『勝利の女神:NIKKE』オーケストラコンサートをネット上で(できるだけ)再現!セットリストと公開映像で、あの興奮の“追体験”を
インサイド / 2025年1月27日 21時0分
2022年に正式サービスが始まった『勝利の女神:NIKKE』は、地上の奪還を目指す指揮官(プレイヤー)が率いるニケと、敵性存在であるラプチャーとの戦いを描くガンガールRPGです。
プレイヤー自身のエイム(オートもあり)や編成の組み合わせによる戦略性、過酷な環境下に置かれた人類の暗部に迫る物語など、本作の魅力は多方面にわたっており、それぞれの要素が融合することで忘れがたいゲーム体験が生み出されます。
その要素のひとつとなる音楽も、多くの指揮官から支持されており、本作を語る上で欠かすことはできません。そんな本作の楽曲をオーケストラアレンジで奏でるコンサート「MELODIES OF VICTORY」が、パシフィコ横浜にて行われました。
■公開映像でセットリストを再現! オケコンの追体験をご提供
当日は多くの来場者が訪れ、物販では品切れが相次ぎ、会場も埋め尽くすほどの賑わいでした。しかし、興味はあっても当日足を運べなかった指揮官も多いはず。
『勝利の女神:NIKKE』公式Xにて当日の模様を収めた映像が公開されていますが、その時間は1分程度と限られており、「コンサートの雰囲気をもっと味わいたい!」という気持ちはかえって膨れ上がるばかりでしょう。
そんな方々に向けて、『勝利の女神:NIKKE』公式YouTubeやサウンドディレクターのチュ・ジョンヒョン氏が「Cosmograph」名義のチャンネルで公開している楽曲映像を元に、当日のセットリストを記事上で再現し、コンサートの疑似体験をインターネット越しにお届けします。
同じ楽曲でも当日のオーケストラ演奏とは異なるため、体験の再現とまではいきませんが、楽曲の構成や流れを通して、コンサートの一部要素だけでも追体験していただければ幸いです。
なお、作中のシーンと照らし合わせて紹介しているため、一部ネタバレがあります。最新のストーリーや過去のイベントを未見の人は、あらかじめご注意ください。
■告知PVにタイトル曲、アニメOPでお馴染みの楽曲で幕開け
13時の開演を迎えると奏者たちがステージに登壇し、掲げられた巨大なスクリーンに「MELODIES OF VICTORY」のPV映像(https://www.youtube.com/watch?v=c7XOCvdQjwY)が流れました。この映像は本コンサートの告知にも使用されたもので、幕開けを飾るのにこれ以上相応しい映像はないでしょう。
そして、セットリストの一番手「The Godness Fall」(https://www.youtube.com/watch?v=0t1pYScEXGA)が名乗りを上げます。ゲームのタイトル画面に使われているので、『勝利の女神:NIKKE』をプレイするたび耳にする楽曲です。
この曲を聴いているだけで、エレベーターの動きに合わせて通り過ぎる照明と、浮かび上がるラピの顔が脳裏を過ぎります。
続いて飛び出した「WE RISE」(https://www.youtube.com/watch?v=pgDlBmQubTI)は、オープニングのアニメPVで使われており、その映像が公式チャンネルに登場したのは2022年11月5日。当時アニメPVを見ながら、『勝利の女神:NIKKE』で待ち受ける物語や展開を想像した人も多いことでしょう。
アニメPVを今改めて見ると、答え合わせのように納得できるカットがいくつもあります。宇宙に浮かんでいる施設は、2周年のイベントでシンデレラが向かった軌道エレベーターの先にあったものかもしれません。病衣らしき服を着ている女の子は、生前のラピでしょうか。
■楽曲「Marian」に揺さぶられる来場者たち
「WE RISE」の演奏が終わると、ここで特別映像による幕間に入ります。コンサートのメインビジュアルにも登場しているアリアと、MCとして各所で引っ張りだこのアニスが、来場者への挨拶や音楽への想いを語ります。
オーケストラコンサートという場に緊張しているのか、一連の挨拶を済ませた後、噛まずに言えたことを安堵するアニス。対するアリアは、音楽と思い出は密接に繋がっていると語り、これから奏でられる楽曲の楽しみ方を彼女なりに教えてくれました。
アニスと共にちょっとした緊張感から解き放たれたり、アリアの助言で没入感を高める手がかりを得た来場者たちは、次の楽曲に意識を向けます。そんな人々に突然突き刺さったのが、セットリスト3曲目の「Marian」(https://www.youtube.com/watch?v=8aAoYeATq1w)でした。
この楽曲の象徴であるマリアンは、作中でプレイヤーが初めて出会ったニケ。おそらく、今も忘れられないプレイヤーがほとんどでしょう。
戦いが終わった後、渡された銃を握る指揮官。見守ることしかできないラピとアニス。そして、かすかに聞こえてくる「……ここです」の声。
一連のアニメーションがスクリーンに流れ、オーケストラによる演奏が加わると、音楽と映像が一体化し、あの時の感情を鮮明に引き出していきます。
これが、音楽と思い出の結びつきなのか……と実感していると、会場のそこかしこから押し殺した泣き声や静かに鼻をすする音が漏れ聞こえていきます。音楽だけでなく、感情も共有するのがコンサートなのだと、ここで改めて思い知らされました。
そして4曲目に奏でられたのは、モダニアの主題歌「GoodBye For Now」(https://www.youtube.com/watch?v=MiPVyTs7X8A)。マリアンとモダニアが横たわるシーンがスクリーンに投影されると、再び感情が大きく揺さぶられます。
ふたりは不可分な存在なので、その構図は現実的にはあり得ない、夢のような光景です。いつまでもこの夢を見ていたい……そんな気持ちが沸き立つばかりです。
■和やかなトークタイムを挟みつつ、夏イベントや新春を盛り上げた楽曲も
セットリストはまだ1/4を消化したに過ぎませんが、音楽による攻勢が序盤から容赦なく、ここで挟まったトークタイムで一息をつくことができました。
ここでは、開発ディレクターのユ・ヒョンソク氏と、サウンドディレクターのチュ・ジョンヒョン氏が、『勝利の女神:NIKKE』への想いや出来事などを語ります。
子供の頃からゲームを遊んでいたと明かすユ・ヒョンソク氏は、自分が関わったゲームのコンサートについて「夢のようだ」と話し、来場者と一緒に体験できたことを嬉しく思っていると述べました。
またチュ・ジョンヒョン氏は、レッドフードに関連する楽曲を作っている際、彼女がこの曲を聞いたらどんな感情になるのかと想像してしまい、泣きながらメロディーを作っていたとのこと。楽曲作りのちょっとした制作裏話も飛び出しました。
このトークタイムを引き継いだ5曲目は、2023年夏のストーリーイベント「SEA, YOU, AGAIN」の主題歌「SO PLAYFUL」(https://www.youtube.com/watch?v=s-7hvSSA0Ig)。先んじて行われたもうひとつの夏イベントではアニスの出番がほとんどなく、「SEA, YOU, AGAIN」で無事リベンジを果たしたのも、忘れられない思い出のひとつです。
夏らしく明るくポップな曲調の後は、終わってしまったかつての悲劇を振り返ったイベント「NEW YEAR, NEW SWORD」を彩った主題歌「Camellia」(https://www.youtube.com/watch?v=RgX8ucy1vEU)が、来場者の耳に染みわたります。
今では明るく飄々とふるまう紅蓮ですが、心底慕っていた姉との別離と対決は、今も彼女の心に深く残り続けていることでしょう。
■1周年の「RED ASH」を飾った名楽曲が会場を揺らす
続いて、「GODDESS SQUAD READY」(公開映像なし)に「Hold you tight」https://www.youtube.com/watch?v=NtoYJ-WUy7E)、「THE REDHOOD」(https://www.youtube.com/watch?v=GlVa6UIqZhs)といった楽曲が立て続けに放たれます。いずれも、1周年イベント「RED ASH」やレッドフードを思い起こさせるナンバーです。
「Hold you tight」の切ない旋律を聞いていると、「古いものほど、いいもんなんだ」という彼女の台詞が聞こえてくるかのよう。また、「RED ASH」の主題歌「THE RED HOOD」のパワフルさが、血潮を大いにかき立ててくれます。
「OVER ZONE」関連曲に区切りがつくと演奏はここで小休止を挟み、ニケたちの会話劇が再び始まりました。今回登場したのは、スノーホワイトとドロシー。そして場面は、なんと「OVER ZONE」の真っ只中でした。
■オケコンにも訪れた激重展開、これぞ『勝利の女神:NIKKE』
防衛の合間、時間に余裕があったのか、見張りを続けるスノーホワイトのもとにドロシーが差し入れを持ってきました。食には遠慮のないスノーホワイトは、差し入れとして差し出されたティラミスに手を伸ばします。
ただしティラミスといっても、厳しい戦いの中で材料が足りず、それに似せた風の食べ物とのこと。また、このティラミスは「ピナと一緒に作りました」とドロシーが告げました。
彼女の発言に、しかしスノーホワイトは沈黙をもって返します。「OVER ZONE」経験済みのプレイヤーなら予想済みかと思いますが、スノーホワイトの反応から察するに、おそらくピナが既に亡くなっている時間軸のようです。
それでもスノーホワイトは、ティラミスに手を伸ばして食べ尽くします。「美味しい、どんどん食べたくなる」と率直な食の感想を述べつつ、ピナについては一切触れません。
そのかわりに、「RED ASH」から「OVER ZONE」の合間に思考転換を起こしていたスノーホワイトは、その作用で「以前の記憶は朧気で思い出せない」と切り出しました。ドロシーが、思い出す方法を探しますかと訊ねると、「探さなくていい」と返答し、その理由も付け加えます。
過去の記憶が自分を苦しめるから忘れたのだろう、とこぼすスノーホワイト。そして、「前に進むには、諦めないといけないものがある」「捨てられるものは捨てろ」とドロシーに告げました。それは、未だにピナがいるように振る舞うドロシーへの、彼女なりの思いやりだったのかもしれません。
この時、ドロシーが覚醒します。ここまでのやりとりは、夢による回想だった模様です。スノーホワイトの言葉を思い出したドロシーは、しかし「残念ながら私は、捨てられませんでした」と独白し、会話劇が終わりを告げます。
ドロシーが過去から抜け出せていないのは、作中でも直接および間接的に語られていますが、まさか今回のコンサートで深掘りするとは思わず、予期していなかったサプライズプレゼントとなりました。願わくば、彼女に救いがあらんことを。
■ドロシーに想いを馳せてしまう1.5周年の楽曲群
痛切な感情が過ぎるドロシーの一幕が終わった後は、10曲目の「OVER ZONE」(https://www.youtube.com/watch?v=97oYM8qbnfs)を皮切りに、ドロシーの心を砕いた物語に関わる楽曲が立て続けに演奏されました。
豪奢で壮大な「GODDESS OF VICTORY」(https://www.youtube.com/watch?v=hK_6T-LzdbE)は、人類の希望として戦い続けたゴッデス部隊に相応しい1曲です。広いコンサートの隅々まで高らかと奏でられると、彼女たちに勝利をと願う気持ちに駆られます。
一転して穏やかな曲調の「The Pilgrim(acoustic)」(https://www.youtube.com/watch?v=SAxdK8Gx-XI)は、過ぎ去った時間、取り戻せない過去などが想起され、ここでも心を揺さぶられてしまいました。
そして、ハーフアニバーサリーの主題歌「SATELLITES」(https://www.youtube.com/watch?v=jySGqRIUy_c)で、一連の流れを美しく締めくくります。防衛戦で悲劇と失望の渦が襲いかかったものの、彼女たちはラプチャーとの戦いを諦めません。人類に裏切られてもなお、ゴッデス部隊は最後まで人類の希望と呼ぶに相応しい存在でした。
■コンサートを締めくくる王のお出ましに、誰もが頭を垂れる
感情を揺さぶる演奏は時間の流れすら忘却させるのか、気が付けばフィナーレが目前へと迫りました。
誰もが忘れられないマリアンに、レッドフードが駆け抜けた「RED ASH」、そしてドロシーとゴッデス部隊の顛末を描いた「OVER ZON」など、いずれも聴き応えたっぷりでしたが、最後の3曲も印象深いセレクトです。
まずは、1.5周年を彩るイベントと同名の「LAST KINGDOM」(https://www.youtube.com/watch?v=wpgP3oibWto)は、クラウンたちが守り続ける王の城に相応しい豪華絢爛な楽曲。演奏による生の音が合わさることで、質量すら感じられるほどの音響を体感させてくれます。
続いては、2023年の冬に訪れたストーリーイベントのBGM「In Neverland」(https://www.youtube.com/watch?v=9cauElNwwRM)が、近づくコンサートの終わりを明るく盛り上げていきます。ルドミラやミカたちと一緒に過ごした温泉地のひとときも改めて蘇り、ルミに想いを馳せた来場者も少なくなかったことでしょう。
そして大トリを飾ったのは、再び1.5周年の楽曲「The Clarion Call」(https://www.youtube.com/watch?v=n7J4ozpYO1k)です。こちらの曲はフルバージョンが公開中ですが、クラウンと強敵インディビリアの戦いに決着がついた圧巻の特別映像(https://www.youtube.com/watch?v=dbCSXgmebAo)も併せてチョイスさせていただきます。
コンサートに足を運んだ人は当日の興奮を思い出しながら、そして残念ながら行けなかった方はプレイ当時の記憶を振り返りつつ、締めくくりに相応しい「The Clarion Call」をお聴きください。そして、王のお出ましに頭を垂れましょう。
『勝利の女神:NIKKE』初のオーケストラコンサート「MELODIES OF VICTORY」は、来場者の満足度も高い、圧巻の祭典となりました。
当日の興奮や鮮やかなオーケストラサウンドの再現は叶いませんが、当日のセットリストと公開楽曲の組み合わせで、当日の流れや盛り上がりの一端なりとも感じていただければ幸いです。
『勝利の女神:NIKKE』は楽曲も素晴らしいものが多いため、興味が沸いた人は配信中の楽曲などもチェックし、さらに没入してお楽しみください。
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