なぜアンジャッシュ渡部、ゆきぽよが戻れないのか 芸能位置エネルギーの下げ方/増沢 隆太
INSIGHT NOW! / 2022年2月21日 16時6分
増沢 隆太 / 株式会社RMロンドンパートナーズ
・二人の共通点、美男美女と「無罪」
イケメン芸人からグルメ王など文化人路線へ向かっていた渡部さんは、不適切な行動と不倫という過ちを犯したものの、有罪判決が確定した犯罪者でではありません。モデル出身の美女・ゆきぽよさんについても同様に、友人が逮捕されたのであって、警察の取り調べを受けたものの本人に違法な行為はなかったとされています。奇しくも二人とも美男美女という共通点もあります。
「世間を騒がせた」と言いますが、世間が勝手に騒いだだけであり、犯罪者でもない自分がなぜ突如として仕事と栄光を奪われ、犯罪者の如く批判され続けるのか、恐らく納得は行っていないのではないかと思います。なので、お二人とも芸能会、テレビ地上波復帰への希望を発しています。
しかし「世間」と称する圧力が復帰を認めない限り、恐らく地上波テレビへの復帰は無理で、それをなんとか取り戻したいとお二人ともさまざまな方法を模索しているのでしょう。そしてその道を阻んでいる反感とは「芸能位置エネルギー」だと思います。
・芸能位置エネルギー
お笑い芸人出身の渡部さんは元より、バラエティタレントとして一般的に認知されるゆきぽよさんも、芸能界の足場はバラエティ番組です。バラエティということは芸能人が出てきてくだらないことをやったり、ばかばかしいゲームなど、遊んでいる光景が番組として放映されます。
有名アイドル・女優を妻に迎え、イケメン芸人からグルメ王など文化人路線に向かう渡部さんには、遊んで金儲けができて、美人にモテるという羨望の目が向けられていました。この「遊んで(楽して)お金も女性も得られるという身分」が売れっ子芸能人としての位置エネルギーだと思います。
ゆきぽよさんも同じく、美人で男性にモテモテ、テレビでバカな発言をすれば周囲がチヤホヤしてくれて結果、お金も儲かるという身分です。いわゆる売れっ子タレントであれば、誰もがこうした芸能人としての高い位置エネルギーを持つことになります。
しかしこの位置エネルギーの高さは、転げ落ちた時の衝撃の大きさとも比例します。かねてから愛人の存在をネタまじりで長年公言していたビートたけしさんは、不倫で叩かれることはありませんでしたが、芸能界随一の清純派、明るく元気を売り物にしていたベッキーさんは、1回の不倫報道で芸能界から消え、いまだにかつての位置に戻ることはできていません。
たけしさんは芸能・お笑いのトップに君臨していても、自らの「位置」を明確に理解しているのだと思います。たけし軍団やダチョウ倶楽部を熱湯風呂に入らせてあざ笑っているのではなく、時には「芸を見せてやる」といって、自ら熱湯風呂にもクレーン焼き肉(クレーンで釣られて巨大鉄板上で焼き肉をする)といった体を張った出番を務めたり、羨望や反発を巧みにアースで逃がすことも忘れていませんでした。
明石家さんまさんはかつて、イケメンすぎてデビュー時に男性から嫌われるため、音痴を売り物にしたと言っていますが、正にこれが位置エネルギー降下です。
・「楽な道」への反発
結局、芸能人としての仕事ゆえに「調子に乗っている」と勝手なイメージで反発を感じる人たちは必ずいます。それでも人気があって番組露出も多い状態であれば、こうした負のエネルギーは抑えられています。しかしスキャンダルで通常のバランスが崩れたとたんに、反発は一気に爆発的な噴出となります。こうなった状態が「炎上」であり、もはやどうやってもこの負の奔流は止めることができません。
反省と謝罪を述べ続けている渡部さんとゆきぽよさんですが、一方で「テレビに復帰したい」意欲を出し続けています。これが復帰を阻んでいると気付くべきでしょう。謝罪も会見も行っているのに、全くそれが響かないのは、「地上波テレビの『元の場所』に戻りたい」と言っているからです。
「ヘラヘラ遊びながら、楽してお金儲けしてモテモテ」な場所に戻りたいというメッセージに転換されてしまうのです。
「テレビに戻りたい」は本音だと思いますが、復帰するにはそこに至る道筋の戦略が要るはず。それもなくただ戻りたい、反省しているといくら発したところで、反発を感じる層はずっとくすぶり続けるでしょう。
「芸人なんだからコントライブから出直す」ことを当初から芸人仲間などは言っていました。今さらギャラも出ないような地下ライブに出ることは、「つけあがっていた文化人芸人」という超高層位置エネルギーを下げるため、必要なステップなのではないかと思います。
今だくすぶり続けるスキャンダル芸能人の方々に一番欠けている視点は「位置エネルギーを下げる」ことだと思います。それはただの謝罪ではありません。現状を十分理解した上で練り上げた復帰戦略です。
もしかすれば決して自分は思い上がって等いない、調子になど乗っていなかったという思いがあるのかも知れません。しかし真実がなんであれ、評価は自らがするのではなく、顧客であり一般視聴者が勝手に下すのです。
「元の場所」は「楽な場所」という意味にしか取られないことを踏まえ、元の場所ではなく、もっと「低い場所」を進むことで、もしかすれば道が開ける可能性はあると考えます。その低い道を歩む姿勢を見せること、魚市場のアルバイトでも地下ライブで無名若手に混ざってコントをやること、どの道収入の糧が断たれているのであれば、しっかりと負のイメージを振り切ることが禊ぎであって、反省と元の場所への切望をいくら訴えたところで、恐らく適うことはないだろうと思います。
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