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なぜ​仕事のミスは起こるのだろうか?/古江 一樹

INSIGHT NOW! / 2016年6月14日 22時11分


        なぜ​仕事のミスは起こるのだろうか?/古江 一樹

古江 一樹 / 株式会社ISO総合研究所

◆誰もがいつでもミスをしている

「え~、それ前回は8mmでしたけど、今回は5mmだって伝えたし、図面に書いてたじゃないですかぁ~ 図面ちゃんとみてくれてますかぁ?」

お邪魔した営業先で商談している最中、打ち合わせスペースからこんな声がこぼれてきました。どうやら、仕事でミスが発生してしまったようです。

そんな私も、今日、仕事で軽いミスを起こしました。メモしていた内容を書いたつもりが、メモを見ながら入力したのに間違っていたようです。また社内でも、

・毎週月曜日に依頼している会議がスケジュールに入っていない。

・3パターン作ってと依頼してた作業が2パターンだけ上がってきた。

・打合せ前に段取りをお願いしていた作業の段取りなく、打合せに参加してきた。

などなど、いくつものミスと遭遇しました。

おそらく、皆さんもなんらかの仕事のミスに出会ったのではないでしょうか?

誰だって仕事のミスなんかしたくないのに、おそらくすべての企業で間違いなく起こっている仕事のミス。

そもそも、この仕事のミスってどうして起こるのでしょうか?


グーグルで仕事のミスって検索すると、検索結果には様々なノウハウのページを目にすることができます。内容を見ても原因は様々。それだけ難しいテーマだということなのでしょう。

そこで今日は、その色々ある考え方の中で、ISO9001やISO14001などのマネジメントシステムが考えている、の仕事のミスが起こる原因にに対してまとめてみようと思います。


ISOが教えてくれている、仕事のミスを起こさない考え方


まずはこの図をみてください。

これは、ISO9001やISO14001等のマネジメントシステム規格の骨格となっている単一プロセスの図です。

この図が表しているエッセンスをまとめてみると、

・アウトプットを実現するためにプロセス=過程がある

・アウトプットは、活動(仕事)を通して付加価値を与えた結果。

・アウトプットの後には、後プロセスがある。

・アウトプットを正確に行うためには、活動が正確に行われる必要がある。

・アウトプットを正確に行うためには、インプットが正確である必要がある。

・インプットが正確であるためには、前プロセス等がコントロールされている必要がある

などが挙げられます。

この、アウトプットが間違っている状態こそが、『仕事のミス』ということです。つまり、この図は仕事のミスを引き起こす要素がまとめられたものということです。


少し難しく見えますが、これをかーんたんにまとめると、

①正しく活動できていること

②正しい情報がインプットされていること

の2つの大きな要素にまとめられます。


①正しく活動できていることとは、例えば

・3人で作業する場合3人割り当てられている

・技術や経験等、必要な能力ある人が割り当てられている

・必要な機能を備え持つ設備や機器が割り当てられている

・必要な台数の設備や機器が割り当てられている

・必要な作業をする環境が確保されている

など、実際に仕事を進めていくことが管理されている状態です。


②正しい情報がインプットされていることとは、そもそもその仕事をするに当たって必要となる情報や仕事に使う材料等です。

・納期や期日

・サイズ、色、素材、などの仕様

・予算、原価、利益

などはもちろん、ひょっとすると、

・ベースにする、昔やった同じような仕事

・参考にしたい技術情報

というようなものも含まれます。

つまり、仕事の指示となるモノともいえます。


①と②を仕事の流れの順番え考えると、いくら正しく活動できても、正しい情報がインプットされていなければ、間違った情報に対して正しく動いてしまうということになります。そう考えると、重要度の順番でいうと、②正しい情報がインプットされていることから、正確さのレベルをあげていかなければ、仕事のミスへの解決はできないと考えることができます。

つまり、ISOは「仕事のミスは、正しい情報がインプットされていないから起こっているんだよ」と教えてくれているのです。


◆正しい情報をインプットしているか?

正しい情報をインプットするとは具体的にどういう状態でしょうか?

私の今日のミスにアプローチしてみると、「メモを裏紙に赤ペンで走り書きした」ことからすべてが始まりました。この赤ペンで走り書きした情報をもとに、仕事を始めたのです。

つまり、『正しい情報かどうかを判別しづらい手書きのメモがインプットになった』ということが原因ということです。もしこれを、いつみても、誰が見てもわかるようにメモをとっていたら、おそらく情報は正確にインプットされていたでしょう。仕事のミスはなかったかもしれません。このように、仕事のミスは正しい情報をインプットすることで予防できるということをISOは教えてくれています。


私がこれまで、現場のコンサルティングを通してよく見かけてきた『インプットが正確ではなかった』という事例をいくつか挙げてみます。

ある板金加工業様では、お客様から図面がFAXで送られてきており、図に表記されているサイズの文字が小さく判別しづらかったのです。仕事のミスが多かったので色々工夫していたのですが、インプットの正確さを確保するため、図面の文字を見やすくしようと、大きな文字で、しかも赤書きで書き直しするようにしたところ、仕事のミスは少し減りました。

あるリフォーム業者は、お客様の現場でヒアリングや現場調査したメモをそのまま社内の設計部門に渡していました。茶色と書かれた色の矢印が壁にでていると判断した作業者は壁を茶色でお客様への完成イメージ図を作ってしまいました。実際には壁ではなく床への矢印だったそうです。よく聞くと昔からこういうミスが多かったということだったので、ヒアリングシートの様式を作り、壁の色、床の色等を書く欄を用意したところ、仕事のミスはへりました。

そして、実は当社でも、これまではお客様との打合せメモをもとに社内の作業担当者が文書作成の作業を行っていました。ここには漏れている情報がどうしても発生しておったようです。そこで、インプット表をつくり、作業前にこれを正確にまとめていくようにしました。当然ですが、これを用意しただけで、仕事のミスは何%かは軽減される結果になっています。

仕事のミスは、正しい情報がインプットされていないからなのです。

あなたが仕事をする前の情報を正確な情報をインプットすることを意識し、そういうルールを作っていきましょう。

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