弁護士事務所のマーケティングと営業活動の方法/小笠原 昭治
INSIGHT NOW! / 2015年4月6日 10時2分
小笠原 昭治 / インターアクティブ・マーケティング
プロローグ
弁護士にマーケティングや営業が必要な理由
- 1995年に15,000人台だった弁護士が、2011年には2倍の30,000人を突破
- その翌々2013年には33,000人台となり、年間1,000人以上も増加中
- その一方で、訴訟件数は減少の一途
- 04年は574万件だった新受が、わずか4年後の08年は20%(!)減の443万件
- その3年後の11年には、さらに40万件(!)も減り、405万件
- 人口そのものも、少子高齢化で、2005年をピークに減少中
- 企業数も、86年の535万をピークに、-150万(!)の385万まで減少
- 今後も、依頼人(個人と法人)が減り続けること必定
これこの通り、司法統計によると、仕事は20%以上も減っているのに、弁護士は、2倍以上も増えています。
(これらのデータ -市場の動き- を知ること自体が既にマーケティング)
しかも、弁護士には定年がありませんから、高齢化で、お歳を召したベテラン弁護士が、既存客を抱えたまま、増えていきます。別な意味での少子高齢化
- 少子(顧客の母数になる人口が減少中)と、
- (弁護士の)高齢化
です。
- 増える弁護士
- 減り続ける仕事
- 限られたパイの奪い合い
- 仕事を獲得できる弁護士だけが生き残る
競争時代が到来しました。弁護士の仕事が、法律相談や、法廷闘争の弁護人なのは、
依頼が舞い込む弁護士の話
で、仕事がなければ、弁護士活動よりも先に
仕事を取ることが仕事
になります。ぶっちゃけ、営業活動です。
「え!営業マンになるために、弁護士になったんじゃない!」
と思われるかもしれませんが、弁護士といえども、
役務の報酬として受け取った代金の中から給料が出る
普通のビジネス(仕事)と同じ。つまり、弁護活動よりも、先ず
仕事(依頼)ありき
であることはお分かりになるでしょう。
「いーや!弁護士事務所を開けば、黙っていても、依頼が入ってくる」
と信じて待ち続ける弁護士の先生は、収入より支出が上回り、いずれ廃業か、借金まみれ。
仕事がなくて倒産、廃業(転職)するのは、どんな職業も一緒です(公務員など一部の例外を除く)
何の職業にも通じますが、資格や、プライドだけじゃ、もう、メシ食えません、仕事があってメシを食えるのは、すべての職業に通じます。では、
先生は、営業の方法を、ご存知ですか?
YES!知っているよ
NO!知らないな
もしかして、判例や六法は、夜の目も寝ずに、一生懸命、勉強してきたけれど、売り方や、商品づくりの勉強は、丸っきり、してこなかったんじゃありませんか?
ここから本編が始まります。
読み終わるまで10分少々かかりますので、ブックマークしておくなどして、時間がある時に、ごゆっくりご覧ください。
【目次】
- プロローグ/弁護士にマーケティングや営業が必要な理由
- 第一章/弁護士業は一般の接客業と同じサービス・マーケティング
- 第二章/お金さまよりもお客さまの経営(マーケティング・マネジメント)を
- 第三章/弁護士は誰と顧客を奪い合うのか?マーケティング戦略の基本3C
- 第四章/弁護士のマーケティングのゴールは、事務所ブランドの確立
- エンディング/弁護士事務所の営業方法は、正しい接触を続ける長期接触営業戦略
第一章
『弁護士業は、一般の接客業と同じ、サービス業だった』
先生と呼ばれる職業だけに、弁護士は、頭を下げて
「仕事ください」
なんて、口が裂けても言いたくない!
のが本音でしょう。
大丈夫ですよ♪
頭を下げるだけが営業じゃありませんし、それどころか、弁護士が、頭を下げて営業するのは、かえって逆効果。世間の常識外です。
では一体、弁護士は、どうやって営業すればいいのでしょうか?
- 紹介?
- 飛び込み?
- 電話アポ?
- 広告?
巷間よく言われるように、ホームページを作るのも良いでしょう、
百万円以上の予算があるならば
の話。
100万円と聞いて驚きました?いやさ、よくよく考えてみて下さい。
新規客を獲得するホームページ作りが得意なサイト制作会社は、数十万円ていどじゃ請けません(そんなスゴいホームページを作れるんだったら、黙っていても、発注が殺到します)から、
初期費用だけで百万円以上かかる
のが普通です。
金の卵を産む、金の鳥を作ってくれるホームページ制作会社ですよ?
そこから得られる売上や利益に比べたら、100万円の初期投資なんて、安いものですよね?
(え?高いって?先生、あなた、年間いくら売り上げたいんですか?)
ちなみに筆者、サイト制作会社の回し者じゃありません、事実を申し述べているダケです。
インターネット上で、新規客を獲得したいのでしたら、ホームページを作る初期費用に、最低でも百数十万円。
そうやって公開されている大手弁護士事務所のサイトは、検索エンジン対策(SEO)にも余念がありませんから、それらのサイトと戦って勝ち上がらなければ、上位表示されません(アクセスがありません)ので、初期費用に加えて、
ウェブマスターの運営費や、リスティング広告費に、月々数万円~数十万円ずつ払い続けられるのなら、ホームページを作るのも良いでしょう。
TVCMも反響ありますよ。キー局なら、制作費を含めて、一千万円は下りませんが。
そんな資金は無いって?
でしたら、ホームページを作るとか、広告を出すといった戦術論よりも先に、一旦は俯瞰して、戦略から考えてみませんか?
経営と営業の
中間に位置するマーケティング戦略
です。
それでは、先ず最初に、弁護士業の特徴を整理してみましょう。
4つあります。
- 弁護士のコンディションによって、役務の質は変動するため、365日24時間、均一の質を提供するのは難しいこと
- 色も形も匂いもなく、目に見えにくいため、依頼前に良し悪しを確かめるのは困難で、依頼してみて初めてわかる無形物であること
- 姿かたちが無いため、弁護士の役務を貯蔵してストックしておくのは不可能であること
- 製販在(作って在庫して売る)三段階に可分できず、役務は不可分に行われ、対価の姿かたちが残りにくいこと
以上のように、
弁護士の仕事は、ごく普通のサービス業
で、弁護士は、法曹なる特殊な専門業である以前に、
金融、人材、風俗、娯楽、警備、教育、情報、政治、運輸、病院、保険、証券、旅行、コンサルタント、通信、飲食、ホテル、広告、旅館、理容と同様に、
サービス(無形物)を売って代金を頂く
仕事です(飲食店や歯科医院も、突き詰めれば、サービス業)
弁護士の仕事である役務を、英語に訳せば、サービスですよね?
弁護士の仕事は、サービス
大事なことなので、繰り返します。
弁護士はサービス業
弁護士はサービス業
弁護士はサービス業
3回も繰り返せば充分でしょうか(笑)
つまり、サービス業の自覚なく、これまでの「弁護士の先生は偉い」という世間の常識にあぐらをかいて、
「弁護士は、難関の試験を突破した者だけが就く、特殊な専門業だ!」
「弁護士は偉いんだ!」
と威張り、ふんぞりかえって、相談者の話を聴かずに、言いたいことだけを言い放つ弁護士は、人が寄り付かずに、廃業やむなし(-人-)チーン。
冗談はサテ置き、時代は着実に移り変わっていますから、時代から取り残された遺物が淘汰されるのは自明の理。
では、先生は、淘汰される側ですか?それとも、生き残る側ですか?
- 淘汰される側です(就職先を探します)
- 生き残る側です(弁護士を続けます)
第二章
『お金さまよりもお客さまの経営=マーケティング・マネジメント』
弁護士は、誇り高き職業という弁護士業界の常識から、一旦は離れて、世間の常識へ目を移して眺めてみると、おそろしいことが分かります。
弁護士業は、料金が、ベラボウに高いと思われているようで(=価値よりも、価格のほうが高いと思われているようで)、人力検索ハテナの
Q.弁護士についてのあなたの「印象」「イメージ」などを聞かせて下さい。
(http://q.hatena.ne.jp/1260506028)
によると、
- お金が好き
- お金にこだわりすぎる
- お金の価値を知る人が多い
- 仕事で利用したが高い
- お金のある人間には媚を売るけど、お金のない人間には傲慢
これこの通り、「弁護士は誇り高き職業」という弁護士自身のセルフ・イメージと、世間のイメージには、かなり温度差があるようで、とりわけ、
お客様よりもお金様を尊ぶ人達だと思われている
ようです。拝金主義者ですね。
「違う!守銭奴なんかじゃない!」
と否定したくなるでしょう。
これじゃ、警戒されて、売れるものも売れにくくなります。尊敬されているけれど、警戒されてもいる。
しかし、これが世間の見立てですから、
弁護士事務所は、利益至上主義
だと誤解されているのであれば、その誤解を解かなければなりませんね?
では、どうやって?
答えは簡単♪
おカネさまよりも、
お客さま重視の経営(マーケティング・マネジメント)
にすることです。なぜなら、相談者は、弁護士に相談したくて、あるいは、法律を知りたくて相談するのではなく、
悩みを解決したくて、お金を払う
のですから、悩みの表層のみならず、核心へ至るべく、とことん話を聴かないことには、始まりませんね?
人様の話を、徹底的に聴く。マーケティング・リサーチ(定性調査)です。
マーケティングは、リサーチに始まり、リサーチに終わります。
「法律の相談が、調査になるもんか」
と思ったら、甘い(笑)甘い。
ビジネスのヒントは、人様の何気な~い会話の中に潜んでいるものですよね?無人島ではビジネスが成立しませんから。
(だから、グループインタビューでは、できる限り、インタビュイイーをリラックスさせるように心がけます)
もっと分かりやすくいえば
「専門用語は、判事や検事などの業界関係者同士で使ってください。こちとらシロウトですから、専門用語を並べ立てられても、理解できません」
ということです。
もしかしたら、先生のサイトは、
- お堅くて
- 専門用語だらけで
- かっこよくて
- 人間味に乏しくて
- 理解にしくい定価が載っている
サイトじゃありませんか?それはそれで構いませんが、それって、
お客さんから「こういうホームページが見たかった」と評価されるサイト
ですか?(顧客視点で作りましたか?)
もしかしたら、サイト制作会社と打ち合わせて、内輪で考えた、主観的なホームページじゃありませんか?
それで売れるなら、問題ありませんけれども、ね。
そもそも、需要と供給のバランスが取れているときは、どんな商売であっても、売りたいものを売るだけで、買う人がいました。
自分が売りたいものや、作りたいものを売るマーケティングを、プロダクト・アウト・マーケティングといい、製造業で通じるマーケティングです。
しかし、商品が目に見えにくいサービス業ですと、プロダクト・アウト・マーケティングが通じませんから、
「依頼人の意見なんか、知ったこっちゃねえ。法と、正義と、当事務所の都合に、従ってもらうワ」
と言い放つ弁護士は、マーケティングのセオリーからすると、よっぽど高名でもなければ、苦戦を強いられることになります。
サービス業に通じるのは、売りたいものを売るのではなく、売れるものを売るマーケット・イン・マーケティング。
まず真っ先に顧客の意見を聞き、
お客さんが買いたいサービスを売る
サービス・マーケティング(コトラー教授が提唱した、マーケティングの7P)です。
わかりやすく一例を出せば、先生がしゃべるのではなく、依頼者の話をジックリ聴けということです。黙って聞くだけですから、簡単でしょ?
聴く。これって、営業の極意
でもあります。得意な何かしゃべるよりも、聴くほうが難しいものです。
マーケティングは、リサーチに始まり、リサーチに終わりますから、先生や、法曹界の主観ではなく、客観的に考え、客観的に伝え、その価値に見合った価格であることを、わかりやすく提示しなければなりません。
もちろん、価値が高ければ、価格も高くて構いません。むしろ、価格を高めるために、価値を高める必要があるくらいです。
そこで質問。依頼人から見た「弁護士の価値」とは何でしょう?
先生の弁護士事務所には、どんな価値がありますか?
と~っても大事な質問なので、自問自答してみてから先へお進み下さい。
(30分間、休廷します。ここで読むのを一旦ヤメて、どんな価値があるか、お考えになってみて下さい)
- ___
- ___
- ___
さて、考えましたか?
あれ?
弁護士事務所の営業方法を知っているかどうか?の質問にも答えず、弁護士の価値とは何か?にも答えずに先へ進むんですか?
(答えられなけりゃ依頼なんか来ませんよ?戦略が無い - どんなに立派なホームページを作っても先生の魅力が掲載されていない - 証拠ですから)
第三章
『弁護士は誰と顧客を奪い合うのか?マーケティング戦略の基本3C』
さて、第二章では、マーケティングを考える上で避けては通れない「価値」について触れました。
お客さんにとって価値のないものは、売れませんからね。
たとえば、男性は、生理用品を、絶対に買いませんでしょう?(買う変態が、いるかも知れませんが。変態にとっては、価値があるでしょうから)
マーケティングは「まず価値ありき」であることを念頭に置いて読み進めて下さい。
次に、第二章では、マーケティング戦略の基本といわれる3C(Company,Customer,Competitor)の中から、ライバル(Competitor)について考えてみましょう。
1.誰と仕事を取り合うのか?
弁護士が仕事を取り合うライバルは、同業の弁護士だけじゃありません。
よ~く考えてみて下さい。何か法的に困った出来事が起きたとき、いきなり
「弁護士に頼もう」
と一般人は思うでしょうか?
(少なくとも筆者なら、いきなり弁護士へ相談しようとは思いませんな)
まずは、
- インターネットで、解決方法や事例を調べたり、
- 友人や、会社関係の知人へ相談したり、
- 親兄弟へ相談したり、
- 公的な機関の無料相談窓口へ打診してみる
といった身近なところから始めると思いませんか?つまり、
- 依頼人の友人や親兄弟
- 会社関係の知人
- 市町村等の地方自治体および消費者センター等の公的機関の相談窓口
など、
依頼人を取り巻く全ての人脈が競合
になります。
人脈が競合ですから、仕事の依頼は、
紹介が多い
わけです。人づて、ですね?
ということは、弁護士同士が依頼人を取り合うよりも、
弁護士と紹介者が依頼人を水面下で取り合う
と言い換えても良いでしょう。
つまり、仕事は、あるんです。ただ単に、他(ライバル)へ流れているだけの話です。
人口や企業数が減り、日本という市場が小さくなっているのですから、これからの時代は、ライバルとの仕事の奪い合いになります。
その争奪戦に、勝つか?負けるか?の戦いになります。
法廷で勝つか?負けるか?よりも先に。
2.いつ受注機会が生まれるのか?
弁護士の仕事は、いつ発生してもおかしくありません。いつ依頼されるか(今日か?半年後か?二年後か?五年後か?)予測不可能です。つまり、発生したとき、
あの弁護士の先生へ頼もうと想起してもらえる
ようにしておかなければ、他の人脈に仕事を取られてしまいます。
これを、マーケティングでは、想起商品群(第一想起や助成想起)といいます。
では、先生の弁護士事務所は、何かあったら思い出してもらえるようにしていますか?
具体的に三つ挙げてみて下さい。
3.なにを比較されるのか?
目に見えない無形商品を売るため、サービスの可視化によって、良い商品である質を見せる必要があります。
それは、弁護能力の以前です。
他業界の歯科医院を思い浮かべながら比べてみてください。
【成功事例は異業種から学ぼう】
- サービスの可視化の良い例 vs サービスの可視化の悪い例
- きれいで快適な歯科医院 vs きたなくて居心地の悪い歯科医院
- 明るくて入りやすい玄関 vs 暗くて入りにくい玄関
- センスのいいスリッパ vs 病院のように無機質なスリッパ
- 優しげな受付の女性 vs 出迎えの一言も無し
- 親身になって痛みを訊いてくれる気づかい vs 言いたいことを封じる(患部が伝わりにくい)プロフェッショナル
いかがでしょう?
この歯科医院の例は、拙著「あなたが会社の利益を殺す犯人だ?」に書いた例そのものですが、もしかしたら、先生の事務所も、可視化の悪い例に当てはまっていませんか?
だとしたら、即刻!リニューアルすることです。弁護能力とは無関係に、
「あそこの弁護士はダメだ」
との烙印を捺されてしまいますよ?
なぜなら、初めて依頼する人は、
この弁護士事務所で大丈夫かな?
との不安や
ちゃんとやってくれるのかな?
との不信や
この法律事務所じゃダメかも?
との不確実な思いを何となく感じています(これをマーケティングではFUDといいます)
ですから、弁護士としての能力が、高いか?低いか?よりも先に、
親身になってくれるか?ぞんざいに扱われないか?
と細かい部分まで観察します。
誰にだって多少の観察力はありますからね。たとえば、ブッ散らかった事務所ですと仕事に対してもズボラだと思われるように。
先生が、ご自分に最も興味があるように、依頼人は、自分を大切に扱ってくれるかに最も関心あります。
はて、先生は顧客を大切にしていますか?
しているとしたら、どう大切にしていますか?3つくらい、挙げられますよね?
3つだけでイーんです。さあ、挙げてみて下さい。
- ______
- ______
- ______
第四章
『弁護士のマーケティングのゴールはブランドの確立』
弁護士の資格が、クライアントにとっての魅力=仕事のタネでなさそう……なことは、徐々にお分かりになってきたと思います。
結婚相手を探す人にとって弁護士は魅力的な職業かも知れませんが、弁護の仕事を依頼するとき、
弁護士が法律に詳しいのは当たり前
ですから、弁護士であることは何の魅力にもなりません。
隣の弁護士だって、弁護士バッジをつけてます
から、
「なんでアンタに頼まなくちゃならんの?」
ということになります。
「その理由は?」
(10秒間で答えてください。これをエレベーターピッチといいます)
先生に頼む理由______________ 他の先生じゃダメな理由______________
答えましたね?では、大事なことなので、もう一度。
依頼人にとって、弁護士であることは何の魅力にもならない
のですよ。弁護士バッチに誇りをもつ先生の中には、衝撃を受けた先生もおられるでしょうが、結婚する相手としての弁護士と、弁護を依頼する弁護士の評価基準は異なります。
ならば、依頼人にとって、弁護士の何が魅力になるのでしょう?
テレビに出演してから知名度がアップした弁護士といえば、顔の浮かんでくる弁護士は何人かいると思いますが、金太郎飴のようにドコを切っても同じ顔がでてきそうな弁護士に、
人間性や人柄
を付加することで理解を深め、その結果、人気を博したことはご存知の通り。
つまり、弁護士として十把一絡げにされることなく、誰でも(国選でも)いいから「弁護士に頼みたい」ではなく、
弁護士の○○先生に頼みたい
と言わしめるのが弁護士のマーケティングのゴールです。
横並びになりがちな弁護士業の付加価値(差異性・利便性・優位性)は人格です。
そうなれば、事案が発生したとき、必ず
「○○先生に頼もう」
となり、仕事が入ってきます。
人は、やさしくしてくれる人と付き合いたいものです。
尊敬できる人と付き合いたいものです。
頼もしい人と付き合いたいものです。
正しい考え方の人と付き合いたいものです。
では、先生は、どんな人でしょう?
その魅力を高めるために、法律の知識に磨きをかけるよりも、
人物に磨き
をかけませんか?先生の法律事務所に磨きをかけましょう。
そして、それを、
伝える
のです。それが、弁護士事務所の営業の方法です。
先生の魅力を伝えることが営業であって、頭を下げることが営業ではありません。
大事なことなので、もう一度。
先生や法律事務所の魅力を伝え、法の問題が発生した時、
依頼先として覚えていてもらうことが弁護士の営業活動
です。決して頭を下げることではありませんよ?
エンディング
『弁護士事務所の営業方法は、正しい接触を続ける長期接触営業戦略』
歯科医院を例示するまでもなく、サービス商品は、いつ需要が発生するか?次回もウチへ頼んでくれるのか、まったく予想つきにくい、
不規則品(イレギュラーグッズ)
です。
なので、不要なとき(弁護士へ依頼する案件がないとき)に営業しても、断られるだけです。
新規の営業で「断られてからが勝負」といわれるのは、
- 「今は不必要」だけれども、しかーし!
- 「いつかは要る可能性がある」から…で!
- だ・か・ら・「断られたからといって、簡単に諦めるな」
という意味です。決して「しつこく売り込め」という訓えじゃありません。「いつかは要る可能性がある」のですから、
- その「いつか」に備えるか、
- いつか…なんて無視
どちらにしますか?という経営判断になります。
現実には、
いつか…なんて無視
という後者の営業戦略が圧倒的に多く(これを狩猟型営業といいます)
- いま受任できなければ、その相談者は、もう相手にせず、
- いま受任できそうな相談者のみ相手にする(契約を結ぶ)
のが昔から主流の営業活動です。
今すぐ売上を頂くには、今すぐに受任できそうな見込み客の探索から始めますから、広告費に多額の予算を投下するか、一日中アポとりまくりのハードな営業になることは、お分かりになるでしょう。
まるで、船を出して魚を一網打尽にする漁師のように、広告を出して、見込み客を一挙に獲得する漁業型の営業や、
獲物を追い求めて、山野を駆け巡る猟師のように、飛び込みやアポで、新しいお客さんを追い求める林業型の営業を選ぶのであれば、それはそれで構いませんが、
いつ需要が生じるか予測が困難なイレギュラー品
であっても
「いつか…なんて無視」
する営業でいいんですか?ってことです。
ずっと覚えていてもらって、頭を下げずに営業するには、
正しい接触の繰り返し
あるのみ!
(堅苦しい「事務所通信」などを郵送して、やっている気になっているだけの、
誤った接触を継続している
弁護士事務所は多いようですが>>>有名店でランチに何を食べたとか、法律の用語を解説したって、読まれませんって)
筆者のクライアントの中には、年商三千万が、数百万まで落ち込み、思い悩んだ末に、接触営業を取り入れ、一年後に、三千万へ戻した士業の個人事務所があるくらいですから、正しく接触していれば、絶ッ対に間違いありません。
本稿では、マーケティングの中の、プロモーションの中の、営業活動の中の、ほんの一部に触れるのみでしたが、主題は尽きました。
では、ご検討を祈ります。
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