コンテンツマーケティングを成功させる三本の矢→紹介→解決→SEO/小笠原 昭治
INSIGHT NOW! / 2015年9月9日 7時0分
小笠原 昭治 / インターアクティブ・マーケティング
1.自らの価値を知るところからコンテンツマーケティングは始まる
シリーズ第1弾 http://www.insightnow.jp/article/content1 より続く
突き詰めると、コンテンツマーケティングは、
価値をコンテンツ化してインターネットに載せること
ですが、そこで問題。
あなたは何屋さんで、どんな価値を売っているんですか?
ということです。
まさに、マーケティングですね(コンテンツマーケティングの名に相応しく)
旧JR(国鉄)よろしく、鉄道会社は、鉄道を運営するのが価値だと思っていれば、
乗客の快適な旅
に価値があるとは思わないでしょう。それは「旅行会社の領域だ」と。
道理で、その昔、窓口の国鉄職員と、激しく口論したわけです、筆者(笑)
確かに、鉄道に乗って、移動できれば、それでいいという人もいるでしょうし、貨物を輸送できれば、それでいいという企業もあるでしょう。
戦後の混乱期にあった日本や、発展途上の国々では、移動や輸送そのものが価値です。
しかし、価値観が多様化してくると、
お金を払ってもいいから快適に旅したい
とか、絵画や彫刻のように、ただ運ぶのみならず、
傷ひとつ付かないように運ぶ
のも価値になります。
そうなると、自分の満足を得られるなら、鉄道へお金を払わなくても、航空機でも、自家用車でも、レンタカーでも、バスでも、自転車でも良くなります。
そうして、お金を払ってくれるお客さんが、鉄道から離れていきます。
このように、自社が、何屋なのか?どんな価値を売っているか?は重要な判断で、これを
ビジネス・ドメイン(事業領域)
といいます。
2.コンテンツマーケティングを成功させる第一の矢『検索エンジン対策』
鉄道を運営するのがビジネス・ドメインだと思えば、
- 車両構造について
- レール幅について
- 蒸気機関について
等々、鉄道ファンが好みそうな、鉄道の話題について記事を書くでしょうし、
それとは別に、旅の楽しみに価値があると考えれば、鉄道とは無縁な、
- 駅弁
- おすすめ観光地
- ご当地グルメ
このように、書くコンテンツが、ぜんぜん異なりますね?
「おいおい、鉄っちゃん市場をナメてもらっちゃ困るぜ。100万人もいるんだ」
という意見もあるでしょうが、
「JRに乗るのは、鉄道ファンだけですか?」
「コアなファンへ向けた情報発信は、鉄道雑誌の領域じゃありませんか?」
ということです。
このように、自社のビジネス・ドメインを、どう定義づけるかによって、発信するコンテンツが一変します。
なので
あなたは何屋さんで、どんな価値を売っているんですか?
という問いに、どう答えるか?いかんによって、どのようにコンテンツマーケティングを駆使するか決まります。
さて、ご自分が販売している商品(豆腐屋さんなら豆腐)の価値を調べ尽くし、事業領域を定め、準備が整ったとしましょう。
10記事くらいは、順調に書ける(ネタがある)ハズです。
書く内容によって、キーワードも出現率も変わってきますから、検索エンジン対策(SEO)を念頭に書いて下さい。
(SEOの詳細については、膨大なボリュームになりますのと、解説しているサイトが他に沢山ありますので、ここでは割愛します)
3.コンテンツマーケティングを成功させる第二の矢『コンテンツ』
10記事くらい書いたあと、続けばいいのですが、ネタ切れになって続かない時、何を書けばいいのでしょう?
その解を求めて検索してみると、コンテンツマーケティングには、
- クオリティの高いコンテンツ
- 魅力的なコンテンツ
- キラーコンテンツ
が必要不可欠であると、コンテンツマーケティングを推奨する全てのサイトに載っています。
もちろん、その通りですし、諸手を挙げて賛成しますが、ぶっちゃけ、
「キラーコンテンツなんて、そうそうカンタンに、ポンポン書けるもんか!」
と、ぐちの一つも言いたくなる(笑)のが本音ではありませんか?
そりゃそうです、そんな記事を、20記事、50記事、100記事、300記事と続けて書くなんて不可能です。
でも、大丈夫ですよ♪
コンテンツを文章に限っていえば、本を書くのと同じですから、
出版を意識して
書いてみて下さい。
“第二の矢”コンテンツの書き方5-1『出版を意識して書く』
書店の棚差し定番にありがちな、
- ○○○入門
- ○○○の手引
- ○○○の方法
- ○○○術
- ○○○の知識
- ○○○論
- ○○○の基礎
- ○○○ガイドブック
をイメージして書いてみて下さい。プロフィールひとつとっても、アマゾンに載ることを想定して(信頼を得られるように)書くはずです。
のっけから本一冊ぶん書こうなんて気負わなくても大丈夫。塵も積もれば山になります。
たとえば、3日に1日、400字詰め原稿用紙を1枚書くとすると、1ヶ月で、原稿用紙10枚になります。
それを、月1回づつ公開しながら、3~4年間、書き続けると、本1冊分になります。
本1冊分になったら、Amazonダイレクト・パブリッシング
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/130/130710/
でしたら誰でも出版できます。
もしかしたら、他の出版社さんから、お声がかかるかもしれませんよ?
“第二の矢”コンテンツの書き方5-2『推敲に時間をかける』
出版を意識する理由は他にもあります。
1)一貫性をもたせるため
2)雑文にしないため
3)推敲するため
です。本一冊のテーマが一貫していなければなりませんし、専門性が必要ですし、何度も何度も校閲しなければなりません。
商業出版の校正・校閲は厳正で、出版社の中には、ウィキペディア(個人の書き込み)を事実校に採用しない校閲のプロがいるくらいです。
そうして、推敲を重ねたり、校閲を繰り返すことで、時には全文を入れ替える等、だんだん魅力的な文章になり、いずれ、あなただけの個性あるコンテンツになります。そんなモンですって。
なので、是非とも、出版を意識して書いてみて下さい。
“第二の矢”コンテンツの書き方5-3『問題を解決するか、欲求を満たす』
ご存知のように、インターネットは、情報収集(問題解決)のための媒体ですから、あなたが持つ(商品の)価値で、想定読者が抱える
問題を解決する
記事を書けばいいんです。そのためのインターネットですからね。- 知識欲を満たしたい。知りたい
- 成長したい。変化したい。より良くなりたい。
- 肯定したい。分かち合いたい。認めてもらいたい。
- 仲間が欲しい。所属欲を満たしたい。
- 感動したい。いい物語に触れたい。
- 癒されたい。救われたい。
人の欲求に関してはウィキペディアに詳しく。
“第二の矢”コンテンツの書き方5-4『買う側の視点で書く』
問題は「シロウト向けの知識なら、他のサイトにも書いてある」ということです。
他と同じでは、差別化になりません。
でしたら、プロ(あなた)の目線ではなく、シロウト(お客さん)の目線で書くだけで、ぜんぜん別物になります。
たとえば筆者は、4P'sやSTPに代表されるマーケティングを、『顧客の十戒』にまとめました。
顧客の十戒
で検索してみて下さい。検索結果の一番上に、筆者のサイトが表示されます他に、沢山のサイトが検索されます。
「売りたい」という気持ちを、「買いたい」という気持ちへ置き換えた時、真逆の文章になることが、お分かりになるでしょう。
オズボーンのチェックリストでいうところの「逆さにしてみる」ですね。
“第二の矢”コンテンツの書き方5-5『ありそうで無かった切り口を書く』
このように、コンテンツに魅力をもたせるには、
ありそうで無かった切り口
で書いてみて下さい。
が参考になるでしょう。
客観的になると(主観を捨てると)、思い込みから開放されるためでしょうか、我利から開放されるためでしょうか、新しい切り口が見えてきます。
それでも、どうしても書けない場合は?
ライターさんに書いてもらうか(もちろん有料)、みんなが投稿できる参加型のサイトにして、第三者に(無料で)書いてもらうことです。
4.コンテンツマーケティングを成功させる第三の矢『被リンク』
クオリティの高いコンテンツが出来、SEO対策も万全に整った…だけでは爆発的な反響を見込めません。
たとえば、先の例の顧客十戒。
最初に公開したのは、発行部数3,000部のメルマガでした。まぐまぐから発行されていますから、SEOは万全。
ビジネス書にも載りました。(顧客の十戒を有名にした一冊というレビューも)
また、ツイッターの商用利用を推奨している方々のツイートでも広がりました。
さらに、誰でも社名を知っている大企業の広報誌にも載りました。
複数の大企業の広報誌に載りましたから、発行部数を合算すると、数万部以上。
いわば、それなりに、反響がありました。
ところが、その3年後の年末、
一人のインフルエンサー(Web上で強い影響力を持つ個人)が、facebookで紹介
した瞬間、爆発的に拡散し始めました。弊社ホームページの訪問者数も急増しましたし(12月まで700人台→1月から1,000人台/日)
「コンテンツを使わせてもらっていいですか?」というメールも増えました。
有名税よろしく、この頃から、筆者の氏名が固有名詞化してきました。たとえば、
「小笠原昭治の顧客十戒が、毎日毎日、FBのメールで届いて、ウザイんだが」
というブログの書き込みや、
「小笠原昭治のメルマガ読んで思ったナウ」
といったツイートが散見されるようになりました。
呼び捨てというよりも、タレントのように、固有名詞化し始めたといっていいでしょう。
こうした状況を見た知人から、
「そんなキラーコンテンツを持っていて、うらやましい」
と言われますが、キラーコンテンツではありません(筆者サイトの人気記事ベスト10にも入っていません)から、インフルエンサーがいなけば、宝の持ち腐れ(笑)になるところでした。
これは
「良いものが売れるとは限らない。売れるように売らなければ売れない」
という“マーケティング”そのものですね。
5.コンテンツマーケティングを成功させる三本の矢『まとめ』
まとめますと、クオリティの高いコンテンツが出来、SEO対策も万全に整った…からといって充分ではなく、インターネット上で強い影響力を持つ個人(インフルエンサー)からリンク
してもらって、はじめて、訪問者が殺到します。
たとえて言うと、Yahoo!ニュースにリンクが貼られるような爆発力といえば、お分かりになるでしょう。
確かに、ある程度のコンテンツの質こそ問われますが、他に、
- メルマガの媒体力でもなく
- 広報誌の向き不向きでもなく
- ツイッターの伝達力でもなく
紹介
が起爆剤であることは間違いありません。人脈の“質”と“量”で成否が決する
と断言していいでしょう。そりゃそうですよね、コンテンツを読んで、リンクを貼るのは、人間ですから。WEB上で、人脈の量を増やし、人脈の質を高めておく
ようオススメします。外部リンク
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