情報の一元管理が役立つ。記録というタイム・マネジメント/フランクリン・ プランナー
INSIGHT NOW! / 2024年4月11日 8時57分
フランクリン・ プランナー / フランクリン・プランナー
タイム・マネジメントの目的とは、効率よく時間を使うことですが、本質的には、目標を達成する(自分が思い描いている世界へ到達する)ことにほかなりません。
手帳の役割で言えば、その目標を達成するために、道筋を考え、タスクを計画していくわけです。
そのときに忘れてはならないのが、「手帳への記録」です。
手帳の基本的な3つの機能と言えば、「スケジュール」「タスク」「記録」ですが、「記録」に関しては、どうしても軽視しがちです。
何も考えずに、とにかく忘れないようにと「記録」しても、どこに書いたのか忘れたり、メモしたことすら忘れてしまったりします。
そして、目標達成に重要になるのが実はこの「記録」です。
目標達成へのタスクやスケジュールは基本的に自分で考えるものですから、自分の思考の範囲を出ることができませんが、記録欄に書いてあることは、ほかの人が話したり、自分で新たに気づいたりしたことが多く、これまで自分の発想になかったものが書かれていることが少なくありません。
日々成長につながったり、新たな学びになったりするものは、この記録欄にこそあると言っても過言ではないでしょう。つまり、この記録欄に書いてあることは、これからの目標達成にとって、とても重要なエッセンスです。
手帳に書く意味「見える化」
手帳に記録する、大きな理由のひとつが「見える」ということです。頭のなかでは理解していることであっても、実際に文字や絵として書いてあることを目にすることで、前提条件としての情報や押さえておかなければならないことを確実に認識しておくことができます。
企画やアイデアは、ほとんどの場合、何らかの制限があるものです。そうした制限を忘れてしまっては、企画案の意味がなくなってしまいますので、企画立案や目標設定を行う上で大切なことは、ルーティン的に記録することが求められます。
また、自分が思いついたアイデアや企画案の背景となるロジカルなストーリーも、できる限り記録しておきたいものです。意外に「どうしてこう考えたのだろう?」「そのときはなぜそう思ったのか?」と、自分の思考プロセスに疑問を持つことはありうることです。
冷静な判断をするためにも、「なぜそう考えたのか」というプロセスを記録しておくことは大切なことでしょう。
目標達成へ、記録欄の使い方
・毎日の振り返りを記録する
手帳の利点のひとつに、「日々の活動を振り返りやすい」ということがあります。毎日、タスクやアポイントを計画する人であれば、1日が終わったときに、そのタスクや打ち合わせ内容に対してどのような達成状態だったか、次に何をすれば良いのか等、振り返りを行い、記録することが可能です。
毎日、思った通りの結果となることはほとんどありません。大切なことは、思い通りにならなかった現実を見つめ、次にどうすれば良いかを考えることです。それによって計画の精度も上がり、目標達成にも近づくはずです。
・仕事の生産性を把握する
振り返りの記録に近いことですが、自分自身が普段どんな仕事を行っているか、仕事の具体的な内容は何かなど、こまかく洗い出すことも大事なことです。
この作業によって、仕事の生産性(どのような仕事にどれぐらいの時間がかかるか、どのような仕事のときにやる気を持って対応できているか)や、行っている仕事の特性や傾向などを把握することができます。そこを理解できれば、その後のスケジューリングやタスク管理の際に、見込み時間の設定や実現できる可能性の精度が格段に上がるはずです。
その際、できれば仕事のプロセスやフローも書き添えておけば、ボトルネックになりそうな場面の確認やうまくいかなかったときの対策にも役立つでしょう。
・自分の考えをまとめる
自分の考えをまとめたり、普段から思っていることを整理したり、とにかく「書く」くせをつけましょう。何か思いついたり、新たに導かれた考えは、アイデア欄にまとめておけば、いざというときに役に立ちます。
新しい企画や開発というものは、文字にすることで具体化していきます。書くことでアイデアが新たに発展したり、案がより高いクオリティに進歩する可能性もあります。
・付加情報を記録する
打合せ中や会議中、商談中に大事だと思ってメモしたことに対して、早い段階で、他に何か転用できないか、自分の目標達成につながる要素はないか、再度見直し、メモに上書きしておきましょう。
たとえば、誰かの名前と仕事内容を聞いたら、自分の目標との関連、実際に何か一緒にできることはないかなど記載しておきましょう。
時間管理(タイム・マネジメント)の目的は、仕事の生産性を向上させ、最終的に「成果を上げること」です。そのためには、普段の仕事をはっきりと見える状態にして、本来は何をすべきなのかを明らかにすることが何より重要です。
日々の「記録」を継続することから始めてみることも必要ではないでしょうか。
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