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動物病院がコワイあなたへ。「獣医師マジック」攻略法~いつもの生活でしておくとよいこと3か条~/武田 真優子

INSIGHT NOW! / 2016年5月23日 7時0分


        動物病院がコワイあなたへ。「獣医師マジック」攻略法~いつもの生活でしておくとよいこと3か条~/武田 真優子

武田 真優子 / つむぎペットケア

■ いつもの生活でしておくとよいこと3か条とは

その1 キャリーバッグやケージに、楽しく入れる練習をしておく

その2 普段の様子を写真や動画で記録しておく

その3 なにかあったら行く”かかりつけの動物病院”を決め、ペットに慣れさせておく


ひとつずつ、説明してゆきます。

■ その1 キャリーバッグやケージに、楽しく入れる練習をしておく

この大切さは、「ペットの同行避難」時に、一番よくわかります。東日本大震災の教訓から、各自治体でも、ペットの同行避難が進んでいます。

2016年4月14日に起きた、熊本大震災。亡くなった方のご冥福をお祈りします。

今回の地震では、ペットの同行避難が認められている避難所がありました。しかし、断られてしまうケースもあったようです。

「なぜかな…」と考えたときに、「キャリーバッグやケージに入れると、吠えたり鳴いてしまうのではないか」と、ピンときました。


動物病院で珍しくない光景なのですが、お預かりをしてケージに入れると、ずっと吠えているイヌがいます。声が枯れても吠え続けるイヌもいます。

あなたが暮らしているペットは、動物病院に行くためにキャリーバッグを用意したとき、楽しそうに入ってくれますか?

狭い空間にひとりにしても、鳴かずにじっとしていられますか?

ケージにいれることに普段から慣れさせておくと、万が一の時に、おりこうであることで社会から認められ、同行避難もスムースにできることでしょう。


「ストレスじゃないの?」「可哀想よ!」

はい、最初は嫌がります。しかし、動物は慣れるのです。

もちろん、いきなりケージに閉じ込めることは避けてくださいね。それこそ、もっと嫌になってしまいます。日頃から、すこしずつすこしずつ、慣れてもらうのです。

キャリーバッグやケージに、楽しく入れるようになるためには、大好きなおやつやおもちゃをご褒美として使うことが効果的です。


このようなトレーニング方法を「クレート(ケージのことです)トレーニング」といいます。イヌの一例ですが、簡単にご紹介します。


●はじめはキャリーバッグやケージに近づくだけで、ご褒美

●慣れてきたら、その距離を徐々に伸ばす、そのたびご褒美

●キャリーバッグやケージにご褒美を置いておく、何度もやってみる(出入りはイヌが自由にできる)

●キャリーバッグやケージの扉をおやつを入れて締めてしまって、ご褒美を手に入れられなくしてしまう


ここまでくると、あなたの愛犬は、「キャリーバッグやケージに入れないこと」がストレスになります。(嫌なことは、いいこととセットで覚えてもらうといいのです)

大事なことは、「キャリーバッグやケージは安心な場所だ」と覚えてもらうこと。これができると、動物病院へゆくことも、楽になるでしょう。


■その2 普段の様子を写真や動画で記録しておく

今回の地震では、悲しいことに亡くなったり、ケガをしてしまったペットがいました。いつもと様子が違うことで、体調を崩すペットもいるようです。

わたしたち獣医療従事者は、あなたのペットの「いつもどうなのか」を知りません。知っているのは一緒に暮らしているあなたしか、いません。

そこで、飼主さんにお願いしたいことは、

▶いつも、なにをどれくらい食べているのか

▶いつもはどんな動きをしているのか

を、毎日記録するのは大変なので、ペットが元気なときに写真や動画を撮っていただけると、大変助かります。

これらを、カレンダーに「いつもどおり」とチェックマークするのがお勧めです。この作業だけで、「いつから様子が変なのか」が一目でわかるようになります。


■ その3 なにかあったら行く”かかりつけの動物病院”を決め、ペットに慣れさせておく

飼主さんには、もっと動物病院を気軽に「利用」していただきたいなと思っています。この「利用」とは、「ペットの身体の状態の記録の場所として使っていただく」ということです。

動物病院は、健康なペットが行っても問題ない場所なんですよ。動物病院の方針によりますが、爪切りや足裏の毛のカット、体重チェックだけでも構いません。

わたしたち動物病院のスタッフは、毎回、

▶○○ちゃん、元気ですか~?

▶なにか変わったことはありませんか?

など、あなたのペットの体調を気に掛けます。「元気ですよ~」のお声が1番嬉しいのですが、「そういえば…」とお話ししてくださることから、病気の早期発見につながることもあるのです。

それら、飼主さんからお伺いしたことは、全てカルテに記入します。

▶いつから、などの日時

▶体重、他気になること

などのあなたのペット情報が動物病院のカルテに記録されることで、なにかあったときに診断の参考になるのです。

また、かかりつけ動物病院を、元気なときから普段から行く場所にしておいて、いつもはもらえない特別なおやつを与えるようにすると、「ここはいい場所だ!」と覚えてくれるようになります。

ヒトもペットも、大変な思いをせず、動物病院にいらしていただけるようになるといいな、と記者は思っています。


いかがだったでしょうか。この「いつもの生活でしておくとよいこと3か条」意識していただくと、「ペットが嫌がる」「先生の前で怖がる」ということは、格段に少なくなります。



あなたの「獣医師マジック」がやわらぐことにつながるよう、願っています。

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