ポストコロナへのサービス進化4つの方向/松井 拓己
INSIGHT NOW! / 2022年10月17日 3時0分
松井 拓己 / 松井サービスコンサルティング
進化のポイントを2つの観点で整理します。1つ目は、価値共創は顧客との直接接点が中心か、非接触が中心か。2つ目は、サービス進化のアプローチがサービスモデルの強化なのか、サービスモデル自体の革新にまで及ぶのか。これによりサービス進化は4つの方向性に分かれます。
A:事前期待の的を進化させる(直接接点×強化)
3密を回避する工夫をしつつ、従来の直接的な顧客接点におけるサービス提供を重視したサービスの進化です。ポストコロナを見据えてサービスの価値やターゲット顧客を再定義し、サービスモデルを強化します。たとえば、インバウンド需要の激減を受けて、海外や他県の新規顧客に向けたサービスから、国内や近場からのリピーターを生むサービスに設計を変革する。オンラインサービスに負けないように、店舗という“場”の価値や意義を一段と高めるサービス設計に進化する。といった具合です。
B:サービスプロセスを進化させる(非接触×強化)
サービスプロセスを積極的に非接触型に置き換える進化です。コロナ禍において最も多く取り組まれている対策です。これを一過性の対策とするのではなく、効果的な施策を常時のサービスプロセスに組み込む企業が増えています。中には、自社でうまくいった3密を避けるサービスのしくみをコロナ対策に苦戦する他社に外販し始める企業もあります。
C:共創の場を進化させる(直接接点×革新)
従来の顧客接点に頼らないサービスモデルへの革新です。たとえば店舗型サービスでは来店客の激減を受けて、顧客の来店を待つ受身型のスタイルから脱却しようとしています。こちらから出向く訪問型サービスや、クライアントのオフィス内にサービスを組み込むビルドイン型サービスや運用サービスへの転換など。形は様々ですが、店舗を有していることの強みや経験知を活かして、価値共創の場そのものを変える取り組みです。
D:共創の主体を進化させる(非接触×革新)
人ではなくモノやコンテンツを介したサービス提供に革新します。たとえば、目に見えないサービスの情報をカタログ化して潜在ニーズを喚起したり、サービスのしくみを共有して顧客が自律的にサービスを利用できるようにすることで、デジタルの強みを活かした圧倒的なスピードや利便性を生み出そうとしています。
これらは実際には独立しているのではなく、従来の顧客接点の圧倒的な価値向上とセットで取り組まれています。いずれにしても、コロナ禍を単にしのぐのではなく、これを機に事業が平穏無事なときにはできなかった進化にチャレンジしようとしているのです。「しのぐ」のか、「進化」に踏み出すのか、この差はこの先、大きく開くことでしょう。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ディアイスクエア、IBM watsonx.aiを活用したコールセンター・オペレーターを支援するAIサービスを提供開始
PR TIMES / 2024年11月20日 14時40分
-
「子どもの権利とビジネス研究会」の設立について
PR TIMES / 2024年11月20日 11時45分
-
イグニション・ポイント、先端技術を駆使したビジネス変革支援を強化
PR TIMES / 2024年11月7日 13時45分
-
あなたは大阪・関西万博のコンセプトを知っているか?②【日本経済をターンアラウンドする!】その29
Japan In-depth / 2024年11月2日 11時0分
-
Fime EMV (R) C-8非接触カーネル使用のテストサービスを開始、 業界初(2024/10/29時点、自社調べ)
PR TIMES / 2024年10月30日 8時45分
ランキング
-
1「築浅のマイホームの床が突然抜け落ちた」間違った断熱で壁内と床下をボロボロに腐らせた驚きの正体
プレジデントオンライン / 2024年11月22日 17時15分
-
2三菱UFJ銀行の貸金庫から十数億円抜き取り、管理職だった行員を懲戒解雇…60人分の資産から
読売新聞 / 2024年11月22日 21時35分
-
3物価高に対応、能登復興支援=39兆円規模、「103万円」見直しも―石破首相「高付加価値を創出」・経済対策決定
時事通信 / 2024年11月22日 19時47分
-
4【独自】船井電機前社長『不正を働いたことはない』 “破産の申し立て”は報道で知る「本当に驚いた。なんでこんなことに…」
MBSニュース / 2024年11月22日 18時20分
-
5相鉄かしわ台駅、地元民は知っている「2つの顔」 東口はホームから300m以上ある通路の先に駅舎
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 6時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください