ベンチャー・成長企業の広報・PR活動の実態をレポート化/小槻 博文
INSIGHT NOW! / 2014年8月27日 13時53分
小槻博文 / 合同会社VentunicatioN
ベンチャー・中小企業、NPO・社会起業家等の広報・PR活動を随時取材してきたが、今までに取材したベンチャー・中小企業47社のインタビュー内容を統計化し、急成長を遂げている企業の広報・PR活動に関する共通点や傾向をとりまとめてみた。
ベンチャー・中小企業、NPO・社会起業家等の広報・PR活動を随時取材してきたが、今までに取材したベンチャー・中小企業47社のインタビュー内容を統計化し、急成長を遂げている企業の広報・PR活動に関する共通点や傾向をとりまとめてみた。
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【レポート概要】
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■取材先企業:47社
スタートアップ・ベンチャー:36社、上場ベンチャー:7社、中小企業:4社
設立年数:2年未満 / 20社、2-5年 / 12社、5-10年 / 11社、10年以上 / 4社
従業員数:10名未満 / 16社、10-50名 / 18社、50-100名 / 6社、100名以上 / 7社
■取材期間:2012年7月~2014年7月
■方法:代表者または広報・PR担当者へのインタビュー
■主体:「広報スタートアップのススメ」運営事務局(合同会社VentunicatioN)
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【サマリー】
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■「成長を加速させるために広報・PR活動を組織的に展開」
起業直後は創業者による属人的な取り組みであるのに対して、成長段階に合わせて組織的に広報・PR活動に取り組む企業が増えている。また上場に向けてIRだけでなく本格的に広報・PR活動に取り組もうと考える企業も増えており、インタビュー企業においても現在上場している企業は7社だが、内5社がインタビュー後に上場した。
■広報・PR活動を組織として着手する際の人材は、4 / 5が既存社員を登用
創業者による属人的な取り組みから組織的な広報・PR活動に移行するにあたり、既存社員を登用したのは19社、経験者を採用したのは6社となり、既存社員が担当するケースが約5分の4を占める結果となった。
■パブリシティやセミナー・講演にて接点をつくりWEBサイトへ誘導
企業ステージや業態を問わず、多くの企業がパブリシティ活動(マスコミ対応)を重視して取り組んでいる。一方でウェブ・SNSを活用する企業も多いですが、その運営については各社ともまだまだ不十分だと感じており、今後の課題として挙げている。
また企業ステージ別で見るとスタートアップ期はピッチイベントなどへの登壇に注力する企業が多いのに対して、成長期は広報・PR機能を立ち上げてパブリシティ・ウェブ・SNSなど各種情報チャネルを上手く連動させた情報発信に取り組んだり、社外発信のみならずインナーコミュニケーションも着手したりするなど、企業の成長ステージに合わせて強化・拡充しながら、包括的なコミュニケーションの展開を模索する企業が増えている。
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【統計結果】
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■広報・PR立ち上げ時期・理由~創業から5年以内が90%、その理由は「成長を加速させるため」「その場しのぎではなく戦略的に」~
対象企業47社中「広報・PR機能を有している」企業:25社
(うちスタートアップ・ベンチャー、上場企業:21社)
<広報・PR機能立ち上げの時期>
創業~2年以内:8社
2年~5年以内:11社
5年以上経過:2社
創業当時は広報・PR活動を「機能」として取り組む必要性は低く、経営者が属人的に対応しているケースが多いが、成長段階に入るにつれて
「単なる露出ではなく、戦略的に情報発信を進めていく段階である」
「成長を加速させていくための広報・PR活動に取り組みたい」
「認知だけでなく、信用度を高める広報・PR活動を行っていきたい」
「起業家という切り口だけではなく、さまざまな切り口から企業を訴求していく必要
が出てきた」
と考える企業が多く見受けられた。
■広報・PR機能を組織として立ち上げる際の人材について~ 4 / 5 が既存社員を登用
<広報・PR機能を設置している企業:25社>
既存社員を広報・PR担当者として置いた:19社
広報・PR経験者を中途採用した:6社
「社内事情に精通している(理解)」「企業や事業に対して思い入れがある(想い)」人材のほうが正確且つ想いがこもった情報発信が出来るという点から、広報・PR機能を立ち上げる際には社内から広報・PR担当者を抜擢する傾向が高い結果となった。
■主な広報・PR業務について(※複数回答)
企業ステージに関わらずパブリシティ(マスメディアでの報道)を重視しているとともに、ブログ・SNSなどウェブコミュニケーションにも積極的に取り組んでいる企業が多く見受けられた。
またスタートアップ期においては、最近はメディアにおいて“起業”“スタートアップ”がトレンドだったり、またスタートアップとメディアとのマッチングが行われたりするなど、さまざまなスタートアップがメディアで取り上げられるようになった。
しかし成長期に入ると一過性・偶発性な取り組みではなく、戦略的・継続的に広報・PR活動に取り組むべく、社内に広報担当者を置き、パブリシティやウェブコミュニケーションをはじめ、各種コミュニケーション活動に取り組もうと考える企業が増えている。
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