実行するビジネス・パーソンは何が違うか ①驚いてしまう、業績に対する役割意識の低さ/猪口 真
INSIGHT NOW! / 2015年11月10日 15時7分
猪口 真 / 株式会社パトス
今年(2015年)は、かなりの企業において好業績を出している模様だ。
弊社調査だが、日本のビジネス・パーソンの1000人の管理職以上の方々に聞いた結果(社員の10人以上の企業に勤める東名阪の主任以上のビジネス・パーソン1000名のアンケート調査、協力:クロスマーケティング)によると、勤め先の会社が今期(先期)減収だと答えたビジネス・パーソンが約20%だったのに対して、約45%のビジネス・パーソンが、増収もしくは増益だったと答えている。
(うち約半数が単年度では、増収増益だと答えている)
円安による利益率の向上、東南アジアの好調な経済など、外部の要因を上げる人も多いが、同じ条件の企業間においても、大きな差がある場合もあるし、同じ会社の中でも、好業績の部門とまったくだめな部門が存在することもある。
もちろん、企業としての戦略の差や企業自体の能力・体力の差も大きい要因となるが、ここでは、仕事をするビジネス・パーソン自身の意識やモチベーション、行動力・実行力の観点から考えてみたい。
同じ調査結果によると、まず驚いてしまったのが、主任以上のある意味企業の中心となる人材であるにもかかわらず、「あなたは、業績を伸ばすための役割を担っていると感じているか」という質問に対して、「いいえ」もしくは「わからない」と答えたビジネス・パーソンがなんと約40%も存在したことだ。なんと4割!
管理部門のオペレーション業務で、直接的な業績に関係ないと答えた人もいるだろうが、会社の業績は何も営業やマーケティング、購買や生産だけが担うものではない。
管理部門であれ、重要なバリューチェーンの一環を担っているのであり、その意味を理解し、能力を持っているからこそ、主任以上の役職を与えられているのではないか。
どんな仕事であれ、業績に関係ない仕事などない。
自分の仕事が業績には関係ないと考えることは、「自分は業績アップに貢献できない」と言っているようなもので、これで会社は本当に大丈夫なのかと感じてしまうのは私だけではないだろう。
その証拠に、「役割を担っている」と答えた人の半数以上は、「自分の実行力・行動力が成果に結びついている」と答えているのに対し、「いいえ」もしくは「わからない」と答えたビジネス・パーソンは、8割近くが「結びついていない・わからない」と答えている。
経営者の方々は、この結果をどのように見るのだろう?(会社のメインとなるスタッフが、自分の行動が結果に結びつかないと思っている事実を!)
しょっぱなから、これで大丈夫かと思えるアンケート調査結果ではあったが、実はこの「役割を担う」実感は、自分のモチベーションや情熱に大きく影響している。
あたりまえの話だが、ビジネス・パーソンは組織の業績・結果に一役買っている、貢献しているという意識が、モチベーションや情熱となって表れる。
実際に、「役割を担っている」と答えた人の約82%は、「業績を伸ばすにあたって、自分のモチベーション、情熱は十分だ」と答えているし、反面、そうでない人は、約37%にとどまっている。
さらにショッキングなデータとして、「業績を伸ばすための役割意識」を感じない、わからないと答えた人のうち約24%のビジネス・パーソンは「自分のモチベーション、情熱」が「まったくない」と答えている。(「自分のモチベーション、情熱」を「普段は感じることがない」人まで入れると、60%を超える)
問題は、この「役割意識」がないと考える人たちは、「自分たちには役割が与えられていない」「役割を担うほどのメンバーがいない」と考えていることかもしれない。
要は、悪いのは自分ではない、ということだ。
自分自身とチームメンバーに対する意識の関連については、徐々に紹介していく予定だが、自分のモチベーションや情熱までも、自分以外のものに求めているとしたら、これこそ大きな問題だろう。
これから、ビジネス・パーソンが持つ、モチベーション・情熱、スキル・能力、発想力・企画力、戦略の実施計画、実行力・行動力についても考えていきたい。
この記事に関連するニュース
-
若手営業職の3人に2人が「将来の転職考える」 背景に「ザ・モデル型」による過度な効率追求も
J-CASTニュース / 2024年11月22日 12時10分
-
社長の出身大学ランキングに異変 不動の1位「日大」凋落、経営手腕で「一橋大」1位独占も...2位以下に意外な顔ぶれ
J-CASTニュース / 2024年11月14日 20時46分
-
ユニクロ、店舗スタッフを変えた仕組み化の効果 6割のボリュームゾーンの従業員が自ら動くように
東洋経済オンライン / 2024年11月14日 15時0分
-
スピーダ、B2B企業の「営業企画」に特化した実態調査レポートの2024年版を公開。増収増益を導く3つの重要成功要因が明らかに
PR TIMES / 2024年11月6日 11時15分
-
全国社長の出身大学、14年連続トップの大学は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月30日 17時15分
ランキング
-
1冬の味覚ハタハタ、海水温上昇で今季の漁獲量は過去最低か…産卵場所に卵ほとんど見つからず
読売新聞 / 2024年11月24日 11時52分
-
2ローソンストア100「だけ弁当」第12弾は「イシイのミートボール」とコラボした「だけ弁当(イシイのミートボール)」
食品新聞 / 2024年11月23日 20時40分
-
3異例の「ケーブル盗難でリフト運休」 スキーシーズン前に 捜査は継続中
乗りものニュース / 2024年11月24日 14時12分
-
412月に権利確定「株主優待」長期保有が嬉しい銘柄6選
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月24日 9時15分
-
5「中間管理職を減らしたい」企業の盲点 リストラで起こる、3つのリスクに備えよ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月24日 8時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください