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10/1を迎えて 内定辞退したい学生と阻止したい人事の攻防/増沢 隆太

INSIGHT NOW! / 2021年10月2日 11時37分

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増沢 隆太 / 株式会社RMロンドンパートナーズ

内々定は早ければ年明け早々に出た人もいますが、「内定」は10/1が普通です。
「どっちだって同じだろ?」
と思うでしょうし、実効性からみればほぼ同じというのは間違いではありません。
では何が違うのでしょう。

拘束力が違います。いや、内々定だって、断る時すごい怒られた、文句やイヤミ言われたという人もいるでしょう。「怒る」がどんな行為かにもよりますが、暴力は論外で刑法犯罪。暴言や中傷もハラスメントになります。ただ声のトーンが恐かった、くらいだと犯罪証明は無理です。イヤミ程度ではやはり犯罪としての立証はできないでしょう。

一方企業側は、内々定や内定受諾したにも関わらず、それを一方的に誓約書提出後に反故にされたらたまりません。一方的な契約破棄など許される訳もなく、ふざけるな!という怒りが沸くのも当然です。

その結果、中には「今から辞退なんて許せない。損害賠償請求で訴えてやる!」という企業も出てきます。(15年間毎年、この手の話を学生から聞きます)

ちなみに私は人事コンサルタントの業務として20年近く「人事相談」を行っています。学生ではなく、企業の人事の方からの相談に専門家としてお答えするもので、登録会員企業以外の一般の人は内容を見ることができません。

企業側からも、毎年「勝手に内定辞退された。どうすべきか。」「どう報復できるか/損害賠償請求は?」などの相談が寄せられます。単に法律の条文と照らし合わせるだけで済むならコンサルタントなど要りません。個別にさまざまな事情や背景があり、それらを一つ一つ検証しつつ考えなければならないので、一発で「これ!」という答はないというのが実態です。

学生からの相談においても、企業からの相談においても、一般論をバサーッっと一刀両断に回答するのではなく、そもそもどんな経緯なのか、どのようなやり取りがあったのか、内定受諾とはどんな文面なのか、いつなのか・・・・など、具体的に事実を一つ一つ検証して行かなければなりません。

具体的な対応は一般論ではなく、個別でなければ判断はできないものといえます。

なので企業の方には人事相談を、学生には個人相談をおすすめするのですが、そうやって商売に結びつけやがってと怒られることもあるのですが、これは商売だけが理由ではないのです。←商売は否定していない

個別事情抜きの「内定辞退出来ますか、出来ませんか?」と聞かれても、答えようがないのです。「内定辞退を今ごろ言ってきた学生を懲らしめられませんか」と聞かれるのも同じです。

学生には「私は謝罪のプロ」と呼ばれる、日本で一番の謝罪の専門家としてテレビに出てる男だから、ちゃんと対応すれば大丈夫では、と励まします。実際に相談をしてくれた学生で、結局辞退が認められなかったという例は当然ですがゼロ。すごいモメた、メチャクチャ怒られたという報告も、15年間一度もありません。

絶対怒られない方法を指南するわけではありませんが、「単に誠意を持って謝る」のではなく、個別の事情を酌んでていねいにお詫びするのが本道であることは間違いありません。

どうやってていねいにお詫びするかが、謝罪のカギです。企業側の対応も力ずくで阻止するなんて、今の日本では不可能な訳で、どう着地させるかという納得感だと思っています。

進め方、対処次第で深刻なコーポレートブランド毀損や今後の新卒採用に影響が出る恐れもあります。ぜひしっかり方針をもって判断、対処して下さい。


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