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連休明けもう出社したくなくなっちゃった時/増沢 隆太

INSIGHT NOW! / 2019年5月7日 7時1分


        連休明けもう出社したくなくなっちゃった時/増沢 隆太

増沢 隆太 / 株式会社RMロンドンパートナーズ

・こんなはずじゃ・・・
5月と言えば五月病。研修やら顧客回りやら、なれない環境に疲れ果てたところで来たこの10連休。よくよく顧みれば「こんなはずじゃなかった」との想定と現実のギャップ。厳しい研修やハードな現場勤務がぐいぐい迫ってくるプレッシャー。この時期は単に「いやだな」レベルではなく、「こんなはずじゃなかった」感から、さらには「もう辞めたい」まで、不安と不満と後悔など、ネガティブ感情が育ちやすい時期でもあります。

4/1には入社式の模様はテレビニュースなどでも流され、皆、厳しい就活を勝ち抜いて新たな生活を始めた希望や、ポジティブな緊張感のにじみ出るものでした。内定をもらった時の喜びややる気に満ちあふれていたあの時。今や遠い昔のように感じるかも知れません。

さらにこの10連休は新天皇御即位もあり、人生や家庭などを考える機会が普通以上に増えたかも知れません。クリスマスや年末年始の主役が家庭なのと同じようなプレッシャーによって、このままで「ちゃんとした人」や「ちゃんとした人生」など考えてしまうこともあります。

・このイキオイで辞めるとどうなるか
ブルーなのは新入社員だけではありません。人手不足の日本。厚生労働省によれば2018年度平均の有効求人倍率は、1.62倍と9年連続上昇となり、過去2番目の高さだそうです。人手不足であれば、辞めたって次はいろいろありそうです。

「アベノミクスで景気回復」という宣伝に疑問が持たれているのは、その証拠だった経済指標がインチキだっただけでなく、実態からしても庶民にはさっぱりその恩恵がトリクルしてこないからです。もはや「トリクルダウン」なんて誰一人言わなくなっちゃったのが証拠では?

求人状況を20年近く見続けていますが、現実をいえば、「欲しい人」は誰でも良いのではなく、限られた人です。

特に人手不足なのは製造業や建設業、小売り・サービス・接客販売、飲食、介護福祉といった現場仕事が圧倒的に多く見られます。この点で見れば、「仕事はいくらでもある」のは間違いありません。

でも
今の勤め先が嫌になっちゃったんですよね?新たな職場、それも現場仕事って、場合によってはもっと厳しくないですか?まして年齢の行った方の場合、私のような50代にもなれば、もう現場で通用するのかはなはだ自信がありません。

・みんな大好き!事務職
女子学生からは、未だに一般職OLを希望する就職希望がとても多く寄せられます。バリバリ長時間働いて、転勤もいとわず会社に忠誠を尽くすより、のんびりプライベートを充実させて実家から通いたいという本音でしょう。

希望ですから何を望んでも個人の自由ですが、そもそも一般職OLって存在自体が今や終わりつつあります。中高年社員を追い出したいのと全く同じ理由で、ルーチンでできる作業なら契約終了時期を自由に設定できる派遣で十分。クラウドサービスや接客ロボットでもこなせる作業もたくさん出てきました。

ある外食チェーンでは、スタッフではなく接客ロボットに予約番号を打ち込んで予約対応させるなど、完全に実用化が進んでいます。今さら人を雇わずに済む仕事に求人はありません。まして男性で事務職となれば、管理系専門職以外、民間ではきわめて限られたものとなります。

高度な専門性を持つ人材は景気や求人動向とは関係なくニーズがあるのは過去ずっと変わりありません。つまり求人動向のような「一般論」は全く判断材料にならないのです。イキオイで後先考えずに退職するのは、当然昔も今もリスクがあります。辞めるなら「ご利用は計画的に」という自己責任は絶対必要です。

・具体的連休明けの過ごし方対策
ブルーな気持ちで連休明けを迎えつつも、とにも角にも何とか出社したあなた。

大丈夫。
少なくとも即退職せず出社したことは非常に意味があります。認知行動療法的な視点で、「まず動く」というのはバカにならない効果があるのです。久々の満員電車で通勤するのも、会社PCでメールチェックするのも、あなたの体に一定のリズムがしみ込んでいるはず。

昼休みの食事も、仕事中近所のコンビニや給湯室でコーヒーを飲むのも、やればやるだけ体が勝手に元の生活に順応してくれます。

「とりあえず起きてみる」
「とりあえず出社する」
ことは、気持ちがダウン気味の時には即効性のある回復方法なのです。

そもそもベッドから起き上がれないレベルとなれば病状が深刻になっています。通院すべき状況の可能性がありますので、この場合はしっかり心療内科等受診を勧めます。

・転職して再スタートを切りたいあなた。
そんな時はまず転職サイトで検索です。ご自分の年齢・学歴や職歴、専門性や希望年収など入力することで求人情報検索ができます。これでがっさり仕事があるのであれば、即辞めてもあまり困らないかも知れません。

ただ、本当に仕事があるのか、あったとしてもそれがあなたを求めてのものなのかは、具体的にエントリーや紹介エージェントと面談しないとわかりません。

求人があれば誰でも雇われる訳ではありません。まずはエージェントの面談して本当に市場価値があるかを検分することが先決です。

そうした上で実際の案件紹介が複数出てくるようであれば、この先辞めても見通しは立ちます。しかし「今すぐは案件が見当たらない」状況だったとすれば、それは暗闇に飛び込むだけのただの無謀な退職となります。

さらにいえば、特に年齢が高くなれば、即辞めリスクは飛躍的に高まりますので、まずは在職しながらエージェント登録するなど、一般論ではなく、あなたへの具体的求人を確認するところから始めてはどうでしょう。

ネットの武勇伝に踊らされ、後先関係ない短気な行動は一生履歴に残ります。

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