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“多人数対戦型”の「不思議のダンジョン」も検討していた? ファン必見のSteam版『シレン6』発売記念インタビュー

インサイド / 2024年12月11日 12時0分

14年ぶりの完全新作として、多くのファンを虜にしている『不思議のダンジョン  風来のシレン6 とぐろ島探検録(以下、シレン6)』。12月12日には、いよいよSteam版が発売となります。


それを記念して、インサイドでは開発者インタビューを実施!Steam版に関する話や、「不思議のダンジョン」ファンが気になるアレコレを聞いてきました。


(左)ディレクター・アートディレクター 櫻井啓介氏、(右)プロジェクトマネージャー 篠崎秀行氏

◆Steam版で、より快適になった『シレン6』!


―いよいよ12月12日にSteam版『シレン6』が発売となります。どんな特徴がありますか?


篠崎氏:基本的なゲーム内容は、発売中のニンテンドースイッチ版と同等です。ただしSteam版はグラフィックがより綺麗になっているほか、最大で4K解像度までサポートしています。


櫻井氏:高解像度にした時に顔がちゃんと見えるなど、全体的に質感が向上していますよ。クッキリ、ハッキリしてます。


篠崎氏:ニンテンドースイッチ版はハードウェアの特性上、処理速度を大事にした分、グラフィックが多少犠牲になっていた部分がありました。Steam版ではそういった制約がないのでモデル自体は変わりませんが、より良くなっています。先日も久しぶりに自宅でテストしたら、「こんなに綺麗だったっけ」って驚いてしまいました。


それとニンテンドースイッチ版だとほんの少し処理落ちしていたような部分も、PCのスペックにもよりますが快適に操作できます。


―処理落ちと言いますと、ダンジョン内で兵隊アリ種が壁を掘ってる時とかですかね?


櫻井氏:あれは処理落ちではなくて、壁を掘る演出のウエイトですね。例を挙げるなら、流れる水路マップなどでしょうか。ニンテンドースイッチ版もある程度改善はしているのですが、Steam版だとより快適になっています。


篠崎氏:そのほか「風来救助」や「パラレルプレイ」はニンテンドースイッチ版とのクロスプレイに対応しています。機種によってできない要素というのは基本的にありません。


櫻井氏:「Steam Deck」や、Windows11 が入った携帯ゲーム機的なコントローラーでもできる限り動作確認をしています。そういったハードをお持ちであれば、ニンテンドースイッチ版のように寝っ転がりながらプレイもできますよ。


―全109曲を収録したデジタルサウンドトラック「劇伴音楽之巻」も、ゲームと同時に発売されますね。


篠崎氏:サウンド制作を担当頂いたノイジークロークさんに全曲リマスタリングしてもらい、曲の順番も考えて調整するぐらいこだわっています。Steamと同時に各音楽配信サイトでも展開しますので、ニンテンドースイッチ版で遊んでいる方も楽しみにしてください。


―Steam版は最初からニンテンドースイッチ版の無料アップデートコンテンツが含まれており、さらに有料追加コンテンツ「plus パック」も同時発売となるため、非常に多くのダンジョンが遊べます。これだけあると迷ってしまいそうですが、お二人のオススメはありますか?


櫻井氏:私は先日のインタビューでも触れた通り、「GoGoダンジョン」が完成度高くてイチオシです。それと毎回ランダムで配られる道具で進行する「やりくり上手の森」も、通常プレイとは異なる変わり種として面白いですよ。


篠崎氏:Steam版で初めて『シレン6』を遊ばれるのであれば、まずはメインストーリー後に訪れる「とぐろ島の神髄」に挑んでもらいたいです。「不思議のダンジョン」シリーズが久々なら、未識別道具の練習にもなる「推測の修験道」もいいですね。


それと「plus パック」までご購入頂いてガッツリ遊ぶよという方であれば、やはり超高難度な「超・神髄」に目が向くと思います。ぜひ、ヒィヒィ言っていただければ(笑)。


◆「超・神髄」は、「ここまでやって大丈夫か」なんて思いながら作った




―「超・神髄」は私もプレイしていますが、本当に気が抜けなくてヒィヒィ言ってます(笑)。先日も序盤に「白紙の巻物」が2枚出てきて、まわるポリゴンを根絶やしにするか、盾にゾワゾワorおにぎり返しを合成しようかワクワクしてたのに、気付いたらおにぎりが全然足らず、泣きながら食料にしました……。


篠崎氏:昔のシリーズ作品なら食糧難なんてよくある光景でしたが、『シレン6』だと「超・神髄」が顕著ですよね。食糧難に悩まされやすい方は、同じフロアに留まって稼ぎをしすぎているのかもしれません。


―「超・神髄」配信から1ヶ月以上経ちますが、ユーザーさんからの反応をどう見ていますか?


櫻井氏:思ったよりもクリアされている方が多いなという印象です。総じて満足感は強いのかなと受け取っています。


篠崎氏:そもそも私自身はこんな立場ですが、「不思議のダンジョン」はあまり上手ではないんです。だから通常の「とぐろ島の神髄」を簡単だと仰っている上級者に対して、まず「あなたたち、どーゆーこと!?」ってツッコミを入れたい(笑)。


だからこそ、より難しくなった「超・神髄」は制作段階から「ここまでやって大丈夫か」なんて心配になりつつも、結果的にしっかり楽しんでもらっている印象でホッとしています。先日の「超・神髄への挑戦キャンペーン」にも、配信開始から10日間で約200人ほど応募があって驚きました。


「超・神髄への挑戦キャンペーン」の賞品となる描き下ろしイラスト入りサイン色紙 (※キャンペーンは終了しました)

―配信10日間で「超・神髄」クリアは本当に凄いですね……!


篠崎氏:ただ今回は公式パラレルコードを用いての挑戦でしたので、「こうやったらあの道具が手に入るぞ」みたいな情報が、SNSを通じてプレイヤー間で共有されたのも大きかったと思います。


櫻井氏:同じパラレルコードを使っているため、誰かの動画を見れば未識別の道具も何か分かっちゃいますからね。そんなふうに集合知が出来上がっていく部分も含めて、新しい遊びになったんじゃないかなって。


◆『テトリス99』や『マリオ35』みたいな、“多人数対戦型”『シレン』を考えていたことも


―このタイミングだから話せる、開発中のボツ案などがあれば教えてください。


篠崎氏:前提として、「不思議のダンジョン」は本作でボツになっても次回作以降で使われるネタが多くて、話しにくかったりはするのですが(笑)。


その例として、本作の「パラレルプレイ」の前身にあたるものを、前作『不思議のダンジョン 風来のシレン5plus フォーチュンタワーと運命のダイス(以下、シレン5plus)』で考えていました。


ダンジョンへ挑戦する前にパスワード等を入力して、固定されたダンジョンでタイムアタックなどの遊びができないかなと。結局、制作期間が短いこともあって実装には至りませんでしたが、『シレン6』で消化できた形ですね。


―なるほど。ずっと温めてきた機能だったのですね。


櫻井氏:今後も使われなさそうなボツ案でいうと、『テトリス 99』や『スーパーマリオブラザーズ 35』のように、多人数対戦型で『風来のシレン』が遊べないか、検討してたことがありました。


―うわっ、それは凄く面白そう!


櫻井氏:まあ実際問題、ユーザー数が足らないよねとは思いつつ。『風来のシレン』が100万本くらい売れたらやってみたいです(笑)。


篠崎氏:『風来のシレン』は一回のプレイ時間が長いとか、何人集まったらGOするんだとか、このアイデアには色々と課題がありました(笑)。でも競うって遊びは楽しいですよね。


櫻井氏:実はニンテンドーDSとPlayStation Vitaで発売した『シレン5(※Vita版は『シレン5plus』)には二人対戦モードがあって、相手プレイヤーの邪魔をするなんてことができました。


篠崎氏:ニンテンドーDSなら相手が上画面で、自分が下画面。「遠投の腕輪」を装備して道具を投げたり、杖を画面外に振ったりすると相手に当たるんです。で、最後のフロアで両プレイヤーが対峙して、持ってる道具をフル活用して相手を倒すという。


ただ『風来のシレン』は一人で黙々と遊ぶ方が多いのと、ローカルマルチだったこともあって、あまり話題にならず……(笑)。なので、ニンテンドースイッチ版とSteam版の『シレン5plus』には入っていません。


※編集部注 2010年の弊誌プレイレポで、この対戦モードを紹介しています。


◆今後の「不思議のダンジョン」シリーズはどうなる?


―今後のアップデートで予定していることはありますか?


篠崎氏:正直、これまで予定していたものが今回のSteam版で全て出たという状況です。つい先日、「超・神髄」のクリア率が0%だったものを小数第一位まで表示するといった細かい調整を行いました。今後もこういったものや、大きなバグなどを検知した際は修正を行いますが、「いついつまでに大型アップデート」といったことは、今は言えないですね。



とはいえ有料DLCの売り上げが好調ですし、今回のSteam版もいっぱい売れたら、「もうちょっと頑張れ」なんて話が会社からあるかもしれません。


―そもそも有料DLCも最初は予定がなく、発売後の反響の高さから制作が決まったと仰っていましたものね。


篠崎氏:そうですね。私自身「不思議のダンジョン」が好きでこの場におりますので、『風来のシレン』や他のダンジョンも作っていきたいと思っています。


とにかく今は、多くの方に『シレン6』を遊んで頂いている現状が本当に嬉しくて、SNSや配信を見るたびに幸せな気持ちになります。


―配信といえば、なぜ『風来のシレン』って人が苦しい状況になればなるほど、見てる側はワクワクしちゃうんでしょうね(笑)。


篠崎氏:そうですね(笑)。自分ではできないくせに、人がやってる時だけ「こうすりゃいいのに」なんて思ったりして。


でも最近、配信を見た後に自分でも挑戦したくなる要素って、今のゲームに必要だなとも感じています。そういう意味では、『シレン6』は昔からの体勢を貫いているだけではあるものの、現代にマッチしてるのかもしれません。


今回のSteam版は手に取りやすいと思いますし、今後ニンテンドースイッチ版も折を見てセールになる時もあると思いますので、今遊ぶのが難しい方でも気に留めて頂けたら嬉しいです。


―前作『シレン5plus』の配信も見かけますよね。


篠崎氏:これも先日のセールがきっかけになって、SNSで盛り上がっていました。


『シレン5plus』は寝ているマゼルンに道具を投げても『シレン6』とは違って合成できないとか色々罠があります。私が意地悪で、それにトロフィーが立つようなこともして……。


―いかに最新作『シレン6』が遊びやすくなったかわかります(笑)。『風来のシレン』シリーズの今後についてもお伺いしたいのですが、また14年待たなきゃいけない、なんてことはないですよね……?


櫻井氏:14年は、私たちも待ちたくないですね(笑)。


篠崎氏:チームの何人もが定年を迎えてしまうかも(笑)。


櫻井氏:チームは他作品に携わることもありますので、その合間合間にできればと。


篠崎氏:そうですね。結構な本数を回してはいるのですが、今後も続けていきたいですし、みなさんが忘れないうちにと思っています。


―それを聞いて安心しました!最後にファンのみなさんへ一言お願いします。


櫻井氏:この1年間、細かいアップデートが続けられたのもSteam版が出せるのも、ニンテンドースイッチ版や有料DLCを、多くのユーザーさんが買ってくれたのが全てだと思っています。ぜひ、これからも楽しんでください!


篠崎氏:今年1月にゲームを発売した後、他のプロジェクトもやらねばと思っていたところ思いのほか売上が好調で、そこからDLCも作ろうとなり、結果的にずっと『風来のシレン』に携わる年となりました。本当に有意義で、素敵な時間でした。これもユーザーの皆さんに買って頂けたからです。本当に感謝しています。


Steam版も早く出したいとは思いつつも、先にニンテンドースイッチ版を買って頂いた方に満足できるアップデートをお届けしたく、その分だけ時間が掛かってしまいました。両機種とも同じテイストにこだわっていますので、その気持ちが伝わったら嬉しいです。


これからもぜひ配信等含めて、どんどん『シレン6』を遊んでください!


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