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新型コロナの不思議/野町 直弘

INSIGHT NOW! / 2020年4月8日 10時0分

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野町 直弘 / 調達購買コンサルタント

日本でも感染が広がる新型コロナウイルスですが、とうとう緊急事態宣言が出されました。そのため、今回は調達・購買を離れたテーマですが、新型コロナについて私が考えることを書きます。

感染拡大を防ぐにはどうしたらよいのか。極論、2週間全く誰もが誰にも接触しなければ感染は止まるだろう、というのが緊急事態宣言の理屈です。しかし、実質これを徹底することは難しく、特に日本の法規制では完全に人の接触を防ぐことはできないのが実態です。

ウイルスは自身で増殖することはできません。人などの生物を介して増殖し、生物を介して感染しながら、生きながらえていくものです。つまり「外出の禁止」ではなく、ウイルスの感染、増殖を防ぐために、生物(人)の接触を防ぐこと、と定義した方が、より説得性が増すでしょう。

新型コロナに関しては公的には専門家会議が多くの情報を元に分析を行い、様々な答申を出しています。しかし、現状不思議なことがいくつもあるのです。実は、この不思議を紐解いていくことが、今後の効果的な解決策につながるのではないか、と私は考えています。

(新型コロナの不思議)
1.日本は米国やイタリア、スペインなどの他諸国に比較して、感染者も死亡者もかなり少ないが何故?

2.感染経路として、すぐに頭に浮かぶのは通勤電車ラッシュだが、現時点でも通勤電車で感染した、という話がでていないのは何故?

3.感染経路としてキャバクラやクラブ、バーや酒場(午前零時以降営業店)という専門家会議の指摘があるが、キャバクラはダメなのに、外食が指摘されていないのは何故?(近くで話したり食事するのは同じなのに)

4.2月に発表された専門家会議の答申によると感染させている人は被感染者の2割であり、残りの8割は感染させていない。2割の被感染者が感染者(スプレッダー)となり大勢に感染させている、ということだが、それは何故?

5.上記であればもっと感染者(感染させた人)の情報があってしかるべきと思うが、被感染者(感染した人)の情報だけが溢れているのは何故?

6.基本飛沫感染と接触感染と言われているが、そうするとここまでの爆発的感染や院内感染はないと思われるが、ここまで爆発的な感染拡大や院内感染は何故?

これらの不思議です。

しかしここで思考停止するのではなく、これらの不思議から様々な類推が可能です。

私は「何らかの条件」が揃った時に飛沫感染と接触感染以外の空気感染?の可能性があるのではないか、と推察しています。

そうでないと一気にこれだけのスピードで感染拡大や、厳格に管理されている病院内での感染の理由が説明できないからです。重要なのは「何らかの条件」ですが、これは二つの要素に分けられます。

一つは、感染させる人(感染者)の特性です。つまり2割の感染させる人がどういう人なのか。そしてもう一つは感染者が被感染者に感染させたタッチポイントの環境。つまり、どういう人が感染者(スプレッダー)になりやすいのか、また、スプレッダーが、どういう環境で感染させやすいのか、この2つを徹底的に分析し、この2つのアンド要件を避けることが効果的なのです。

3/9日の専門家会議の答申で「3密を避ける」こと、というのは先の「何らかの条件」の2つ目であるタッチポイントの環境についての答申と言えます。

しかし、私は現状の感染ルートをより徹底的に分析、検証することで、特に感染が拡大したケースにこの2つの「何らかの条件」の共通点がないかを明らかにしていくことで3密以外の条件を見つけられるのではないか、と考えます。

特に被感染者やクラスターを調べるだけでなく、感染させた人と感染させた環境を調べ共通点を解明し、その2つを防ぐことで爆発的な感染拡大が防げるのです。

おそらくこんなことはクラスター対策班の方とかは百も承知で、日々多くの情報やエビデンスを元に分析、検証していることでしょう。しかし、現状でてくる情報は、こういうケースで被感染者が多い、ということだけです。

被感染者が多い少なくだけでなく、「こういう人とこういう環境で接触しているケースで、被感染者が多く発生しているから、こう対策してください」というような論拠を示してくださることを期待しています。

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