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CSRとCSV/野町 直弘

INSIGHT NOW! / 2018年8月22日 10時0分

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野町 直弘 / 株式会社クニエ

先日ある購買関連のITツール提供企業が主催するセミナーに参加しました。このツールは基本的には間接材を対象としたITシステムです。

間接材と直接材では業務のやり方や重視すべき事項がやはりちょっとずつ異なります。例えばサプライヤマネジメントは間接材では殆どやっていません。供給リスクマネジメントやコストテーブルの活用などもやらないでしょう。一方で直接材ではあまりやらなくて間接材ではやることとしては、購買量のコントロールやソーシング(直接材もソーシングはやりますが、特命も多くソーシング機会はそれほど多くはありません)などで、このように違いはあります。

こういう違いがあるということを意識した上で、今回のセミナーのテーマはまさにCSRとCSVでした。これからの調達購買は従来のコスト削減、購買統制、業務効率化という3大目的以外にも担わなければならない主要な役割としてCSR、CSVが上げられる、ということをかなり訴求していました。

CSRとCSVですが、CSRはもう説明する必要もないでしょう。
コーポレートソーシャルレスポンシビリティの略であり、「企業の社会的な責任」と訳されます。CSRは既に直接材購買では「当たり前」の責務となっていますが、それを間接材まで広げて捉える必要性をかなり強く謳っていました。
一方でCSVは説明が必要かも知れません。CSVはクリエイティング・シェアード・バリューの略であり、著名な経営学者のマイケル・E・ポーター教授が提唱している概念です。CSVは「共有価値の創造」、「共通価値の創造」等と訳されているようです。

CSVは、企業の事業を通じて社会的な課題を解決することから生まれる「社会価値」と「企業価値」を両立させようとする経営フレームワークです。つまりCSVは「社会のニーズや問題に取り組むことで社会的価値を創造し、その結果、経済的価値が創造される」という概念です。

平たく言うとCSRは「社会的責任を負うことがメインでありCSVは社会的責任を負うことで企業価値(収益他)と両立をはかることと言う違いがあるということになります。

何れにしてもこれらの「社会性」を考慮した事業活動の一部として調達活動についても「社会性」が求められていることはもう当たり前になってきています。他に出てきたキーワードもそのような要素が強いものがあります。

例えば、SDGs(Susutainable Developing Goals)の略ですね。
SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。SDGsには17の大きな目標があります。目標には人権や教育、持続可能性や環境、公平性など幅広い視点からの目標が掲げられており、よりサステナブルな社会を目指していこうということを目的とした目標です。

それからESG。
ESGは「Environmental(環境)」、「Social(社会)」、「Governance(企業統治)」の3つの頭文字をとったものです。
ESGは企業が持続的成長を目指す上で重視すべき3つの側面、環境(E)、社会(S)、企業統治(G)を明確にしており、企業の取組みをESGの視点から評価し優れた企業に対して長期的
な投資を行うというESG投資という活動が注目を集めています。
やはり、その背景には地球規模の環境・社会問題等の社会課題の顕在化の問題があります。

いずれにしても日本人は苦手な3文字の「アブリビエーション」ですが、持続可能な社会、環境作りのための様々なキーワードが出てきていることは注目すべきでしょう。正直東京五輪の調達コードのように「ここまで必要なのか」と考える方も多いでしょう。しかし確実にこういう方向に向かっていることは確かです。何故やらなければならないのか、という質問は意味がありません。

もう既にそういう時代だからです。

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