「Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)」を使って仕事を効率化/フランクリン・ プランナー
INSIGHT NOW! / 2024年10月17日 16時55分
フランクリン・ プランナー / フランクリン・プランナー
仕事を効率化、合理化するためのヒントとして、さまざまなモデルが提唱されていますが、その中のひとつに、「ECRS」と呼ばれる改善の4原則があります。
今多くの企業では社員の働き方改革を進めなければならない一方で労働力不足となってしまうという背反する大きな問題を抱えています。ビジネス・パーソンの立場から見ても、残業時間を減らせと指示を受ける一方で、減ることのない膨大な仕事量に追われているという大きなジレンマを抱えている人が少なくないようです。
しかも、今のビジネス・パーソンの忙しさは、自分自身の成長や目標達成、責任の遂行といった自分のためではなく、自分以外の人たちからのたいして重要ではないことに追われてしまっている印象です。これでは何のために時間を使っているのかよくわからなくなってしまいます。
その状況を解決するには、仕事のやり方を根本的に変えなければならないのですが、長い間かけてできあがった今の仕事のやり方を変えるのは至難の業に思えます。
ピーター・ドラッカーが「知識労働者の生産性を向上させる方法は、仕事を定義しなおすことである。特に、行う必要のない仕事をやめることである」と語るように、何かを始めようとする場合は、そもそもやるべき仕事を再定義し、不必要な仕事をやめ、時間を作り出す必要があります。
ECRS(改善の4原則)
ECRSとは、業務改善を行う上でのポイントを整理したもので、Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)の英語の頭文字とっています。
このときに大切になるのが順番です。最初に検討するべき視点が、「E」(排除できる仕事はないか)ということです。私たちは成果を出すために日ごろから努力をしているのですが、意外にも日々の仕事の中で出そうとしている成果は、組織の最終的なゴール・目標に合致していないケースが多く存在します。
無駄な報告書づくりや会議、体裁を整えるだけの業務など、誰にでも身に覚えのあることでしょうし、そうした仕事が1日の大半を占めていたということも少なくないでしょう。
属に言われる「仕事のための仕事」「会議のための会議」などもその最たるものかもしれません。日常の忙しさは、多くの場合、無駄な業務によって占められているものです。
やめることができなければ、次に考えることは「Combine(結合することはできないか)」です。やめることができないなら、複数ある仕事をひとつにできないかということです。ありがちなのは、別な人から依頼されていて、実は同じような仕事というケースです。一つに統合できないかを考えます。異なる複数の人が、同じような仕事をしている場合もこれにあてはまります。
やめられず、統合もできない場合は、「Rearrange(交換することはできないか)を考えます。業務の順序、担当者、スケジュールなど、別の業務に入れ替えることができないかを考えます。これは、その業務がボトルネックになっていたり、突出して負荷が大きいような業務の場合、必要なプロセスであることは間違いなさそうですから、担当者を変えたり、違うやり方を探ったりすることが必要です。
最後に「Simplify(簡素化できないか)です。やめることもできず、代替案もなければ、どうすれば簡素化できるかを考えるしかありません。業務内容をこまかく分析し、負荷の大きなタスクを分業化やデジタル化によるシステム化など、高度な改善案が必要となることもあります。
「ECRS」を日々のタイム・マネジメントに生かす
毎日、多くのルーティン作業を行っていると思いますが、長年の間習慣的に積みあがった仕事は簡単には変更できないことも多いかもしれません。
ですから、ECRSの項目に関しても、一気にできることは少なく、無意識に行っている仕事をいかに効率化するかがメインになってきます。
手帳のタスク・リスト欄に、「E」「C」「R」「S」と記入し、以下の問いを毎日自分に行ってみましょう。
「E:今日、これまで行ってきた活動の中で、やめられるものはないか?」
「C:これまで行ってきた仕事で、統合できるものはないか?」
「R:これまで行ってきた仕事で、別の仕事に置き換えられるものはないか?」
「S:これまで行ってきた仕事で、簡素にできることはないか?」
そして、どれでもよいので、何かひとつ、毎日アイデアを書きとめてみましょう。日々のルーティンとしてやっている業務の中には、いつの間にか当初の目的とずれてしまったり、世の中の状況が変わっていたりして、実はやらなくてもよいことがあります。
1週間でいくつかのアイデアがそろえば、実行に移します。自分だけで済んでしまうことであれば、すぐに実行に移しましょう。それで時間を生み出すことができれば、その時間でできることを計画します。
ほかのチームメンバーが関わることであれば、整理した上で、上司やチームメンバーに相談してみましょう。業務プロセスは多くの人が関わり合いながら進行し、予算が必要なこともあるでしょう。書き留めたアイデアがチーム力の改善につながれば、次は、「ECRS」への取り組みをチームメンバーで行えば、さらに大きな仕事に発展する可能性も出てきます。
フランクリン・プランナーでは、「ECRS」のフレームワークを活用できるリフィル形式のフォームを用意しています。
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