インバウンドマーケティングとは?目的や具体的な手法を解説/荻野 永策
INSIGHT NOW! / 2024年2月28日 13時28分
荻野 永策 / 株式会社ALUHA
本記事は弊社WEBサイト「インバウンドマーケティングとは?目的やアウトバウンドとの違い・具体的な手法を解説」の記事を要約した内容となっています。
インバウンドマーケティングとは
インバウンドマーケティングとは、顧客が自らの意思で企業や製品に関心を持つように促すマーケティング手法のことだ。顧客に製品やサービスの情報を提供する(売り込む)のではなく、顧客が自らの意思で製品やサービスに興味・関心を持つようにしかけておくマーケティングだ。「売り込み」をしなくても、興味・関心を持ってもらえるよう、無数の仕掛けを作っておくマーケティング手法とも言える。そして、売り込まなくても顧客が購入を決断してくれる状態こそが、インバウンドマーケティングの究極のゴールとなる。
インバウンドマーケティングの目的
効率的なセールス活動の実現
アウトバウンドマーケティングでは、テレマーケティングやDMなどを通じて自社の製品を顧客に売り込む。この方法は質の低いリードも多く含み、営業担当者は質の低いリードにも時間を費やすことから、非効率なセールス活動となってしまうことが課題だ。
一方、インバウンドマーケティングでは、価値あるコンテンツを通じて顧客の関心を引き出し、関心を持った顧客は自発的に問い合わせや資料ダウンロードを行う。営業担当者は質の高いリードに集中できるため、インバウンドマーケティングは効率的なセールス活動を実現することが可能なのだ。
営業の人員不足や高齢化といった課題が深刻化する中で、インバウンドマーケティングによる効率的なセールスの実現は、非常に重要な目的となっている。
顧客の購買行動の変化への対応
デジタル時代における顧客の行動の変化に対応することは、インバウンドマーケティングの重要な目的のひとつだ。
デジタル化の加速により、顧客は新規の製品やサービスを購入する場合においても、自分で情報を収集し、購入前に複数の商品を比較検討する傾向が強くなっている。言い方を変えれば、「売り込まれる前に、インターネットなどを使って情報収集している」ということだ。こういった購買行動の変化に対して、インバウンドマーケティングは柔軟に対応ができる。
一方、アウトバウンドマーケティングでは、電話や訪問といった営業活動により顧客に売り込みをする。売り込みしたタイミングがよければ、商談化や受注にもつながるが、タイミングを逃すと、顧客はすでに製品の比較検討を終えていることもあり、営業が無駄になってしまう。
インバウンドマーケティングの手法
それでは、BtoBで活用できるインバウンドマーケティングの手法についてご紹介しよう。インバウンドマーケティングは、「顧客やリードに見つけてもらうにはどうすればいいか?」を考えなければならないため、「見つけてもらうための手法」をご紹介する。インバウンドマーケティングの手法は、デジタルマーケティングと相性が良く、デジタル活用するケースが非常に多い。
SEO対策
SEO対策とは、検索エンジンの検索結果における掲載順位を上げるための施策だ。検索エンジン最適化の略であり、検索エンジンとは主にGoogleを指す。
検索結果の上位に自社のページを表示させれば安定したアクセス数を得ることができ、何かのキーワードで検索している顧客やリードに「自社製品やサービスを見つけてもらう」ことができる。キーワードを何にするか?どのくらいの検索ボリュームがあるのかなどのキーワード選定が重要になるが、検索されている限り、安定した成果を生み出すことができる。
しかし、検索エンジンのアルゴリズムは常に更新されるため、一度上位に表示されたからといってその後も順位が保証されるものではない。Webサイトの定期的なメンテナンスは必要であり、答えが公表されていない検索エンジンの考える高品質なコンテンツの作成に邁進し続けなければならない。また、SEO対策の効果が出るまでには時間がかかることもあり、即効性は期待できない。
SNS
X(旧Twitter)やInstagram、FacebookなどのSNSの活用も、インバウンドマーケティングでは有効だ。
SNSで有益なコンテンツを流すことで、拡散される可能性があり、その中で「自社製品やサービスを見つけてもらう」ことができる。さらに、ファンやフォロワーを多く獲得できれば、安定した情報提供も可能となる(それだけ継続的に見つけてもらいやすくもなる)
しかし、SEO対策と同じくすぐに効果を発揮するものではないため、SNSの運用には労力がかかり、リソースに余裕がない場合は難しい。また、大手企業では就業時間中において、デスクトップPCでSNSを使用することを禁止していることが多く、大手企業を狙いにくいというデメリットもある。
そのため、自社の製品・サービスの未開拓リードがSNSを活用している可能性が高い場合に特に有効だ。事前にターゲットがSNSを利用しているか、またどのSNSを使用しているのか確認しておこう。
ソリューションページ
ソリューションページとは、顧客やリードが解決したい課題の解決方法やプロセス、解決事例などを紹介するWEBページのことで、ランディングページの一種とも言える。
ソリューションページは課題解決に特化しており、課題の数だけページを作成でき、さまざまな角度からコンテンツを作成することが可能だ。その結果、コンテンツの間口が広くなり、より見つけてもらう可能性が高くなる。
しかし、顧客が抱えている課題を正確に把握し、それに対する解決策を提案するのは簡単ではない。そのため、マーケティングリサーチの質が成果を左右するといっても過言ではないだろう。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、顧客の抱える問題に対する解決策を記載した資料だ。主にWebサイトからのダウンロード資料として用いられる。
ホワイトペーパーを活用するメリットは、顧客の知りたい情報を提供することで関心を引き、コンバージョンを獲得できることだ。効果的なホワイトペーパーを作成するには、どんなテーマに対して、どんなコンテンツにするかが重要だ。それを間違えると資料作成に充てた多大な工数が無駄になることもある。読者のニーズの変化に対応できるように、継続的に内容を改善する必要もある。
自社のWebサイトからのコンバージョンを増やしたい場合に特に有効の手法であるため、リードが解決したい課題や学びたいことを事前に把握し、それらに関する有益なコンテンツをPDF資料にまとめて配布しよう。
セミナー動画
顧客やリードにとって有益な情報が学べるセミナーを継続的に実施し、それを動画化することで、インバウンドマーケティングを推進することができる。動画コンテンツをYoutubeなどで配信すれば、顧客やリードに見つけてもらう可能性を拡大することができる。
たくさんの動画を作成し、インバウンドマーケティングの資産として蓄積していけば、やればやるほど、成果につながる可能性も高くなるだろう。動画を作成するのは工数もかかるが、情報収集の時間短縮という意味では、効果的な手法の1つと言える。
以上、インバウンドマーケティングの目的や主な手法について解説した。インバウンドマーケティングを実施すると、セールス活動が効率的なものになる。顧客の購買行動の変化やデジタル促進にも対応できるため、アウトバウンドマーケティングでの非効率な営業活動にお悩みの場合には、インバウンドマーケティングを実施することがおすすめだ。
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