BtoBマーケティングの8つの成功事例から学ぶ成功と失敗のポイント/荻野 永策
INSIGHT NOW! / 2024年9月29日 9時19分
荻野 永策 / 株式会社ALUHA
本記事は弊社WEBサイト「BtoBマーケティングの成功事例「8つの事例から学ぶ成功と失敗のポイント」」の記事を要約した内容となっています。
弊社は2008年からBtoB企業に特化したマーケティングや営業の支援を行っている。さまざまなBtoB製品やサービスのマーケティングや営業に関するプロジェクトに関わってきた経験から、成功と失敗(つまづく)ポイントについて詳しく解説する。
成功事例から学ぶ成功のポイント
弊社のお客様でBtoBマーケティングに成功している企業には共通点がある。その共通点とは、以下の3つである。
- KPIの数を最小化して生産性を高める
- KPIを可視化してやるべきこととやらなくていいことを決める
- やったことに対しての成果を数値で確認する
これらはある意味当たり前のことではあるが、リソースが限られている中で、効率よく売上に貢献しなければならないため、この3つは成功に対して非常に大きなポイントと言える。
KPIの数を最小化して生産性を高める
1つ目の成功のポイントは、追いかけるKPIの数の最小化だ。BtoBマーケティングやBtoB営業ではさまざまなKPIを設定する。デジタル活用する場合は「アクセス数、CVR、離脱率、直帰率、開封率、クリック率」などである。またそのほかにも「APO率、案件化率、受注率、LTV関連のKPI」など売上に近い重要なKPIもある。
これらのKPIを全て改善しようとすると、膨大な工数が発生する。さらにKPIはシーソーゲームのように何かのKPIを高めると何かが下がるといったことも発生する。
そのため、BtoBマーケティングを効率よく推進し成功に導くには、適切なKPIと重要なKPIを選定し、そのKPIの数を最小化することが重要だ。こうすれば、効率よく生産性を高めて、少人数でもBtoBマーケティング活動を展開できるようになる。KPIの数が少ないと、追いかける数値も少なくなるため、比例して「やるべきこと」を少なくできるのである。つまり、少人数・短時間での施策展開につながっていく。
KPIを可視化してやるべきこととやらなくていいことを決める
2つ目の成功のポイントは「やるべきこととやらなくていいことを決める」だ。BtoBマーケティングは、リードジェネレーションやリードナーチャリング、インサイドセールスなど、やるべき施策が多い。
例えば、BtoBのWEBマーケティングで考えてみよう。WEBマーケティングでは、SEO対策、広告、LP制作、ホワイトペーパー作り、導線設計、原稿作成、デザイン、コーディングなど、数多くの業務がある。これらを同時に進めることができれば理想的であるが、複数事業・複数商材のWEBマーケティングを行い、かつ、少人数体制で実施し、さらに、事業部からのWEB更新依頼などを随時こなしている場合、とてもじゃないが、時間が足りなくなる。
こういった場合、KPIを可視化して、数値の悪くなっている業務のみに時間や予算を集中させることが重要だ。つまり、今やるべき施策・業務は何か?をKPIから判断し、そこに時間や予算を集中させるのである。
このようにして進めることで、効率よくBtoBマーケティングを推進できるようになる。
やったことに対しての成果を数値で確認する
3つ目の成功のポイントは「やったことに対しての成果を数値で確認する」だ。BtoBマーケティングは業務に終わりがないため、次から次に新しい業務が発生する。そのため、「やりっぱなし」になっていく傾向がある。これでは、やったことに対して成果がでているのかどうかわからない。だからこそ、「やったことに対しての成果を数値で確認する」ことは非常に重要だ。
このように、BtoBマーケティングに成功している企業は、数値を根拠にして、数値を見ながらリソースを効率よく使ってマーケティング活動を展開している。関係者が多い事業になると、「声の大きい人の意見」が通りやすくなり、「本当に効果があったのか?」がわからないまま業務がやりっぱなしなどになってしまうこともあるだろう。そういったことを最小限にし、数値ベースで進めていくことが重要だ。
失敗のポイント(つまずくポイント)
逆に成功事例の企業でもつまずいたポイントがいくつかある。よくあるつまずきポイントをご紹介しよう。主に以下の6つでつまづくことが多い。
- 成果が先か業務が先か(やる前から効果・成果を問われる)
- マーケティングに対する理解不足、リテラシー不足
- 言葉の一人歩きによる認識齟齬の発生
- BtoBマーケター不足(ひとりぼっちマーケター)、扱う商材も多いとさらに大変
- マーケティングコンテンツ作成が進まない
- 他部門連携がスムーズでない、場合によっては部門間対立も
そもそもBtoBマーケティングを始められない、デジタル活用ができないなどの場合は、「1や2」のポイントが大きく影響している傾向が強い。やる前から「効果はあるのか?」などと言われてしまうためだ。
また施策展開しても数値が改善しない、効果を感じられないという場合は、「3、4、5」あたりが大きく影響しているケースがある。特に、「5」は多くのBtoB企業で課題になっていることが多い。マーケティングコンテンツがある程度揃わないと、数値改善もできないためだ。
さらに、マーケティング活動の売り上げ貢献がわからないという場合は、「6」が影響している。マーケティング活動で獲得したリードを営業部門と連携できないためだ。
これらの失敗ポイントは、弊社のお客様からもよく相談され、弊社が一緒に進めている中でも大きな障壁となることが多い。その障壁を突破できない場合は、なかなかマーケティングが推進できず、売上貢献もできない。BtoB企業にマーケティングやデジタル活用がなかなか浸透しないのも、こういった要因が絡んでいると考えられる。
まとめ
BtoBマーケティングの成功と失敗のポイントをご紹介した。これらのポイントが御社のBtoBマーケティング推進のヒントになれば幸いである。
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