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プロのサービスに出遭えるとき/日沖 博道

INSIGHT NOW! / 2015年2月26日 14時56分

プロのサービスに出遭えるとき/日沖 博道

日沖博道 / パスファインダーズ株式会社

何事もウェブサイトで済ませることが多くなりがちだが、それがベストの選択につながらないことも実は少なくない。プロに選んでもらうことでベストの選択に素早く到達すると、人は本当に満足できる。

世の中のありとあらゆるサービスにIT(情報技術)が取り入れられ、今やリアル店舗じゃなければできないこと/買えないものは無くなってしまったかのように感じる今日この頃です。しかし、リアル店舗ならではのプロのサービスというものをつい最近体験したので、ご紹介したいと思います。その現場は小生の自宅の近所、JTB日吉店のカウンターです。仕事でニュージーランド(NZ)へ出張することになったのですが、同行するクライアントの担当者の都合で予定が流動的になったため、出発日まで日程の余裕が無くなっていました。東京~NZ間の国際線は便も少ないため、予約できるか少々きわどい状況でした。会社の事務の人に手配してもらうつもりだったのですが、あいにく彼女が休暇を取るタイミングに重なってしまいました。小生はインターネット上でフライトを探して予約するのが不得意という自覚もあり、それをやっている時間もなかったので、「少々割高になるのかも知れないな」と思いながらも、代理店にお願いすることにしました。といっても顔なじみの旅行代理店があるわけではないので、小生自身が何とか週末に時間を見つけて、近所のJTBに駆け込んだという次第です。この時に応対してくれた担当の女性は、席が確保できるかを素早く調べてくれたのですが、悪い予感は的中し、予約に難があることが判明しました。行きの便はビジネスシートが確保できたのですが、帰りのオークランド~成田の便は一日2本しかなく、そのいずれもビジネス席は満杯だということです。ちなみに何時間のフライトかと尋ねると、約12時間との答でした。さすがにこの歳になると、エコノミーで12時間というのは拷問に等しいものがあります。でも仕事です。「エコノミーしか取れないので、今回の出張はキャンセルします」というわけには行きません。仕方ないので、帰りの便はエコノミー席を仮押さえし、チケット発行はキャンセルをぎりぎり待てる月曜夕方にすることとしました。とはいえ今さらキャンセルが出る可能性はかなり低いと分かっていましたので、その週末は気分も少々落ち込み気味でした。帰国直後の予定はキャンセルし、翌週に回すなどの調整をせざるを得ませんでした。明けて翌週月曜の夕方、仕事を早めに切り上げてJTB日吉店に行きますと、前回対応してくれた担当の人は別件で塞がっており、今回は別の方が応対してくれました。彼女に事情を説明し、改めてビジネスシートのキャンセルが出ていないかを確認していただきました。本来の帰国予定の日が無理なら翌日発でも構わないとまで伝えました。しかし結果は、残念ながら2日にわたってキャンセルは出ていませんというものでした。半ば予期していたので、小生は粛々とエコノミーで帰り便を確定させる気になっていました。とはいえ失望が顔に出ていたのかも知れません。ここからが違いました。応対してくれた担当者の方が驚異の粘りを見せてくれたのです。彼女いわく、「同じビジネスクラスでも種類が色々とあり、往路のシートとマッチするものは既に売り切れですが、別種のものが一つ残っているようなので、調べてみます」とのことでした(なにぶんにも素人が聞いた話なので、正確にこんな言い方をしたのかは確かではないですが)。彼女は端末機をカチャカチャと操作したかと思えば、幾つか電話を架けました。多分、ニュージーランド航空の担当者とか、どこかの代理店なのかも知れません。この席を巡ってあれこれと会話をして、何とかそれを押さえる方法を聞き出したようなのです。そして小生にも幾つか確認してくれたのですが、こちらはビジネス席が取れたら御の字ですから、例えば値段がエコノミーの倍程度になるのは全く承知で(むしろオフィスで当初聞いていた見込金額より安いくらいでした)、イエスばかり繰り返していました。結局、このJTBの方は往復の国際線ビジネスシートを当方の希望の便で押さえてくれ、しかも値段は最初の見込よりさらに下がるように組んでくれました。弊社が事前に調べたネット価格と比べると格段に安く収まり、代理店手数料を含めても随分安く収まることになりました(もっとも、こうした出張費はクライアントに実費請求するのですが)。何より重要なのは、国際線のビジネスシートを押さえることで、帰国翌日から仕事ができる見込みが立ったことです。もしユーザーである小生もしくは事務の人がネットで直接ニュージーランド航空のウェブサイトから予約していたら、あれこれと時間を無駄に使った挙句、結局のところ復路はエコノミー席しか押さえることができなかったでしょう。プロの仕事に心から感謝しています。小生の落胆した表情を読み取ってくれた、リアル店舗ならではの経験でした。少し余談を付け足します。実はその前にもちょっと似た経験に出遭いました(リアル店舗ではなくネットですが)。以前このコラムで、某D航空で娘が既存会員番号のオンライン登録に難儀した話をお伝えしました。http://www.insightnow.jp/article/8319その後、小生がヘルプデスクに問い合わせてみると、単純にトップページでの用語の問題で、どこから入るかが一般ユーザーに分かりにくいのと、FAQにも書いていないというウェブサイトの問題でした。ヘルプデスクの女性は簡明かつ適切に教えてくれ、すぐにこの問題は解決しました。でもそれだけだったらある意味、当たり前です。そのあとで小生は、家族3人が固まって席を取れるように手配するため、ヘルプデスクでそのまま、台北との往復便を予約しようとしました。事前にD航空のウェブサイトでは調べてみたのですが、特に往路(成田~台北)が直通便だとあまり望ましい時間帯ではありませんでした。それでもどこか他都市経由便に比べまだましなので、仕方ないと思っていました。するとヘルプデスクの女性はすぐに提携のチャイナエアライン便を含めた複数案を提示してくれ、小生はそれに飛びつきました。自分だけでウェブサイトで直接調べていたら、決して思い付かない選択肢でした。地味ですが、これもプロらしい、実に適切な仕事振りでした。

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