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BtoBマーケティングの戦略立案と実行方法「特定市場における4つの施策展開」/荻野 永策

INSIGHT NOW! / 2023年12月10日 11時44分

BtoBマーケティングの戦略立案と実行方法「特定市場における4つの施策展開」/荻野 永策

荻野 永策 / 株式会社ALUHA

本記事は弊社WEBサイト「BtoBマーケティングの戦略立案と実行方法「特定市場における4つの施策展開」」の記事を要約した内容となっています。

特定市場向けデジタルマーケティングで重要視すべき2つのKPI

ここでいう「特定市場」とは、「ある特定の業種・業界・業務」でかつ「規模・母数も少ない」市場のことをいう。BtoBの場合、例えば、大病院向け、大学向け、金融業向けなどが該当するだろう。こういった「特定市場」の場合、「日本国内では顧客になりそうな企業が最大でも●社しかいない」といった制限が発生する。市場母数が少ないため、マーケティングやセールス活動にも制限があるという特性がある。

そんな特定市場向けデジタルマーケティングで重要視すべきKPIは2つあると考えている。1つ目は、総母数に対するリード化の割合「リード化率」、もう1つは、「1社あたりのリード人数」である。

総母数に対するリード化の割合「リード化率」とは?

ここでいう、「リード化率」とは、総母数に対して実際にリード化できた割合のことだ。例えば、日本国内で200社しか顧客がいない場合において、担当者の個人情報まで判明している社数が50社であれば、「リード化率」は25%となる。

1社あたりのリード人数とは?

「1社あたりのリード人数」とは、リード化に成功している企業において、1社あたり何人のリードがMAなどに登録されているか?の人数の平均値だ。例えば、担当者の個人情報まで判明している社数が50社で、リードリストの人数が225人であれば、「1社あたりのリード人数」は225/50で4.5人ということになる。

なぜ2つのKPIを重要視するか?

では、なぜ「リード化率」と「1社あたりのリード人数」を重要視するのか?

その理由は、そもそも市場の母数が少ないため、リードの獲得件数をKPIにすることはできない。日本国内で200社しか顧客がいないのであれば、200社以上のリード獲得(企業としてのリード獲得)はできないからである。

しかしながら、200社しか顧客がいなくても、各リード企業には製品購入に関わる関係者・意思決定権者が複数人存在する。そのため、1社1名ではなく、1社N人と考えて、リード獲得すべきである。Nの人数が多ければ多いほど、リードに対する影響度も大きくなり、商談創出やクロージングの際に有利に働く。

だからこそ、「リード化率」と「1社あたりのリード人数」を重要視すべきであると考えている。

特定市場向けデジタルマーケティングの戦略立案・実行方法

では、具体的にどう戦略立案・実行すべきかの方向性を考えてみよう。重要なKPIを2つ設定したため、下記のような4象限に分類すれば、方向性が見えてくる。

特定市場向けデジタルマーケティングの戦略立案・実行方法 4つの方向性

方向性1「リード化率が高く、1社あたりのリード人数が少ない」

「リード化率が高く、1社あたりのリード人数が少ない」状況であれば、「1社あたりのリード人数」を増やすデジタルマーケティングを実施することが最優先だ。特に、意思決定権者の個人情報をどうすれば取得できるか?を考える必要がある。当然、戦略目標は、方向性2「リード化率が高く、1社あたりのリード人数が多い」の状態に持っていくことである。

具体的な施策案としては、「社内セミナー」のような施策を展開すると1社あたりのリード人数を増大できる可能性がある。「社内セミナー」とは、社内の関係者であれば何名でも参加できるオンライン・リアル(訪問)のセミナーである。関係者が複数名参加することで、1社あたりのリード人数の増大に繋げることが可能だ。

方向性2「リード化率が高く、1社あたりのリード人数が多い」

「リード化率が高く、1社あたりのリード人数が多い」状況であれば、これ以上の新規リード獲得は難しい。そのため、今保有しているリードリストから、いかに商談や案件を継続的に作り出すか?にデジタル活用の可能性を見出すしかない。

具体的な施策案としては、リードの課題調査を行い、解決策を提案するソリューション提案の継続であろう。受注まであと一歩のところまで来ているため、リードの課題調査(アンケートメールなど)を継続的に行い、商談創出を狙うとよい。

方向性3「リード化率が少なく、1社あたりのリード人数が少ない」

「リード化率が少なく、1社あたりのリード人数が少ない」状況であれば、リード化率の向上を優先しよう。ただ、特定市場であるため、デジタル活用による新規リード獲得ができるのかどうか?が大きな問題となる。検索市場を調査し、本当にデジタル活用でリード化率を高められるか、見極めてから実行するかどうか?を考えなければならない。

具体的な施策案としては、ロングテールワードでのSEO対策やリスティング広告で自社サイトに集客し、ホワイトペーパーを使ってコンバージョンを狙うといった方法が考えられる。もしくは、ホワイトペーパーとDMや電話営業などと連動させるのもありだ。例えば、ホワイトペーパーの資料請求を受け付けるDMを送付するなどである。こういった活動をコツコツ行い、リード化率を高めていく地道な施策の継続が重要になるだろう。

方向性4「リード化率が少なく、1社あたりのリード人数が多い」

「リード化率が少なく、1社あたりのリード人数が多い」状況であれば、方向性2と同様に、商談・案件創出を継続しつつも、方向性3のように、新規リード獲得を行わなければならない。2つのことを同時に行う必要がある。

特定市場向けマーケティングの戦略立案・実行方法まとめ

4つの方向性から施策案を検討した。重要なポイントは下記の3つである。

  1. 1社あたりのリード人数を増大させる社内セミナーのような施策案を具体化しておくこと
  2. リード化率を地道に高めるためにホワイトペーパーの活用などの施策案を具体化しておくこと
  3. 継続的に商談を作り続けるためにアンケートメールなどを活用して課題調査を実施すること

特定市場を狙う場合は、このポイントを意識しつつ、最適なマーケティング戦略の立案を行なってほしい。

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