『真・三國無双 ORIGINS』は「一騎当千」と「本格アクション」の欲張りセット! 大軍勢の戦いに影響を与え、総大将と緊張感溢れる戦いを満喫【プレイレビュー】
インサイド / 2025年1月13日 20時0分
2000年にデビューした『真・三國無双』は、「三国志」をモチーフとする世界観を舞台に、群がる無数の兵士を次々となぎ倒す「一騎当千」の醍醐味が味わえるタクティカルアクションゲームとして好評を博しました。
そのコンセプトを受け継いだシリーズ作が続々と作られていき、四半世紀もの歴史を重ねた2025年1月17日、最新作の『真・三國無双 ORIGINS』がPS5/Xbox Series X|S/Steam向けに登場します。
敵味方が入り乱れる混戦の戦場で、“圧倒的な臨場感”や“戦況を覆す高揚感”、“無数の敵をなぎ倒す爽快感”を追い求めたシリーズの魅力は、『真・三國無双 ORIGINS』でどのように花開いたのでしょうか。
それをプレイヤーが直接確かめる機会は、まだ少しだけ先の話になります。ですが、発売に先駆けて本作に触れる機会に恵まれたので、本作のプレイ体験をもとにした先行レビューを今回お届けします。まずはこのレビューを通して、その魅力の一端に触れてみてください。
なお、ネタバレを避けるため物語面への詳しい言及は避けますが、序盤の展開など一部触れている部分があります。その点にご注意ください。
■味方の危機に駆けつけるか、武功により士気を高めるか
『真・三國無双』シリーズの魅力といえば、大軍団同士がぶつかり合う臨場感と、プレイヤーの行動で戦況に影響を与える心地よさが欠かせません。『真・三國無双 ORIGINS』は、こうした特徴を「士気」と「大軍団」によって表現しています。
デフォルトで「無名」(任意で好きな名前を入力可能)と呼ばれる本作の主人公は、武将レベルの力を持っており、一騎当千の活躍すら可能です……が、たったひとりで戦場をあまねく巡り、全ての戦いに勝利するというのはあまり現実的ではありません。
敵味方が入り乱れる場所に主人公が赴けば、その場の戦局を一気に変えることは可能です。しかし、そこへたどり着くにも時間がかかりますし、戦っている間にも別の場所で味方が窮地に陥っている場合もあります。
本作では、戦場の各地で起きている戦いの状況が、「戦域」と呼ばれる菱形のアイコンで表示されます。味方軍が有利だとアイコンは青くなり、そのまま放っておいても勝利しますが、アイコンが赤い時は敵軍が有利で、手を打たないと味方が敗れてしまうのです。
赤いアイコンが一か所だけなら、主人公が駆けつけて参戦する手もありますが、同時に数か所で「戦域」が起こることも多く、「こっちを助けている間に、あっちが不利に」と選択を迫られることもしばしば。こうした状況下で、ひとりが全てをカバーするのは至難の技です。
ですが、全ての戦いに参加せずとも、戦いを勝利に導くことは可能です。それは、味方の「士気」を上げること。士気にはいくつかの段階があり、劣勢だと味方が負けやすくなり、敵総大将も大幅に強化されますが、優勢なら軍団同士の戦いで味方が勝ちやすくなります。
この「士気の上昇と低下」が各地の戦いを大きく左右し、ひいては戦場全体の戦局に影響を及ぼすのです。戦術上、非常に重要な要素となる士気は、敵の拠点を制圧したり、敵武将を撃破するといった成果で上昇し、味方の武将が倒れたり、拠点が敵に陥落されると減少します。
戦場に赴けば直接窮地を救えますし、瀕死の味方武将も回復できます。そして遠く離れたままでも、主人公が士気に影響するほど活躍すれば味方の軍勢が勢いを増し、激しく抵抗したり劣勢を覆すことが可能になるのです。
主人公の活躍が、味方の士気を高め、戦場全体の戦局が変わっていく。“一騎当千の活躍”が広範囲に影響する手ごたえは、『真・三國無双 ORIGINS』ならではの醍醐味を味わわせてくれます。
■兵士も手ごわい「大軍団」! 軍勢同士の戦いが戦場を沸き立たせる
広い戦場を埋め尽くすほどの大軍勢は、敵であれば恐ろしく、また味方ならば頼もしい存在です。
家庭用ゲーム機では最高のスペックを誇る現行機や、構成次第で高い性能を発揮するPCで遊べる『真・三國無双 ORIGINS』は、そうした性能を活かして大軍勢を描写し、シリーズ史上でも類を見ないほどの“圧倒的な大戦感”を演出しています。
その見た目だけでも十分魅力的ですが、兵士たちの数がただ多いだけではなく、軍団同士ならではのゲーム性が盛り込まれている点も見逃せません。
群がる兵士を薙ぎ払い、一振りで何十人も吹き飛ばす爽快感は、『真・三國無双』シリーズの真骨頂。『真・三國無双 ORIGINS』でも、この快感に酔いしれる機会は無数に訪れますが、常に一方的な戦いばかり繰り広げるわけではありません。
敵の武将が強いのはもちろん、たとえ一介の兵士であっても、複数の軍団が集合して作られる「大軍団」となれば警戒すべき強敵に変わります。
「大軍団」は総じて戦意が高く、主人公相手にも手痛い攻撃を繰り出したり、受けるダメージを軽減したりするといった効果も発動。人数が多いこともあり、戦意の高い兵士は侮れません。
この「大軍団」にはゲージがあり、兵士や武将を倒すことで減っていき、ゲージが0になると瓦解。ここまで追い込めば、あとは容易に撃破できます。「大軍団」は手ごわさもある一方、乗り越えればその軍勢を総崩れにできる、メリハリの利いた戦闘が楽しめます。
そして、これは「大軍団」に限った話ではありませんが、敵味方ともに入り乱れますし、一騎当千のゲーム性から主人公は1対多で戦う場面が多くなります。敵武将と戦っている間も兵士から攻撃を受け、その隙を武将に突かれて一撃を食らう……といった場面もあり、悔しい思いをさせられることも。
ただし、乱戦なのは敵も同様。例えば、敵の武将が味方の武将と戦っている時は、主人公に気づかない場合もあり、背後から容易に攻撃を食らわせることもできます。戦場ならではの戦いを、いかに有利に立ち回るか。これもまた、大軍同士が戦う『真・三國無双 ORIGINS』の味わいです。
■高難易度アクションを彷彿とさせる、敵武将との激戦がアツい
士気を上げて味方を鼓舞し、敵の「大軍団」を撃破する。大規模戦闘の醍醐味をゲーム性に落とし込み、満足する手ごたえを与えてくれる『真・三國無双 ORIGINS』ですが、主人公自身のアクション性も大きな魅力のひとつです。
主人公の攻撃は、素早く攻撃を繰り出す「通常攻撃」、威力が高く、敵のガードを崩す「強攻撃」、リソース(闘気)を消費して強力な攻撃などを繰り出せる「武芸」、一定時間無敵状態で鬼神の如く戦う「武神覚醒」などに分かれており、これらを組み合わせて戦います。
そして、攻撃と同等かそれ以上に重要なのが、防御手段です。任意の方向に避ける「回避」、敵の攻撃を防ぐ「ガード」、敵武将の攻撃に合わせてガードすると発動する「弾き返し」、タイミングよく回避する「見切り」など、こちらも様々な手段が揃っています。
「弾き返し」は敵の攻撃を弾くだけでなく、敵を無防備な状態にでき、そこに反撃を叩き込めます。防御手段ですが、攻めに転じることができるのが嬉しい点です。また「見切り」が成功すると、「武芸」の発動に必要な「闘気」が少し溜まるので、強力な攻撃への足がかりになってくれます。
『真・三國無双』シリーズは、無数の敵をなぎ倒す爽快感が印象に残りやすく、時には「大勢の敵をただ倒すだけ」といった誤解を生む場合もありました。しかし、少なくとも本作におけるバトルは、こうした様々なアクションを使いこなすことが重要で、“ただボタンを押しているだけ”で勝てるほど甘いゲームではないのです。
名前のない敵武将であっても、漫然とした攻めではこちらもダメージを負いかねません。これが高名な武将ともなれば、ダメージの蓄積次第で敗北もチラつきますし、ステージの締めくくりを飾るボス相当の武将相手になると、「弾き返し」や「見切り」の頻度が増え、手ごわいアクションゲーさながらの手応えとプレイ感を味わえます。
また、これは少々ネタバレになるのですが、第1章「黄巾、義に起ちて暴に失す 英雄、乱に功を立つ」の終盤では、敵軍の総大将である「張角」と1対1で戦う場面もありました。
この時の張角は、巧みな棒術を繰り出すほか、浮かび上がらせた複数の岩石を連続して叩き込んできたりと、視覚的にもアクション的にも恐るべき攻撃を放ってきます。この時のプレイ感は、“さながら”という言葉も不要なほど、純然たるアクションゲームでした。
しかも張角の強さも相応で、“兵士相手の無双アクション”では苦戦必至。恥ずかしながら筆者は、張角の投石に一度敗れてしまい、リベンジでようやく勝利しました。「無双ゲーならボタン連打で余裕」と思い込んでいる人がいれば、この張角戦でその印象が変わることでしょう。
無数の兵士をなぎ倒す一騎当千感は、大軍勢の描写で爽快さが増しました。それでいて、多彩な攻撃と防御、そして手ごわい敵武将の存在により、鎬を削る緊張感と打倒する達成感も十分。特に総大将との戦いは、高難易度アクションのような手さばきで「弾き返し」や「見切り」で反撃を狙う、緊迫と集中が入り乱れるバトルが楽しめました。
本作のプレイを通じて特に印象に残ったのは、一騎当千の戦いが楽しめる心地よさ、その活躍が味方の力になって戦局を変える影響力、劣勢に追い込んだ敵の大将との手に汗握る戦いと勝利による達成感。その要素が相互に結びつき、一体化することで「大軍勢による戦場を駆け巡る楽しさ」に昇華されていたことです。
個々の要素もさることながら、それがまとまることで『真・三國無双 ORIGINS』独自のプレイ感を生み出しており、興奮と刺激に満ちた無双アクションに仕上がっています。
今回は触れませんでしたが、主人公の「無名」は多彩な武器を用いるため、その使い分けや気に入った武器を見つけるのもまた楽しく、強くなる実感が得られる育成も遊び甲斐がありました。また、「三国志」の英傑たちが自分(プレイヤーキャラ)を認め、一目を置く様は、やはり気持ちがいいものです。
これだけ触れても、『真・三國無双 ORIGINS』の魅力の全ては伝えきれていませんが、軍団同士がぶつかり、その戦場を駆け巡る臨場感を味わえる3Dアクションゲームとして、本作は非常に高い水準でまとまっています。
「一騎当千」と「緊張感のあるバトル」を両立している『真・三國無双 ORIGINS』。3Dアクション好きなら、遊んで損のない1作だと強く感じました。気になる人は、まず配信中の体験版でその一端に触れてみましょう。
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