チームビルディングシリーズ:安全な場2 「チームを機能させる要件」/斉藤 秀樹
INSIGHT NOW! / 2015年10月6日 11時31分
斉藤 秀樹 / 株式会社アクションラーニングソリューションズ 一般社団法人日本チームビルディング協会
チームの本質は、多様性(異なる価値観、経験則、強み、弱みなど)が生み出す
エネルギーを、チームが直面する課題を克服するためのチーム力
(問題解決/ブレークスルー)に変換する器であり、仕組みです。
このチームが持つ本質的な仕組みは、ただ人が集まって集団を作れば始動する
というものではありません。
それはこれまでの話や皆さんの身の回りの組織の状態から推察いただける
ものと思います。
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チームが持つ機能
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この課題を克服するためのブレークスルー機能の源泉は多様性、つまり
個々のメンバーが持つ個性や違いそのものです。
そしてこの個性を端的に表現する方法が「本音で語る」「本音を語る」
ということなのです。
しかし、本音を言うことと「好き勝手何でも言う」ことが同じだと勘違いする方がいますが全く違います。
本音の前提は「チーム目標を達成するため」です。そのために有効なことは何でも言う、ということです。
その上で「安全な場」によって本音を語る。価値のない本音、馬鹿げた本音は存在しません。
そう考えることそのものがハラスメント(差別意識)です。
そして本音を語ることは、それぞれのメンバーの個性を磨く機会にもなります。
この機会や場が無ければ個性を磨く機会も失われ、メンバーは没個性化し、提案や新たなアイデアを
求められても画一的な発想の域を出ない。それは、個々の能力が低いのではなく、個性を磨く場、その
ものが無いからです。
昔、様々な話題で熱く語りあった時代がありました。その頃、皆個性的でした。日本が元気だった時代で
す。
こんな会議風景を良く目にします。
・会議の議題はリーダーが決め、特に事前説明もないまま会議が始まる。
・出席者は議題のタイトルは分かっているが、何が目的の会議か漠然と
したまま参加する。
・リーダーが一方的にミーティングを進行する。
・時々、意見を求めるがほとんど意見が出ない。
・出たとしても発言者はだいたい決まっている。
・議題の結論はほとんどの場合、リーダーや一部のメンバーの意見で決定される。
・メンバーの中には発言しようと考えている者もいるようだが、
結局発言できずにミーティングは終了する。
・そもそも、ほとんどのメンバーは、発言する気すらない。
さて、
「このミーティングは個性を磨く場になっているでしょうか」
「安全な場はあるでしょうか」
「創造的な問題解決の場になっているでしょうか」
「このミーティングの価値とは何ですか」
この会議風景がすべてを物語っています。
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◆「安全な場」創りの意義
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頭の中で創るものではありません。自分自身の行動や言動、表情すらも場を創る要素です。
「安全な場」創りには重要な2つの要素があります。
1つは表現(言葉、表情、行動、態度、姿勢)
もう1つはチーム規範(チームとして全員が取り組むこと)です。
チーム規範については「チーム意識」の記事でお話ししていますので割愛しますが、この取り組みは
安全な場創りに大きな貢献をします。
重要なことはリーダーだけが頑張るのではなく、チーム創りは全員のミッションであることをしっかり共有
することです。チームに関わる者はチーム創りに無責任ではならないのです。
そして、その取り組みが自己成長に繋がるものです。そもそもチームは成長のための器なのですから。
私たちの日常的なトラブルの多くがコミュニケーションギャップによるものです。この取り組みによって
自分自身にできるポジティブな取り組みが習慣化すれば、自ずとトラブルを起こす可能性が低くなりま
す。
トラブルが起こってから対応するのはとても労力が必要なことです。
ですから、まずはトラブルを起こさない行動様式を身に着けることです。また、コミュニケーションが円滑
に行われることで業務効率も各段に向上していきます。
次回、コミュニケーションを変える具体的な取組についてお話します。
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