人材は投資。経営者が知るべき現代の採用事情(2)固定観念に縛られず、SNSを駆使して新時代の優秀な人材を引き寄せる!/永嶋 泰子
INSIGHT NOW! / 2024年6月10日 6時50分
永嶋 泰子 /
10年前の採用活動の危険性
さて、前回は人手が余っていた過去の経験に基づく採用活動の危険性についてお届けいたしました。
▼前回の記事はこちらから
https://www.insightnow.jp/article/12103
10年前と異なり、人材市場は買い手市場から売り手市場に移っています。これからの時代、労働力は限られた資源であり、どのように活かすかを考えることが経営上の優先課題となります。
今までは、求人を出せばある程度の応募者があったかもしれません。たとえば、20代を対象に求人を出したのに応募者は50代、60代ばかりという経験はないでしょうか。
これが、人材市場が売り手市場になった現実です。
さらに苦戦しているのは大手企業も同じですが、新しい方法を試しています。その中で中小企業には人材を獲得するチャンスはあるのでしょうか?
中小企業だからこそチャンスがある
中小企業だからこそ、人材を獲得するチャンスがあります。なぜなら大手企業に就職した若者の離職率は上がっているからです。大きな理由のひとつが終身雇用の崩壊による不安です。
▼参考記事
「ホワイト離職」、褒めて育てた若者がなぜ辞める:日経ビジネス電子版
つまり、若者は社内でしか通用しないスキルを持つことで、他者で通用しないことを恐れているのです。
これは中小企業にとって大きなチャンスです!なぜならば、そこに中小企業の強みがあるからです。
中小企業の強み
大企業と違い、経営陣との距離が近く、管理部門や営業部門の垣根も低いため、1社に在籍しながらいろんな仕事を経験することができます。経営者の感覚を磨きながら、営業部員としても仕事ができるということは、大きな強みになりえます。
ただし、その強みである「魅力」を伝えきれていないのが現実です。
魅力の伝え方
たとえばあなたの会社のホームページは、初めてあなたのホームページを見た求職者にとってわかりやすいものになっていますか?
ホームページを見て、あなたの会社が何をしているのか、一言で説明できますか?
ホームページの更新頻度は、最低1週間に1回は行っていますか?
ホームページのほかに、フェイスブックやインスタグラムなど無料で使えるSNSを活用していますか?
もしこの質問にひとつでも当てはまらないものがあったら、ぜひ読み進めてください。
なぜなら、今の若者はSNSを当たり前に使いこなし、自分から発信をし、SNSから情報を受け取っているからです。私の周りの20代も、普通にインスタグラムを発信しています。これは、40代である私たちの世代が「発信」に大きなハードルを感じているのとは対照的です。
彼らにとって発信は当たり前のことであり、更新され続けるSNSは当たり前なのです。
1960年代に心理学者ロバート・ザイアンスによって初めて提唱されたのが「単純接触効果」です。彼の研究では、特定の刺激(例えば、顔写真、文字、音楽など)を繰り返し見たり聞いたりすることで、被験者のその刺激に対する好意度が高まることが示されました。
この習性をSNSやホームページに応用すれば、日本全国だけでなく海外にもあなたの会社の魅力を伝えることができるのです。
ビジョンの重要性
数多くのホームページを見ていて、いつも惜しいなと思うことがあります。大企業のホームページにあって中小企業のホームページにないもの。それは、どんな人が働いているのかがわからないということです。
大企業のホームページでは、ある社員の1日という記事があったり、会社で働いている人の座談会があったり、とにかく人を載せています。
しかし、中小企業のホームページは給与や労働時間、有給休暇の取得率など条件のみを書いており、どんな人がどんな思いで働いているのかが見えてきません。
しかし、中小企業が条件で戦おうとすると圧倒的に不利になります。なぜならば、大企業の方が条件が圧倒的にいいからです。
本来は、中小企業こそ「人」をピックアップし、どんな“想い”で働いているのかをどんどん発信すべきなのです。
そのためにはビジョンが必要です。ビジョンを思いっきり描くことで求職者に「入社したらこんなやりがいがある」「こんな風に社会に貢献できる」と伝えていきましょう。
ますます多様化が進む現代、あなたの会社の魅力を思う存分発信して、これからのあなたの会社を担う人材を獲得していきましょう。
3回にわたってお伝えした「経営者が知るべき現代の採用事情」はいかがでしたでしょうか。
ぜひご感想をお待ちしております。
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