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難民拒絶は連中の思うツボ/純丘曜彰 教授博士

INSIGHT NOW! / 2015年11月19日 10時30分


        難民拒絶は連中の思うツボ/純丘曜彰 教授博士

純丘曜彰 教授博士 / 大阪芸術大学

 難民にテロリストが混ざっている、受け入れるな、という世論の喚起こそ、連中の思うツボ。命懸けでやってきた一般の難民がテロリ国に追い返され、閉じ込められ、そこで空爆を受け、連中に洗脳されれば、いよいよ反欧米の敵意は募り、ホンモノのテロリストがさらに大量に養成される。


 「打倒鬼畜米英!護持神国日本!」なんて叫んでいたこの国が、ころっと親米にひっくり返った理由は、空爆でも原爆でもない。カロリーとエンタメだ。戦後、膨大なガムだのチョコレートだのに加え、マンガや映画やポルノの大洪水が日本を席巻。東欧が崩壊したのも、まったく同じ。衛星放送で西側の「豊か」な生活が垣間見られるようになったせいで、みんなベルリンの壁を乗り越えてやってきた。人がいなくなって、国も無くなった。


 テロリ国の根幹は、人。欧米先進国に生まれ、もしくは、ようやく移り住んんだものの、その豊かさの恩恵から排除された連中。すぐ目の前に贅沢がぶら下がっていながら、自分たちには手が届かない。それで、酸っぱいブドウよろしく、あんなものは堕落だ、腐敗だ、破壊してやる、ということになる。ナチスやスターリン、ポルポトなんかも、みんな同じ。だから、攻撃の標的になるのも、政府の要人じゃない。スポーツスタジアムだの、ポップコンサートホールだの、こじゃれたカフェだのにたむろする一般大衆。


 でも、ほんとうはみんなカロリーとエンタメが大好き。米国を見てみろ。豊かさに絶対に手が届かない、本当ならいつ暴動を起こしても不思議ではないような下層連中には、とてつもないハイカロリーのジャンクフードとコーラにビール、とめどない流しっぱなしのバカドラマとスポーツで、安楽なカウチソファから立ち上がるいとまも与えない。生きながら腐った廃人にしてしまう。いろいろ文句があったって、ビールやコーラをかっくらい、ジャンクフードをわしづかみにしながら、次の試合、次の放送が始まれば、すべて忘れ、我も忘れる。


 難民だか、移民だかも、みんな入れてやって、どっぷりと日本の生活保護並みの「安逸地獄」に漬け込んでやったらいい。だれもなんにもやる気が無くなる。こうして先進国からだれも返って来なければ、テロリ国なんか、さらに住民が逃げ出して、すぐに人が枯渇する。あんなところ、人が減ったら、すぐに無人の砂漠に戻っていってしまう。なんなら、直接、あのテロリ国の連中の頭の上に、喰い切れないほどのジャンクフードと、しょーもないモエマンガだの、ポケットゲームだの、エロDVDだの、大量に「空爆」したやったらいい。やつら、一生懸命に処分しようとするだろうが、ぜったいに隠し持って楽しむやつらも出て来て、仲間割れして自滅する。


 先進国の先進国たるゆえん、その最先端の「武器」は、爆弾やミサイルじゃない。安価無限に大量生産され続けるカロリーとエンタメだ。これほど人間に戦意、やる気を喪失させるものはない。もちろんテロリ国の中には、信仰心と自制心で最後まで抵抗するヤツもいるだろうが、そういう極端で奇特なヤツがいくらねじ切れても、ありあまるほどの物量の流入を前にしては、次第に孤立していくのは自明の理。そのうち、中国のように、自分たち自身でもジャンクなカロリーとエンタメを粗製濫造するようになる。そして、遠からず自家中毒に陥って、堕落しきった「先進国」の我々とも「価値観を共有」できるようになるぞ。


(大阪芸術大学芸術学部哲学教授、東京大学卒、文学修士(東京大学)、美術博士(東京藝術大学)、元テレビ朝日報道局『朝まで生テレビ!』ブレイン。専門は哲学、メディア文化論。著書に『悪魔は涙を流さない:カトリックマフィアvsフリーメイソン 洗礼者聖ヨハネの知恵とナポレオンの財宝を組み込んだパーマネントトラヴェラーファンド「英雄」運用報告書』などがある。)

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