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あまりに少ない/見えない、駅での表示・案内板/日沖 博道

INSIGHT NOW! / 2014年12月19日 18時41分

あまりに少ない/見えない、駅での表示・案内板/日沖 博道

日沖博道 / パスファインダーズ株式会社

​世の中にある「折角なのに惜しい!」シリーズ、今回は駅での駅名表示板と乗り換え・出口案内板。いずれもたまに訪れる人に親切とはいえない。

最近の電車は色々と便利かつ親切になっています。その例が、ドア上部にある液晶表示です。「次は○○駅」とか「反対側のドアが開きます」などと、知りたい情報が的確なタイミングで表示されていることに感心します。でも車内が混み出すと、残念ながらこの表示が役立たない場面が増えます。あなたが座る座席の位置次第で、他の乗客に隠れてドア上部の液晶表示は見えなくなります。仮に座席に座らずとも、通路を少し奥に進むと人の頭が邪魔をして、または角度があり過ぎてドア上部の表示は読めなくことが増えてきます。そんな場合、今どの駅辺りに来ているのか、どうやって知ることができるでしょうか。普段通い慣れたルートであれば、外の景色を見るだけで大体見当はつきます。しかしあまり使わない路線で移動するとき、頼りになるのは車内アナウンスと駅ホームにある駅名表示だけです。ずっと注意していれば、車内アナウンスで「次は○○」と知らせてくれますので「ああ、この次の次だな」とか心構えができるのでしょう。でも人間、いつもそんなに周囲に注意を払ってはいられません。本やスマホ、音楽などに注意を取られていて、アナウンスを聞き逃したまま、電車がある駅に止まる。ふと「ここはどこの駅?」と気になって、顔を上げる。ドア上部の液晶表示は見えない。急いで車外に目を移し、駅ホームの駅名表示を探す。でもすぐには見つからない。首をあちこちに動かして駅名を探すけれど、見つからないまま電車は再び動き出す。やがて無情にも、あなたの降りるべき駅の名前が表示された白いプレートが目の前を過ぎてゆく…。一度や二度、こんな経験をされたことがある人は少なくないのではありませんか。少なくとも焦った経験をお持ちの方は多いと思います。残念ながら駅ホームでの駅名表示の間隔は意外と大きく、いざというときに車内から見つけられない程度にしか掲げられていない駅ホームは実は少なくありません。もう1つ、たまにしか利用しない駅で不便に思うことがあります。それは乗り換えや出口などの案内表示板が少ないことです。特に首都圏の地下鉄の比較的古い駅で顕著なのですが、朝方の通勤ラッシュ時間に駅ホームに降りた直後に、どちらの方向に向かえばよいか戸惑うことです。多くの人が向かう方向に流されるようにしばらく歩いた後、案内表示板を見ると逆方向だった、などということはしょっちゅうです。もう少し案内板を多くしてもらえば、ラッシュ時間帯に駅ホーム上をうろうろする人数が多少は減るはずなのですが。普段からその駅を利用するユーザーや鉄道会社の社員の人たちにとっては全く気にならないことかも知れませんが、たまに利用するユーザーにとっては結構困ることなのです。是非、電車内から見やすい位置に多くの駅名表示プレートを掲げることと、駅ホーム上に乗り換え・出口案内板を増やすことを、お願いしたいものです。しかも以上は日本人の観点からお伝えしてきましたが、初めて日本を訪れる外国人観光客にとってはもっと深刻な話かも知れません。彼らは車内アナウンスが聴き取れない、または理解できないケースが大半でしょう。彼らの頼りは駅ホームや駅構内の表示板・案内板です。日本語だけでなくアルファベットでも駅名表示されているケースは増えてはきましたが、先に述べたように表示板の数も限られている上に、文字が小さくて車内からは読み取りにくいことが多いものです。乗り換え・出口案内板には日本語表記しかない駅ホームがまだまだ大半です。是非、英語でも併記すべきです。 円安もあり外国人観光客が急増していますが、現状のままでは戸惑ってしまう人が増えるばかりです。2020年の東京オリンピック・パラリンピックまで時間は限られており、関係者の方々には急ぎ対処していただきたいものです。

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