残りの年始休みが吹き飛ぶ!? 時間泥棒だけど見逃せない“2024年の話題作”3選─冒険感溢れるARPG、アトラス渾身の意欲作、名作の3Dリメイクも
インサイド / 2025年1月4日 9時30分
2025年の三が日も過ぎ、ようやく落ち着いて時間が自由になった人も多いことでしょう。しかし今年は年始の休みが長いため、ゲームを楽しむゆとりはまだまだあります。
2025年に登場する話題作も気になるところですが、さすがにまだ発売を迎えていません。そこで今のうちに、2024年の見逃せない話題作を遊んでみてはいかがでしょうか。お勧めしたい3作品を独断でチョイスし、その魅力やお勧めしたいポイントを分かりやすくお届けします。
■『ドラゴンズドグマ2』:PS5/Xbox Series X|S/PC
◆制約の少ない、自由度の高い探索
広大なフィールドを舞台とする3DアクションRPGは、2024年だけでも数多く登場しています。今回の候補に挙がった作品も複数ありましたが、特にお勧めしたいのが『ドラゴンズドグマ2』です。
本作はファンタジー世界をオープンワールドで表現し、国を揺るがす物語を追いかけつつ、バトルに探索と様々な冒険が楽しめる作品です。そんな『ドラゴンズドグマ2』の良さを個人的に2つのポイントに絞るなら、「自由度の高さ」と「不便の隣にある冒険感」です。
メインクエストの進行は概ね決まっているものの、チュートリアル部分を過ぎると行動の制限はほとんどなく、シナリオを進めずに広大な世界をひたすら探索するのも可能。「シナリオを進めないと経験値が稼ぎにくく、職業のレベルが上がらない」といった制限も特にありません。
また、この世界には2つの国があり、関所を行き来するには通行証が必要になります。通行証はシナリオの進行に応じて入手できますが、実は関所を通らずとも、街を迂回するような形で隣国にたどり着けるのです。「探索に励んでいたらいつの間にか隣の国に、そしてさらに広がる冒険の地」という展開も楽しめます。
探索やレベル上げ、隣国への侵入など、ゲーム的に制限をかけようと思えば、そう難しい話ではないでしょう。しかし、プレイヤーから選択肢を奪わず、ゲーム制作としてはむしろ労力が増える「自由度の高さ」を確立する姿勢に好印象を覚えました。もちろん、その恩恵でゲーム自体も面白さが増しています。
◆“不便”に潜む冒険には、減点と加点の両面が
そしてもうひとつ、「不便を乗り越える冒険感」についてですが、本作において「便利で快適」という移動手段はほぼ存在しません。徒歩での移動は当然時間がかかりますし、乗り合いの馬車は決まった場所しか行き来できず、その交通網もひどく貧弱です。
快適なテンポを求めるプレイヤーにとって、『ドラゴンズドグマ2』は減点が多い作品だと思いますし、その意見も間違いではありません。しかし前述した“不便”からは、ただの手抜きや理不尽の結果ではなく、狙いや意図した作りが窺えるのです。
例えば徒歩の移動は、貴重なアイテムや隠された洞窟との出会いが待っています。洞窟はかなり数が多く、連続で見つけることもしばしば。貴重なアイテムが眠る宝箱を求め、巨大なモンスターの出現に驚かされる……そんな展開も、洞窟探索では日常茶飯事です。
馬車の移動先は乏しいのも、フィールドのそこかしこに転がっている冒険との遭遇を促しているのだと思われます。一瞬で街から街へと移動できれば非常に便利ですが、その間に本来あるはずだった“冒険”も省略してしまいます。本作は、その狭間にあったはずの“冒険”にもフィーチャーしている作品なのです。
UIも含めて粗削りな部分もありますが、“不便”から冒険を促す構成には意図が感じられ、好みこそ分かれますが、単なる欠点ではありません。減点方式だと点数は下がりがちになり、加点方式なら指折りの傑作に成り得る。そんな『ドラゴンズドグマ2』だからこそ、今回強くお勧めしたく思います。
■『メタファー:リファンタジオ』:PS5/PS4/Xbox Series X|S/PC
◆『ペルソナ』クリエイター陣が作り上げた『メタファー:リファンタジオ』
アトラスは、『真・女神転生』シリーズに『世界樹の迷宮』シリーズと、様々なターン制RPGを手がけ、数多くのヒットを生み出した。『真・女神転生』シリーズの外伝として始まり、独自のスタイルを確立した『ペルソナ』シリーズをきっかけに、アトラスを知ったという人も少なくありません。
そんなアトラスの35周年を記念するタイトル『メタファー:リファンタジオ』が、2024年10月11日に発売されました。本作は『ペルソナ』チームが中心となって開発にあたり、その実績と経験による完成度が、良質なプレイ体験に繋がっています。
しかし、本作に触れていないユーザーの一部は、「『メタファー:リファンタジオ』は『ペルソナ』っぽい」といった印象を受けている人もいます。
両作品に共通するクリエイターが多いため、近しい感触を覚えるのも無理のない話ですが、実際に本作と『ペルソナ』は似ているのか。その比較を通して、『メタファー:リファンタジオ』の特徴や魅力を紹介します。
◆比較で浮き彫りになる『メタファー:リファンタジオ』の個性
一見したイメージで“似ている”と感じるのは、キャラクターデザイナーが共通している点が大きいでしょう。『メタファー:リファンタジオ』のキャラデザを手がけた副島成記氏は、ナンバリング3作目以降の『ペルソナ』シリーズも担当しているので、印象が近いのは当然の話です。
もちろん、現代劇で学生を中心とした『ペルソナ』シリーズと、ファンタジー世界で様々な種族が暮らす『メタファー:リファンタジオ』では、デザインのコンセプトも異なりますし、その違いは明確にビジュアルから伝わります。
また、『ペルソナ』シリーズの主人公たちは、大きな活躍をするものの、その世界に生きる人々に直接知られることはなく、スケールとしては比較的“ミクロ的な物語”です。一方『メタファー:リファンタジオ』は、次代の王を決める選挙に挑み、国の命運を左右する立場となります。
そのため本作が描くのは“マクロな物語”で、『ペルソナ』シリーズとは趣きが異なっており、多くの人々に直接影響する壮大さを持ち合わせています。
そして主人公たちの目的も、両作品で大きな違いがあります。『ペルソナ』シリーズは、起きた異変や事件に対処すべく戦いますが、『メタファー:リファンタジオ』は次代の王を決める選挙へと乗り出し、支持を集めるために国中を駆け巡ります。前者が「日常を取り戻す」行為だとすれば、後者は「新たな日常を作り出す」行為と言えるかもしれません。
『ペルソナ』シリーズは、日常の延長線上にあるため、行動範囲もある程度決まっています。特に『ペルソナ3』以降は、学校に通いながら日々を過ごすため、住まいと学校の往復が基本です。
『メタファー:リファンタジオ』の場合、各地を巡って問題を解決し、その行動を通して支持を集める必要があります。そのため、地上を走る「鎧戦車」に乗り、日々様々な地方へと出向きます。シンプルにまとめるなら、『ペルソナ』シリーズは日常の中に、『メタファー:リファンタジオ』は旅の中に、物語や仲間との絆がちりばめられているのです。
◆共通点は進化の証のひとつ
物語や目的、プレイ感などの違いがある一方で、『ペルソナ』シリーズと共通する要素もあります。例えば、どちらの作品にもゲーム進行に時間の概念があり、ある程度予定を立てて日々を過ごさなければなりません。ただしスケジュール管理はそれほど厳しくはなく、そのやりくりが楽しい点も共通しています。
また、形式こそそれぞれですが、仲間や支援者との交流を通じ、絆を深めることで様々な効果を得られる点も同じです。もちろん、彼らの人となりを知る貴重な機会でもあるので、より深く世界に没入するための手助けにもなります。
戦闘面でもっとも分かりやすいのは、弱点などを突くことでターン内の行動回数が増える「プレスターンバトル」の導入や、自分の内なる力(『ペルソナ』では「ペルソナ、『メタファー:リファンタジオ』では「アーキタイプ」)を駆使して戦うところでしょう。
しかしこうした点は、単に『ペルソナ』を踏襲しているだけではありません。行動回数が増減する「プレスターンバトル」というシステムは、元を辿れば『真・女神転生III-NOCTURNE』で生まれたもので、そこから『ペルソナ』シリーズに継承されたものです。
また近年の『ペルソナ』作品では、自由に「ペルソナ」を付け替えられるのは主人公のみ。しかし「アーキタイプ」は他の仲間と共有することが可能で、より自由で幅のある編成を構築することができます。加えて「ペルソナ」というシステムも、原点を遡ると『真・女神転生if...』の「ガーディアンシステム」に辿り着きます。
バトル関連で共通する要素が多い一方で、それらは『ペルソナ』だけのものではなく、他のシリーズの影響を受けている面もあります。また、『メタファー:リファンタジオ』はそうした要素を受け継ぐだけでなく、ターン制RPGながらアクションだけで敵を倒す「ファスト」といった独自要素も加えており、新たに昇華してる点も見逃せません。
確かに『ペルソナ』シリーズと共通している面もあるものの、それは『ペルソナ』と『メタファー:リファンタジオ』が近いというよりは、アトラスが積み上げたRPGの経験を集大成したもの、と捉えたほうが正確かもしれません。
『ペルソナ』に似ているから……という理由だけで回避するのは、あまりにもったいない話だと個人的に感じます。むしろ、アトラスが提案する“より進化させたターン制RPG”を味わいたいなら、この『メタファー:リファンタジオ』が現時点の最適解といえるでしょう。
■『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』:スイッチ/PS5/PS4/PC
◆『ロマサガ2』の魅力を受け継いだ『リベンジオブザセブン』
ここまで取り上げた2作品は完全新作でしたが、最後に紹介する『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』は3D化によるフルリメイク作品です。1993年にリリースされたスーパーファミコンソフト『ロマンシング サガ2』が、移植やリマスターを経て、2024年に初のフルリメイクを迎えました。
まずは、『ロマンシング サガ2』から受け継いだ『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』の特徴について迫ります。まず中心的な特徴といえば、「ゲーム開始からクリアまで主人公が一環しておらず、代々受け継がれていく」という点でしょう。
本作の主人公は、バレンヌ帝国の皇帝。この帝国の版図を広げつつ、強敵との戦いに挑むのがおおまかな流れになります。その偉業はとても1代では達成できず、長い年月をかけて何代もの皇帝たちが挑むことで、ようやく手が届くという壮大な目標です。
そして帝国領の広げ方は、決して画一的ではありません。他の国を、いつ、どのタイミングで領土にするのか。また、強硬な立場で挑むのか、歩み寄りの姿勢を見せるのか。皇帝であるプレイヤーの判断次第で、経過や結果が大きく変わっていきます。
選択を誤れば、仲間にできないクラスがあったり、帝国の収入が減ったりと、良くない結果を招くことも。取り返しがつかない選択もありますが、重要な判断を下すのも皇帝だからこその醍醐味。選択を誤っても、いわゆる“詰み”はないので、その点はお安心ください。
「フリーシナリオ」とも呼ばれる自由度の高さと、決断によって変化する結末。その双方が相まって、同じゲームを遊んでも描かれる「帝国史」は千差万別。物語を通して、自分だけの歴史を刻むことができる作品なのです。
◆戦闘も特徴的な『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』
『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』はターン制のRPGですが、一般的な作品とは異なる部分も少なくありません。
パーティのメンバーは、HPとは別にLP(ライフポイント)が設定されています。HPが尽きても復活できますが、そのたびにLPが1減少し、LPが0になると復活不可能……つまり、正真正銘の死亡です。
これは皇帝も同じ条件で、皇帝のLPが0になると皇位継承が行われ、次代の皇帝が主人公になります。普通のRPGだと「HPが0になっても、復活させればいい」と思いがちですが、本作の場合は致命的な事態が待っているため、戦闘の緊張感が一味違います。
またキャラクター自身にレベルはなく、戦闘中に行った行動に応じて武器や魔法のレベルが個々に上がり、ステータスがアップします。そして新たな技や術は、戦闘中に“閃き”が発生すると取得。取得した技と術は登録され、次世代へと受け継がれていくのも醍醐味のひとつです。
このほかにも、フォーメーションで効果が変わる「陣形」や、戦闘の回数に応じて敵が段階的に強くなるシステム、多種多彩な武具、世代を経て強くなる育成など、RPGとして非常に個性に富んでいる点も本作の見逃せない魅力です。
◆新規もファンも嬉しい、追加&独自要素
ここまでは『ロマンシング サガ2』と共通する部分ですが、『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』で大きく変わった点や追加要素なども存在します。
ファンはもちろん、初見のプレイヤーにとっても大きな影響を及ぼすのが、新たに追加された「七英雄の記憶」です。かつてこの世界を救った七英雄は、しかし今では大いなる脅威となってこの世界に影響を及ぼしています。
果たして彼らに何があったのか。英雄と呼ばれるようになった戦いの裏側で何が起こっていたのか。その背景が語られる「七英雄の記憶」は、『ロマンシング サガ2』への理解度を高めてくれる、『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』ならではの要素です。
また、キャラクターが3D化し、イベントがフルボイスになったことで、イベントシーンの表現がより豊かになりました。感情の揺らぎやちょっとした仕草から、出来事の重みや心情が伝わりやすくなったのも、リメイクの恩恵と言えます。
加えて、3D化の影響でダンジョン(平原なども含む)も立体的な構造になりました。その高低差を活かし、モンスターとの戦いが回避しやすくなったため、移動中のプレイ感も変化しています。特に本作は、戦闘回数によってモンスターが段階的に強くなっていくので、戦い過ぎないよう調整するためにも、3D化による避けやすさは恩恵といっていいでしょう。
このほかにも、“閃き”の可能性があるとアイコンがついたり、モンスターの弱点が可視化されて戦いやすくなったりと、『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』ではプレイの快適度も大きく上がりました。
従来の魅力を忠実に受け継ぎつつ、「七英雄の記憶」の追加や表現の豊かさ、探索し甲斐のあるダンジョンと、進化の数々も申し分ない『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』。新規の人はもちろん、ファンにとっても刺激的な作品です。
2025年もゲーム業界を賑わす話題作が数多く登場しますが、実際のリリースまではまだ少し時間があります。年始の休みどころか、1月中の休日も時間が溶けてしまいそうなこの3作品を楽しみつつ、新たな期待作の登場を待ちましょう。
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