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​小山田圭吾氏と小林賢太郎氏の違いは「イジメ」という犯罪の有無/増沢 隆太

INSIGHT NOW! / 2021年7月26日 11時2分

​小山田圭吾氏と小林賢太郎氏の違いは「イジメ」という犯罪の有無/増沢 隆太

増沢 隆太 / 株式会社RMロンドンパートナーズ

・小山田氏を批判した私が小林氏を批判しない理由
小山田氏の謝罪についてのコメントやその後の扱いについて取材を受けた私ですが、行為が悪質すぎて全く言い逃れできない点。犯罪を犯したことを自慢するという言語道断な言動とそれを出版物に残してしまっている点などで、「辞任しか無い」と言い切りました。

結果、その通り辞任されたのですが、続いてユダヤ人ホロコーストを過去のコントの中で扱ったかどで、元芸人の小林賢太郎氏は現役防衛副大臣のご注進による国際的大騒動から突如「解任」が発表されました。私は小林氏については一切コメントしていません。私個人として、芸術へのあらゆる介入に反対だからです。

小山田氏と小林氏、いずれも過去の不謹慎な行動への批判から、オリンピック開幕式の役職を降りることになったという点で同じですが、中身は全く別ものと考えます。

・イジメという犯罪
小山田氏の行為は「若かりし頃のイジメ」についての批判ですが、最悪なのは、その行為をさらに雑誌インタビューで武勇伝として自慢していた行為です。何よりイジメという単語でごまかされてしまう学校犯罪ですが、これは犯罪です。

なぜか日本では学校、特に小中高において、生徒が犯した犯罪については治外法権のように「イジメ」という単語を用いてほとんどが無罪となるようです。小山田氏が障害を持つ同級生に暴行を加えたことは、ご本人がインタビューで自慢している通り、精神的・肉体的暴力行為であり、いずれも犯罪です。

犯罪がたまたま学校で起こったゆえに野放しになっていたこと。しかし有名人となった後、インタビューでイジメ行為を武勇伝として自慢していた点。どれも「若かったから」「昔だから」で済むようなことではないのです。爆笑問題・太田さんが、昔はそういう時代だったと擁護するような発言をしましたが、悪どいことをわざと笑いで取り上げる行為と、実際に犯罪を犯すことは全く別物であり、「時代」は関係ありません。

なぜ学校で起こった生徒による犯罪行為が無罪なのか昔から謎ですが、イジメは犯罪です。本来ただちに警察による捜査・逮捕など行われるべきものと考えます。

・コントの禁止用語と麻生副総理発言
小林氏がかつて芸人だった時、演じたコントにおいてホロコーストについて触れたセリフがあったとのことです。その部分を読む限り、ホロコーストそのものを嘲笑した訳ではないことは明白です。しかし現役防衛副大臣の中山氏がユダヤ人ホロコースト問題機関に直接告げ口をした結果、国際問題となり小林氏解任が一気に進んだとのことです。

ホロコーストやナチ肯定が論外なことはいうまでもありません。ただしコントや演劇など芸術においてはタブーは無くすべきと考えます。これにはいろいろなご意見があるでしょうが、不謹慎という価値判断で芸術を規制することはすべきでないと考えるからです。

一方、現役副総理・財務大臣の麻生氏は、かつて「(ナチスが政権を取った)手口を学んだらどうか」と発言しました。(平成二十五年八月五日提出 質問第六号 麻生副首相のいわゆる「ナチス発言」「一部撤回発言」に関する質問主意書)

どうみてもナチの行為を肯定的に、日本でも取り入れるべきとの趣旨としか取れません。その後本人がナチ肯定ではないと否定はされましたが、問題とするなら圧倒的にこちらが先ではないでしょうか。

「呪いの五輪」メダルラッシュがこの先悪印象を一掃してくれるのでしょうか。

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