価値共創とは何か、適応との違いにこだわる/松井 拓己
INSIGHT NOW! / 2023年3月27日 3時0分
松井 拓己 / 松井サービスコンサルティング
「価値共創」とは言葉の通り、顧客と一緒になって価値を創造することを指します。“価値を創造する”とはどういうことなのかを理解するには、サービスの価値は何によって決まるのかを理解しなければなりません。サービスの定義は、「人や構造物が発揮する機能で、顧客の事前期待に合致することをサービスという」としています。つまり、顧客の事前期待にこたえることだけが「サービス」であるということです。つまり、サービスを提供しようと思ったら、「何をしたら良いか?」と具体策を考える前に、「どんな事前期待に応えたらよいか?」を考えるべきだということです。つまり、サービスの価値は、そのサービスが応える「事前期待」で決まると分かります。
このことから、“価値を創造する”とは、“事前期待を創造する”ということだということになります。つまり「価値共創」は、顧客との協働を通して、事前期待の創出・喚起・成長・強化といった形で、事前期待に進化が生じることが極めて重要です。顧客との協働によって事前期待が進化すれば、それに応えることで、サービスの価値も進化します。これが「価値共創」のポイントです。
一方で「適応」は、顧客との協働はしてるとしても、顧客の要望やニーズに応えるだけで、事前期待そのものが進化ません。いつも同じ事前期待に応え続けるため、“価値を創造している”とは言い難い状況です。もちろん、顧客の事前期待に適応することで、スムーズにサービス利用が進むようにはなりますが、結局サービスの価値が進化しないため、いずれ飽きられてしまったり、他社からのアプローチですぐに顧客が去って行ってしまいます。「価値共創」ができるサービスと、「適応」しかできていないサービスとで、顧客基盤の強さや事業としての成長力に大きく差がつきます。そしてその差は、時間と共にどんどん開いていくのです。
こうして「価値共創」と「適応」の違いを明確にしてみると、「ドキッとしました。うちは顧客と協働しているものの、“適応”にしかなっていませんでした。」と仰る企業が多くあります。「価値共創」の本質を捉え直して、事前期待の進化を促すような価値共創活動をテコ入れし、時間を味方につけてサービスの付加価値をどんどん積み上げることで事業の成長力や競争力を強化する。スローガンとしての「共創」から、事業に実装する「共創」へと、ステージアップしましょう。
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