなくゲームと同様にプログラムを組んだものなので、出演陣のアドリブにも柔軟に対応できます。


ストーリーは「2024年からタイムリープを繰り返して2010年に戻った岡部倫太郎が、この15年の秋葉原の変化を語る」というもの。


確かに『シュタゲ』の聖地である秋葉原ラジオ会館は2011年に建て替えが行われてその姿を変えました。あの時はあったお店が今はなくなっていることも多々あります。


もちろん「メイクイーン+ニャン2」のモデルとなったメイド&コスプレカフェ「メイリッシュ」のように、変わらず営業を続けているお店もあります。


ラボメンにはそれぞれなじみの店などがあり、その2024年のようすを知って驚いたり喜んだり……。


12年ぶりに科学アドベンチャーシリーズのライブステージに立った宮野真守さんは、本来は2019年開催の10周年イベントにも出演する予定でした。しかし台風によって公演スケジュールが変更されたことで叶わず、今回念願の出演となった経緯があります。


そのせいかステージに立った宮野さんは、あのクセの強い笑い声や言い回しをさらにパワーアップ。会場を笑いの渦に巻き込んだり、自身も共演者とのやり取りを楽しんだりしてステージを満喫しているようす。


特に橋田至役の関智一さんとは先輩後輩の間ながら名コンビで、関さんのやはりクセの強い演技に笑いをこらえきれず後ろを向く場面が、イベントを通じて何度もありました。


岡部倫太郎を演じる宮野真守さん。

本公演の最後を飾った「STEINS;GATE 15th LIVE スペシャルアクト」には、再び声優陣がステージに登場。事前にSNSで募集していた、各キャラクターの名ゼリフの発表がおこなわれました。


『シュタゲ』はラボメンそれぞれにドラマがあり、セリフのひとつひとつからもそのドラマが伝わってくるような作品です。それを声優陣が実演するとなれば会場は引き込まれないわけがありません。


涙を誘うセリフも、定番の挨拶も、すべてが胸に響きました。


朗読劇では役になりきっていた声優陣も、この時ばかりは素に戻って楽しい絡みを見せてくれます。特に印象的だったのは椎名まゆり役の花澤香菜さん。宮野さんと今井さんの間に挟まれていたこともあり、2人のやり取りに切れ味鋭いツッコミを入れます。その「成長」は宮野さんも驚くほどでした。


宮野さんと今井さんのやり取りも、宮野さんが唐突に振る名ゼリフに対して即座に名ゼリフで切り返すなど、劇中の岡部と紅莉栖そのままのやり取りに会場は拍手喝采です。変幻自在に投球されるボールをどのような体勢でも打ち返すバッターのようで、名人芸と言えるほどの息の合い方でした。


もちろん、独特のおっとりとした空気感に癒された後藤沙緒里さん、宮野さんも巻き込まれる不思議なオーラを発していた小林ゆうさんなど、かつては宮野さんと関さんの独壇場に思えていたトークステージは、クセの強いラボメンそれぞれの個性が光るものになっていました。


面白かったのは、原作者・志倉千代丸さんに触れた桃井はるこさん。志倉さんが会場に来ていることをSNSのポストで知ったと明かして、客席に呼びかけます。


実はこのやり取りは台本にはなく完全にアドリブ。志倉さんが個人のツイキャスで語った内容によると、マイクがなかったため最初は桃井さんの呼びかけに一瞬ためらったそうですが、結果として即座に反応し、関係者席からステージに何やら叫ぶことにしたそうです。


その内容はおそらく近くの人しか把握できていなかったと思いますが、どうやら早く進行するよう呼び掛けていたとのこと。


志倉さんと桃井さんはFM NACK5で放送していたラジオ番組「THE WORKS」で共演していた時期があり、今回もその名コンビぶりがうかがえるエピソードになりました。フェイリス役を担当することになったのも、その番組の空き時間に打診されたのがきっかけだったというから面白いものです。


楽曲のひとつひとつにトークコーナーでの様子、それらすべてから15年の時の流れを感じるとともに、これからも続いていく『シュタゲ』ワールドに胸がいっぱいになった本イベント。


阿万音鈴羽を演じた田村ゆかりさんは今回出演が叶いませんでしたが、次こそはラボメンが全員集合したらいいなと感じた贅沢なステージでした。


椎名まゆり役の花澤香菜さん。
橋田至を演じる関智一さん。
牧瀬紅莉栖を演じる今井麻美さん。
桐生萌郁を演じる後藤沙緒里さん。
漆原るか役の小林ゆうさん。
フェイリス・ニャンニャン役の桃井はるこさん。
トークコーナーでMCを務めた吉田尚記さん(ニッポン放送)。

◆協賛会社の出展も!「1日限りの大展覧会」


会場の全景。手前にはタイムマシンの特大オブジェ、その後ろに200点にも及ぶビジュアルが展示されていました。

「STEINS;GATE 15th LIVE - ONE WORLD -」の実施にあわせ、ライブ会場とは別に「森のホール21のレセプションホール」にて「STEINS;GATE 1日限りの大展覧会」を開催。ライブチケットを持っていなくても入場できる、特別イベントもおこなわれました。


展示内容は、タイムマシンの大型オブジェ、200点にも及ぶイラスト、15周年記念衣装に身を包んだラボメンの大型スタンディ(立ち絵パネル)など。さらに協賛各社の出展もあって、会場は入場規制になるほどの大盛況でした。


なお、協賛各社は以下の通りです。


■株式会社エム・ジー・ケイ


カフェインドリンク「まゆしぃ☆のやさしさ(もう頑張らなくてもいいからね味)」「まゆしぃ☆のビンタ 朝スッキリ味」などを販売。


■Gatebox株式会社


牧瀬紅莉栖のデジタルフィギュアボックス(開発中)の展示。


■株式会社トーハン


キャンバスアートの展示とミニキャンバスの販売。


■TOPPAN株式会社


『STEINS;GATE』をモチーフとした掛け軸と扇子の展示。


■ニューギングループ


パチンコ筐体「Pシュタインズ・ゲート ゼロ」(Pシュタゲゼロ)の展示。


■麻雀一番街


その場で参加できる「シュタゲ世界線チャレンジ」を実施。


■メイファ株式会社


椎名まゆり、阿万音鈴羽、牧瀬紅莉栖の水着フィギュアの展示など。


■株式会社Re;write


メモリーキューブの体験会と新グッズの販売。


なおライブグッズの事後通販も実施中!


https://maji-get.jp/pages/steinsgate_15th_live


展示品ひとつひとつにも思い出がありますし、過去のノベルティの展示では、パッケージ版に付属したスリッパや岡部のガラケーのモックアップ、ファミコンカセット化(プロモーション用の非売品・非配布品)など、今では実現が難しい特典もあったりして色々な想いが交錯したはず。


この15年の展開を振り返ってみればそのほかにも、数々のドラマCDがリリースされたり、各イベントではその場でしか楽しめない書き下ろしのスペシャルストーリーがあったり、2013年には舞台版の『シュタゲ』も上演されました。


舞台版の『シュタゲ』は、公演期間の約1週間で各ルート分岐も上演するという、舞台の世界でも類を見ない取り組みが行われました。ある意味実写化するということで当初は不安視されていましたが、キャストの見た目も、演技も、『シュタゲ』の世界観そのままで大好評だったことを今でも覚えています。


またアニメ「シュタインズ・ゲート ゼロ」の放送に先がけて再放送された「シュタインズ・ゲート」では、第23話のラストが完全新作アニメに差し替えられており、そのまま「ゼロ」のストーリーに繋がるというサプライズもおこなわれて話題になりました。


ライブイベントの最後の最後で発表された新作『STEINS;GATE RE:BOOT』が今後どのような世界線をつむいでいくのか……。


新たな『シュタゲ』のヒストリーはここからはじまる……! そんなことを思わせてくれる1日となりました。


15周年記念ビジュアルのラボメンたち。
過去のノベルティなどの展示コーナー。記念日登録の賞状も!
来場者のコメントでみるみる埋まっていくメッセージボード。
会場外には『シュタゲ』メインシナリオライターの林直孝さんがテキストを担当した大型スマホの展示も。

(C)MAGES./Chiyo St. Inc. (C)MAGES./NITRO PLUS


(C)MAGES./Chiyo St. Inc. (C)MAGES./NITRO PLUS 協力 未来ガジェット研究所


(C)2011 5pb./NITRO PLUS 未来ガジェット研究所


(C)2018 MAGES./KADOKAWA/未来ガジェット研究所


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