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実行するビジネス・パーソンは何が違うか  ⑦企画案やアイデアが出ない言い訳/猪口 真

INSIGHT NOW! / 2016年1月13日 12時3分


        実行するビジネス・パーソンは何が違うか  ⑦企画案やアイデアが出ない言い訳/猪口 真

猪口 真 / 株式会社パトス

成果を出している組織は、成果の出ない組織と比較して企画案やアイデアが、ふんだんに出てくることは紹介した通りだ。

アイデアの量、質、具体性、すべてにおいて、増収増益組織が上回っている。しかも、「誰からも指示されずに出てくる」「指示された内容以上のものが出てくる」といった、理想的なかたちを持つ組織が多くなる。

もちろん増収増益を実現することによって自信がつき、モチベーションもあがり、仕事への集中度合が増し、アウトプットも増えるというプラスの循環になっている組織も多いだろう。

調査結果でも、モチベーションの高さとアイデアの豊富さ、実行力とアイデアの豊富さの強い相関関係を示していた。

しかし、質量ともに豊富な企画案やアイデアが、良質な実行、よりよい成果を生み出すのは間違いないし、実行するにも先にアイデアがなければ実行することはできない。

では、戦略を実行する上で必要なアイデアやスキルはどうしたら生まれるのだろうか?

スタッフ~マネージャーレベルでの戦略企画やアイデアを出すプロセス上の必要項目を書き出してみると、大まかに以下のようなことだろう。

・課題(問題)

・目標(解決した状態)

・WBS(主要タスクのKPI)

・行動計画(スケジュール)

・予算(リソース)

・スタッフ、パートナー(人的リソース)

・ツール(ネットワーク他)

このうち、課題、目標、WBS(KPI)、行動計画は、創造性や知識が必要なリード型ワークであり、それ以外の、予算、ツール、スタッフ・パートナーは、実際に動かす人、ものでありマネジメントの対象となるものと言えるだろう。

重要なのは、もちろん前者となる。

しかし、アウトプットがなかなか出せないマネージャーやスタッフを見ていると、よく出てくる言い訳は、「予算、ツール、スタッフ」などのリソースに関することが多く、結果「うちでは無理」と半ばあきらめ状態になることもある。

予算がない、人がいない、システムが足りない、権限がない、など、「自分ではやりたいのだけれど、いかんせんリソースがないから無理」というわけだ。

実際は、何かビジネスの新しいことを行うわけだし、そうしたリソースまで含めて提案すれば済む話なのだが、言い訳としてわかりやすく、単純なだけに、この言い訳を続けてしまう。

しかし、こうしたチームでありがちなのは、「課題と目標」の曖昧さだ。

スタッフに、「そもそも何を解決するためにやるの? 結果的にどうなればいいのか?」と聞くと、ほとんどの場合、答えることができない。

そもそも課題が分わかっていない、わかろうとしていないために、行動計画として的を得たものにならない。

そして、課題が不明なために、課題を解決した際のイメージ(目標)が定まらない。そしてゴールが定まらないから、タスクへの落とし込みやその進捗を管理するKPIなど、もはや絶望的に難しくなる。当然、具体的なスケジュールなど夢のまた夢だ。

リーダーは、こうした状態を嘆き、「うちのスタッフは本当にだめだ」となるのだが、この「課題と目標」の曖昧さこそ、リーダーの責任だ。リーダー自身がほとんど現状の問題を把握できていないために、こうした問題が起こる。

なので、リーダーは「何かないのか」「何をするのか」と行動レベルのことばかりを求めてくる。

そしてスタッフは、上司に執拗に攻められ、「○○社に相談してきます」「△△さんに聞いてみます」「■■を考えてみます」などと、行動計画だけを適当に答えることになる。

これが、減収減益組織の「アイデアはたまに出てくるが、質量ともに不十分」という状態だ。そしてさらに上司もまずい対応をしてしまう。

「○○のほうがいいのではないか」「■■もやってみろ」と、単に行動だけをさらにリストアップしてしまう。行動する理由や目的がないままに、タスクをリスト化しても、成果に結びつくことはほとんどない。

つまり、結果を出すためには、一環したプロセスが必要ということになる。次回からこのあたりを探ってみたい。

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