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サービス品質向上の6つのポイント(2) 【連載サービスサイエンス:第14回】/松井 拓己

INSIGHT NOW! / 2016年2月11日 0時0分


        サービス品質向上の6つのポイント(2) 【連載サービスサイエンス:第14回】/松井 拓己

松井 拓己 / .

前回は、効果的にサービス品質向上を進めるために、サービス品質を6つの要素に分解して捉えてみました。「サービス品質向上」と言われても、現場は何を頑張ったら良いのかピンときていないものです。サービス品質向上の取り組みがなかなかうまく進まないときには、要素を分解して議論してみると良いと思います。その上で今回は、より効果的にサービス品質向上を進めていただくための取り組みの視点について触れてみたいと思います。


サービスの評価を高めるサービス品質とは?

サービス品質向上の大きな目的の一つは、お客様からの評価を高めることだと思います。では、そもそもお客様は、サービスの何を評価しているのでしょうか。これを理解できれば、サービスの評価を高めるためのサービス品質向上の取り組み方が見えてきそうです。

そこで、お客様がサービスの何を評価しているのかを理解するために、「サービスの評価」を分解してみましょう。すると、サービスの評価は「サービスの成果」に対する評価と「サービスのプロセス」に対する評価の2つに分解されることが分かりました。ここで言う「サービスの成果」は、たとえばQCD(品質・コスト・納期)や、「早い、安い、うまい」のようなものを指します。一方で「サービスのプロセス」は、スタッフの印象や態度など、成果を得るまでの過程での評価対象となります。


サービスの成果とプロセス、両方の評価を高めるのは当たり前?

お客様から高い評価や高い顧客満足をいただこうと思ったら、サービスの「成果」と「プロセス」の両方の評価を高めなければならなりません。サービスの成果とプロセスの両方の評価を高めることは、一見当たり前のように思います。しかし、いざサービスを提供したり、サービスのマネジメントに従事すると、ついつい「サービスの成果」の方ばかり気にしてしまう傾向があります。

たとえば社内では、「いかにお待たせせずにお客様のご要望にお応するか」、「いかに”早い・安い・うまい”を実現するか」「お客様にどんな提案をすべきか」については日々熱心に議論しています。しかし一方で、「心地よさを感じていただくためにはどうお客様に接したらよいか」、「ちょっとしたお客様からの相談に共感した対応ができるか」など、サービスのプロセスの評価を高めるための努力は、ほとんどが現場任せや個人任せになってしまっており、組織的に取り組めていないことがほとんどです。


お客様はサービスのプロセスに敏感

さてここで興味深い調査結果をご紹介します。小売業の顧客満足度調査で明らかになった、お客様が満足や不満を感じるポイントです。調査の結果、お客様が不満を覚えるポイントの圧倒的1位が「店員が無愛想」。そして、お客様が満足するポイントの1位は「店員の挨拶が行き届いている」です。これらはどちらも、サービスの「プロセス」に対する評価だと分かります。つまり、お客様は、サービス提供者が思っている以上に、サービスのプロセスを非常に敏感に評価しているということなのです。

このことからも、これからのサービス向上は、いかに組織的にサービスのプロセスの評価を高めることができるかが、重要なテーマになりそうです。

そこで次回は、サービス品質の6つの要素と、サービスの「成果」と「プロセス」の評価とを組み合わせて、お客様からの評価を高めるためのサービス品質向上の取り組み方について考えてみたいと思います。

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