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そこまで「自己責任」を問われても…/内藤  由貴子

INSIGHT NOW! / 2016年2月1日 21時29分


        そこまで「自己責任」を問われても…/内藤  由貴子

内藤  由貴子 /

こんにちは。早、2016年も1か月を過ぎました。

今回は、「自己責任」について考えます。

● アドラー心理学の自己責任

心理学ジャンルのベストセラー「嫌われる勇気」で一気に広がったアドラー心理学では、
トラウマなどが原因となって、いま問題と思っている状態に至ることはないと言います。
人は目的に従って行動しているので、今の自分の状況になると決めたのは自分。だから、それは自己責任であるという考えも広がっています。

それはそれで一つの考え方で、アリだと思います。

それに、思わず「それは「自己責任」でしょ!」と思わず言ってしまいたくなることがあるのも事実。

もう10年以上前に受けた相談ですが、ある女子大生が「サークルで、気づいたらみんなが自分によそよそしい」と言います。
思い当たることはないか、たずねてみたら、「たぶん、集合に何度も遅刻したからかも」と言いました。
「そう思うなら、それは自分にも責任があるのかな?」と言いかけたところで、
「じゃあ、私が悪いって言うんですか?」と開き直られたことがあります。
本当の理由はわかりませんが、少なくても彼女の理屈では、自分を仲間外れにしようとする人たちが悪いようでした。

● 自己責任は、時に厳しすぎる響きを持つ

一方で、「自己責任」と言う言葉が、時にその人をひどく傷つけていることがあります。
むしろ、強烈なプレッシャーをかけているといった方が、適切かもしれません。

実は、スピリチュアルなヒーリングでも、「人生で起こることすべてが、自己責任」と書かれているのもよく見かけます。
つまりあなたが、そうした状況を引き寄せたのは、あなたがそれを選んでいるから、と言うわけです。

だから「そこから目をそらせるのって、どうなんでしょう…?そこに向き合うべきでは?」
と言われてしまいそうです。それが正しいのかもしれませんが、本当に正しいとは限りません。

スピリチュアルな概念の場合、ひどい場合には「前世のカルマ」を持ちだされた人もいます。
カルマとは、簡単に言えば原因と結果。つまり原因が悪いから結果として良くないことが起こっている、と言う意味で使われています。
実際、ある女性は、アトピー性皮膚炎で長く苦しんでいましたが、「前世のカルマじゃない?」と言われ、ひどく傷ついたと言います。

生きているのは今ではすから、前世のことまで言われても… そんな自己責任まで押しつけれてはたまりません。
それをカルマで語るのは、酷というものです。

● さらに自己責任を問うのは酷な人達

実のところ、セラピーを受けに私が出会った皆さんは、今、あまりよくない状況を人のせいにせず、自分で何とかしよう、「自己責任」を意識していなくても、必死になっている人がほとんどなのです。

   その状況を努力によって変えようと、自虐的と言えるくらいに。

責任から逃れるどころか、むしろ自分の何が悪いのか、どんな努力が足りないのか、自分を責めるように追い込んでしまう人もいます。
それで辛い思いをされている方も少なくありません。

そして、アドラー心理学なら、自分が変わろうとすれば変われると書いてありますが、変われないんです。

それは変わらせてもらえない理由があるからです。

その理由とは、「感情」の存在です。それがブロック、障害になっているからです。

私が行っているセラピーは、ブロックの解放に花の写真を使いますが、その時、その状況が作ったブロックと言える感情を分析していきます。

意識層別にどんどん深いところまで感情の診断を進めると、幼児期どころか、赤ちゃんの時期、さらに出生時や胎児に何らかのトラウマがあることも珍しくありません。

そういうクライアントさんは、今まで「自分の何が悪いの?」と自分を責めて責めて、辛かった人です。中には、自分の存在を消したいと思った人もいます。別に病んだ人ではありません。会社に行けば、ちゃんと仕事をしている人たちです。そんな人に分析の結果、「今、自信がないと思っている理由は、どうもあなたがお母さんのおなかにいたころに始まったようよ?」と伝えた瞬間、顔の表情がぱっと明るくなった人を何人も見ました。

「つまり、私が悪かったんじゃないってことですね。そんな赤ちゃんや胎児だった時のことなんて、覚えていませんし…」と、一気に肩の荷が下りた状態になります。

ご本人が、心に長~い間背負っていた重~い荷物をいったん降ろした瞬間です。
「ずっとずっと辛かったんです。でも、私に原因があったわけではなかった…」と涙を流す人もいました。

こうした多くの方に顕著なのは、罪悪感の存在です。もちろん、胎児や乳幼児だったその人が、何か償いをするような罪を犯したはずがありません。

こうした感情の元になるのは、情報、つまりPCのデータのようなもの。だから、偽の情報だって入ることがあるのです。PCの誤作動のようなものです。
ありがちなのは、難産で誕生時に大変だったとか、乳幼児期に病気やケガをして苦しんだとか、何か苦しみにあったことで、罰を受けた→自分が悪い子だから、という情報がインプットされることです。

罪悪感は、同時に 罰を受けなければならないという感覚とワンセットになってしまいます。アドラー的には、罰を受けるという目的のために苦しい人生を続けていると言えるのでしょうか。理不尽です。

こうした感情を消さない限り、変わりたくても変われない。
それは自分がコントロールできる意志や思考より、深いところで働いてくるからです。

ちなみにアドラー心理学では、トラウマはないし、こうした無意識は「ない」ことになっているそうです。
原因は、考えないからです。

もし、無意識といってまずければ、無自覚に 物心ついたころから、自信のなさを感じたり、どこか申し訳ないような感覚があったりする場合は、そんなブロックがあるのかもしれません。

チェックはいつでも承りますし、奥底の感情も消すことができます。

私見ではありますが、そうなった後は、アドラー的なアプローチもきっと役にたつと思います。

何よりも、自分の人生を変えるというあなたの責任は、今の自分が始められるということには、違いないのですから。

※写真は、愛のシリーズより「自分自身の喜びの感覚に従って生きる」

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