『モンハンワイルズ』アクション/ストーリー/世界観が大幅パワーアップ!かきたてられる好奇心とシームレスな演出に、やめ時を忘れる【先行プレイレポ】
インサイド / 2024年12月4日 0時0分
2025年2月28日(金)に発売を控える『モンスターハンターワイルズ(以下、ワイルズ)』。11月にカプコンの研究開発ビルにて、メディア向け先行プレイやスタジオツアー、開発者インタビューの機会が設けられました。
本稿では、その先行プレイで体験した本作の冒頭6時間にわたるインプレッションをお届け。これまでにないテンポでシームレスに紡がれる『モンスターハンター』の物語や、新モンスターや復帰モンスターとの戦い、そして世界の作り込みに迫ります。
◆シームレスに繋がる“物語”としての『モンスターハンター』
今回体験できたのは“製品版に近い状態”のビルドで、およそ6時間ほどプレイ。ベータテストでもプレイできたストーリーの冒頭を含め、多くの時間を禁足地で過ごすことができました。
ストーリーの冒頭から察することができる通り、本作ではとにかく“シームレス”さにこだわって作られている印象を受けます。例えば、カットシーンからプレイアブルへ自然と移り変わるのは当たり前として、物語冒頭で出会う人物の集落へ向かう際には、仲間と共にセクレトに乗って会話シーンが発生したり、自然の見せたい場所を“注視”するための演出が挟まれたりしています。
過去作『モンスターハンター:ワールド(以下、ワールド)』ではその片鱗が見えていましたが、「ストーリー重視のAAAタイトル」という表現がしっくりくるような、より“世界を魅せる”ことに特化した演出が盛りだくさん。
また、序盤の大型モンスター狩猟では、フィールドにある「シビレガスガエル」や「ツタの罠」などの狩猟に活用できる環境が任意目標として設定され、自然に学ぶことができるようになっています。とにかく導線が丁寧。
そして、コミュニケーションが密に発生するというのが強く印象として残ります。
本作ではアイルーやプレイヤーキャラクター(主人公)が積極的に喋るほか、相棒的役割を担うアルマや、物語の鍵を握っていそうな少年ナタ、『モンスターハンター4』の“加工屋の娘”とも噂されるジェマなど、それぞれのキャラクターがしっかりと立てられるほどに会話が発生します。もちろん任意での会話も可能なため、プレイヤーによってその総量は変わってくる予感がしますが、それを差し引いても会話がとても多く用意されています。
これまでのシリーズでは(とりわけ『ワールド』よりも前の作品では)文字から想像してそのキャラクター像などを解釈する形で、『ワールド』ではより直接的に描かれましたが、『ワイルズ』ではそれがよりモダンな作品となった印象です。表現もよりリッチになり、映像としての質の高さや美しい演出によって、より世界へ没入できるようなデザインとなっています。
◆進化したアクションと、セクレトがもたらす狩猟のテンポ
アクション面の進化については先日の「東京ゲームショウ 2024」試遊やベータテストで触れた読者も多いと察しますが、それぞれの武器に大技が追加され、よりダイナミックな(カッコいい)アクションへと進化しています。
特に筆者が大好きな太刀は、鬼刃兜割から派生する新アクションの「練気解放無双斬り」が好きすぎて、これをヒットさせるために狩猟が楽しくてしょうがない。(なお、ベータテストのユーザーからの意見をもとに、一部の武器には調整がなされる模様。詳しくは続報を待たれたい。)
また、ここにセクレトというスパイスが加わることで、広大なフィールドでの狩猟から不便さを取り除いています。スピーディな移動だけでなく、騎乗中の攻撃や、安全に回復や砥石の使用も可能。そのほかに採取も可能だったりととにかく便利です。
『モンスターハンターライズ』のガルクとはまた異なり、セクレトは導蟲を自動で追いかけてくれたり、モンスターの攻撃をかわしながら自動で動いてくれたりと、自身で判断して動いてくれるのが魅力のひとつ。自主性がある。
『ワイルズ』ではアクションそのものが拡張されているとはいえ、従来の基本的なアクションがベースとなっている以上、一定の範囲内で武器を持ってモンスターと対峙するという構図は変わりません。ここにセクレトが加わることで、過去作にあった“エリア移動する際の一息つく”ようなブレイクタイムが生まれる効果もあるように感じます。ダラダラとモンスターと対峙し続けるのではなく、アクションゲームとしてメリハリのあるテンポを生み出しているような印象も受けました。
◆ババコンガは“ふさふさ”じゃなくて“ボサボサ”で感動
今回の試遊では、およそ7体ほどの大型モンスターと出会うことができました。恐らく意図してデザインされていると想像できますが、両性種「チャタカブラ」や、獣竜種「ケマトリス」、牙獣種「ババコンガ」といったそれぞれ特徴の異なるモンスターが次々と登場し、武器アクションではなくモンスターと対峙するという意味でのアクション面でも気を遣われている印象です。
特に印象に残ったのは鋏角種「ラバラ・バリナ」。薔薇の花を背負った蜘蛛のようなそのビジュアルは、登場するフィールド「緋の森」の妖しい深紅の色味と相まって美しく、生物的な美しさを感じます。と、見とれているといじわるな攻撃で伸されるのがシリーズの醍醐味ですが、ラバラ・バリナも例に漏れず、まき散らす赤い胞子のようなゆっくりと落ちる攻撃に麻痺したり、長い脚を用いた機動力のある攻撃に翻弄されたりと、新たな出会いに感謝。
また、過去作ファンにはお馴染みの「ババコンガ」とも再会。もはや腐れ縁のような関係のハンターも多いでしょうが、久々に会うババコンガはやたらとふさふさ。といってもアイルー的な綺麗なふさふさではなく、いうなれば“ボサボサ”な印象。ババコンガのイメージとピッタリで、鼻先のちょっと湿った感じや汚らしさなど、ビジュアル的にもパワーアップした再会となりました。
◆プレイヤーが触れることのできる“生態系”の作り込み
また、印象に残るのは“世界の作り込み”です。一口に作り込みといっても、過去に弊誌でも取り上げた「モンスターの死体が骨になる」などの“生態系”ほか、遠くにそびえる山々のグラフィックや、環境生物、「緋の森」に住むモリバーなる獣人族など、フィールドからプレイヤーが感じることのできる部分がとにかく作り込まれています。
人々の集落には生活感のある小物がしっかりと表現され、彼らの暮らしぶりを想像することができるほか、荒廃期、異常気象、豊穣期によってフィールドが全く違う顔を見せるといった、『モンスターハンター』の世界によりのめり込むことができるような表現がところ狭しと並んでいるのです。
またそれらがゲームプレイに紐付いているというのも嬉しいポイント。例えば簡易キャンプに大型モンスターが忍び寄ってきて突然ぶっ壊されたり、骨になったモンスターの死骸は骨塚として採取ができたりと、世界の息遣いが直接プレイヤーの関与するところにあるのです。とにかく、この世界で今なにが起きているのかを知りたくなります。
今回触れることができたのは、本作の一部分にすぎないでしょう。今後どのような評価になるか定かではありませんが、少なくとも今回遊んだ体験としてはアクション、ストーリー、世界の作り込みの3拍子全てが大きくパワーアップしている印象を受けました。
ここまで述べてきた通り、武器であればアクションの大幅な進化と、それに伴う環境活用の充実、セクレトがもたらす利便性の向上によって狩猟体験、つまりアクションゲームとしての楽しさが大きく飛躍しています。
ストーリーはシームレスに展開され、まるで海外ドラマをぶっ通しで見てしまうようにプレイできるその内容と、世界をより掘りさげる未知“禁足地”への好奇心、そして世界で群れを成す大型モンスターや、住まう獣人族、一時たりとも見逃したくないと思わせる細かな世界の描き方によって、『ワールド』から『ワイルズ』へのパワーアップ具合は、これまでとは比べものにならないほどである印象を受けました。
一刻も早く発売してほしい。この物語がどこへ続くのか、そこにどんな出会いがあり、どんなモンスターがいて、どんな狩猟が待っているのか。今から発売が楽しみでなりません。
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