つみたてNISA。低コスト投資信託の選定と、長期運用のメリットとは/LEADERS online
INSIGHT NOW! / 2018年6月5日 14時0分
LEADERS online / 南青山リーダーズ株式会社
最長20年、最大800万円まで非課税
つみたてNISAは、2018年1月に金融庁主導でスタートした新制度。日本に住む20歳以上であれば基本的に誰でも※、証券会社や銀行など金融機関を通じて始めることができます。
大きな特長は、投資信託で得た分配金と譲渡益(値上がり後の売却益)が、最長20年間課税されない点にあります。通常は利益に対して20.315%の税金が差し引かれる(たとえば10万円の利益が出た場合、2万315円は税金として差し引かれる)ため、この非課税制度は投資家にかなり配慮されています。
また、つみたてNISAの場合、年間の非課税投資枠は40万円。現在20年間の存続が決まっているので、2037年まで最大800万円までを非課税で投資できることになります(年間上限額の未使用分は翌年以降に繰り越せません)。これは大きなメリットですね。
さらにもう一つの大きな特長は、いずれも長期の積立・分散投資にふさわしいと国が選定した商品のみが販売されている点です。
具体的には公募株式投信の場合、ノーロード(販売手数料ゼロ)、信託報酬は一定水準以下、信託契約期間が無期限、あるいは20年以上であること、分配頻度が毎月でないことなどの要件がすべて満たされることが条件になっています。4月23日時点の対象商品は、公募株式投信145本(インデックス投信129本、アクティブ投信16本)、ETF3本。国内外のインデックス型が多く扱われており、たとえば日経平均株価の2〜3倍の値動きをするような、レバレッジ型のハイリスクハイリターン商品はあらかじめ除外されています。
※NISAにて買い付けを行った場合、その年につみたてNISAを利用することはできません
信託報酬は低コスト競争が激化
インデックス投信とアクティブ投信について補足すると……、
インデックス投信とは「日経平均株価」「TOPIX」や「NYダウ」などの株式指標(インデックス)と同じような値動きをするよう設計された投資信託のこと。
こうした株式指標はニュースやネットですぐ確認できるため、投資初心者にも値動きが分かりやすく、信託報酬(運用コスト)も割安です。さらにここ数年は低コスト競争が激化しており、つみたてNISAにおいても金融庁が決めた信託報酬の水準を下回る投資信託が並んでいます。
信託報酬とは投資信託を保有している間、ずっと支払い続ける費用なので、とくに長期運用の場合、信託報酬が割安であることは資産を守るためにも必要なポイントです。また、最近のインデックス投信の特長は、日本やアメリカ、先進国のみならず新興国も投資対象にした商品もそろっており、バラエティに富んでいるため選択肢が広がっている点でしょう。
それに対してアクティブ投信は、日経平均株価などの指標より高いリターンを目指すことを目的に、運用のプロが銘柄を選定してつくる投資信託のこと。運用のプロであるファンドマネージャの腕次第という側面があるため、相対的に運用コストである信託報酬も高く、ハイリターンが期待される分、当然リスクも高くなります。つみたてNISAで選ばれるアクティブ投信は「例外的に継続して、投資家に支持・選択され、規模が着実に拡大しているもの」のみ対象と定義され、本数は16本に限定されています。
長期運用で複利効果を狙う
金融庁がつみたてNISAでめざすのは、「少額からの長期」「積立」「分散投資」による資産形成です。
前述したように長期運用においては、信託報酬などのコストが成績に大きな影響をもたらすことを加味する必要があります。また、投資信託には分配型と再投資型がありますが、毎月分配型は却下されていることからも、複利効果を狙った長期運用による資産形成が期待されていることがわかります。ここで言う複利効果とは、毎年の運用益が元本にプラス(再投資)され、さらに運用されることで利益が増大する効果のこと。一般的に長期運用するほど複利効果は期待できるとされており、この効果を狙うなら迷わず再投資型を選ぶべきです。
ちなみに、年間上限額を使い切ると想定した場合、1カ月約3.33万円ずつ積み立てることになります。積立方法には、毎営業日や週1回、月1回、年2回ボーナス時など、その頻度については選択することができますが、金融機関によって異なるので注意が必要です。申し込む際にはこの点もチェックしましょう。
── つみたてNISAが金融庁主導であるとはいえ、市場の動きによって収益は左右されるものであり、元本保証や利益保証があるわけではありません。そのリスクは十分に考えなければなりませんが、投資対象と投資時期を分散しながら、最長20年かけてゆっくり資産を形成していくことで、価格変動リスクを抑える効果は期待できます。投資のダイナミズムを味わうよりも資産形成を第一に考える……といった一般ユーザーの目線に立った制度と言えるのではないでしょうか。
≪記事作成ライター:ナカムラミユキ≫
石川県金沢市在住。広告制作会社にて、新聞広告を手がける。映画、舞台からメーカー、金融まで幅広い記事広告を担当。著名人インタビューや住宅関連、街歩きコラム、生活情報まで興味の赴くまま執筆しています。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【新NISA】どんな商品に投資できる?国の制度だからこその「メリット」とは
Finasee / 2024年11月22日 18時0分
-
“ファンづくり”が奏功し、インデックス投信の“王者”となった「eMAXIS Slim」が描く次の戦略は…
Finasee / 2024年11月18日 11時0分
-
ママ友の間で「新NISA」でどれだけ月に投資しているか話題に! みんな「限度額」までやっているのでマネしていますが「一番賢い方法」なのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月13日 6時0分
-
投資額の半値で損切りするハメに…痛手負った72歳現役FPが教える「素人が絶対手を出してはいけない金融商品」
プレジデントオンライン / 2024年10月31日 8時15分
-
NISA×積立投資:成功する人、失敗する人の違い
トウシル / 2024年10月28日 7時30分
ランキング
-
1「バナナカレー」だと…? LCCピーチ、5年ぶりに「温かい機内食」提供…メニューは? 「ピーチ機内食の代名詞」も復活
乗りものニュース / 2024年11月24日 12時32分
-
2冬の味覚ハタハタ、海水温上昇で今季の漁獲量は過去最低か…産卵場所に卵ほとんど見つからず
読売新聞 / 2024年11月24日 11時52分
-
3異例の「ケーブル盗難でリフト運休」 スキーシーズン前に 捜査は継続中
乗りものニュース / 2024年11月24日 14時12分
-
4年収壁見直し、企業の9割賛成 撤廃や社保改革要請も
共同通信 / 2024年11月24日 16時22分
-
5「中間管理職を減らしたい」企業の盲点 リストラで起こる、3つのリスクに備えよ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月24日 8時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください