​40代からでも遅くない！ビジョンで人生を再スタート／永嶋 泰子

永嶋 泰子 /

ビジョンとは？

「あなたにビジョンはありますか？」

この質問をすると、多くの方が「ないけれど…」と答える。

よくよくお話を伺うと持っていないことはなく、むしろ持っている。

「それはビジョンですよ」と伝えると、「えっ！」と驚かれることもある。

なぜ、ビジョンを持っていないと思うのだろうか？

それは、「ビジョン」＝すごいものという思い込みがあるからである。

実は、ビジョンというのはすごいものではない。

家族で夕食を一緒に食べたい

旅行に出かけたい

素敵なお家に住みたい

これらもすべてビジョンである。

ただ、仕事や家事・子育てなど日常に追われて、こういったビジョンはどうしても頭の片隅に追いやられがちだ。

優先順位が低くなってしまうがゆえに、忘却の彼方に消え失せてしまう。

しかし、もしあなたが「本当はもっと別の人生を送りたい」「私の人生こんなはずじゃなかった」と思うのならば、ビジョンを忘れないように設定することが最も大切である。

衝動のなかにあるビジョン

あなたには、なぜだかわからないけれども「やらなきゃ」「いかなきゃ」というように衝動的に突き動かされたことはあるだろうか？

私には、ある。

しかもその突き動かされる行動というのが、いつもだったら難なく当たり前にできることなのに、なぜだかやりたくない理由を探してなかなか行動できないというものであった。

最近もこれがあったのだ。

なぜだか、ここ数ヶ月あるコーヒーショップに行かなきゃと思っていたのだ。

家の近くには、歩いて行ける場所にあるコーヒーショップがあるし、会社の近くにもある。

行こうと思えばすぐに行けたはずなのに、なぜだか行くのを渋っていたのだ。

たとえばこんな風に。

ダイエット中だからお砂糖たっぷりの飲み物は飲みたくない

そのコーヒーショップ以外にもおいしいコーヒー屋さんはたくさんあるから、別に行かなくていい

お金がもったいない

しかし、あまりにもそのコーヒーショップに行かなければという思いが強くなって、ある日とうとう意を決して行くことにした。

（意を決してというのが大げさな…と思う方もいるかもしれないが、それくらい渋っていたのだ。）

そして気づいたのである。

私はそのコーヒーショップに行きたいわけではない。

もっと別の目的があったのだと。

本当の目的とは？

あるコーヒーショップで注文した後、テラス席に座りノートとペンをリュックから取り出した。

そして思いつくままに、本当に思いつくままに...たとえば10年後の自分はどこに住んでいるとか、普段心の奥にしまっていることとか、息子のことや、夏休みの過ごし方を夢中で書いていたのである。

そのときに心の窓がパッと開いてぶわ～っと風が吹き抜けるのを感じた。

「これがしたかったのだ！！」と気づいたのだ。

自分が心の奥にしまっている思いを、とにかくぶちまけたかった。

というのも、ここ数週間なぜだかすごく行き詰まりを感じていた。

心を閉塞感が覆い、このままではいけないと思うようになっていたのだ。

もちろん、思いつくままにノートに書き出す習慣は日ごろからあった。

しかし、場所が問題だったのだ。

仕事に子育てに、時間がないのを言い訳に、ダイニングや通勤電車の中で行っていた。

そこは日常の延長にある場所である。どうしても、本音ベースで向きあえないことも多い。

私があるコーヒーショップに行きたくて仕方なかったのは、日常から離れた場所で自分の本音に向きあいたいという合図だったのだ。

本音のなかに隠れているビジョン

数年前まで、私は自分の本音と向きあうためによくあるコーヒーショップを利用していた。

そのときの記憶があったのだろう。「あるコーヒーショップに行きたい」という願望になっていた。

けれども、「あるコーヒーショップに行かなきゃ」では、自分の本音と向きあいということまでわからなかった。実際に行ってみて、私は本音を言語化する作業がしたかったのだと気づけたのだ。

あなたがいま、とくに理由はないけれど「〇〇したい！」や「〇〇をしなければいけない気がする」というものを抱えていたのなら、ぜひ行動に移すことをお勧めしたい。

きっとその中には、あなたが抱えている「本音」が隠れている。そしてその本音をさらに掘り下げていくと、あなたのビジョンを見つける旅に行くことができる。

まずは自分の衝動を信じて行動する。

そうすれば、あなたの人生は本当の意味で豊かになっていくだろう。