なぜ呼ばれたかを確認する/泉本 行志
INSIGHT NOW! / 2016年7月26日 7時8分
泉本 行志 / 株式会社アウトブレイン
・新サービスを立ち上げる
・新ITシステムを導入する
・ある業務の具体的なプロセスを改善する
など、その目的が達成できるように、
その実行を支援・代行することが、期待されていること。
しかし、時には具体的な支援内容がまだ明確でない段階で
クライアントと関わることもあります。
私たちビジネスプロフェッショナルにクライアントから声がかかるとき、
経験上、そのニーズは大きく5つのカテゴリーに分かれると考えます。
1. 問題解決 (Problem Solving):問題ある状況の原因特定、
解決案の策定を支援して欲しい。
2. 機会創造 (Opotunity Finding):これまで気づいていない、
ビジネス成長の機会を見出して欲しい。
3. 意思決定 (Decision Making):いくつかの選択肢があり、
最善策を選択する支援をして欲しい。
4. 実行計画 (Planning):やるべきことは分かっているので、
それを計画化して進めるための支援をして欲しい。
5. 実行支援・代行(Implementation) : 計画を実行する支援して欲しい、
あるいは代わりに実行して欲しい。
具体的な形として支援を依頼される場合というのは、
状況としては、5の段階であることが多い。
そうでない場合は、先方の真のニーズはどれなのかを
まず見極めてから支援活動をスタートしないと、
無駄に時間を費やし、最終的にクライアントからの満足も
得られないという事態に陥ります。
ここで厄介なのは、クライアント自身も
自分がどのような支援して欲しいのか分かってないケースが
あるという点です。
そんなとき、「どんな支援をしたら良いでしょうか?」
と質問して「指示待ち」的な態度をとったり、
「要するに、何をして欲しいのですか?」
と相手にプレッシャーを掛けるような質問をするのもNGです。
相手がどんな支援を必要としているかを、
自分でもまだ明確ではないんだなと判断した場合は、
クライアントの真のニーズを読み解くために、
状況を整理をして一緒に考えてあげる姿勢をとることが重要です。
これは、クライアントとより個人的な感情的な結びつきを
構築するチャンスと捉えるべきです。
クライアント側が自分で検討して「発注する」段階で呼ばれるよりも、
何を「発注すべきか」を考える段階から関われる存在になることは、
ビジネス上の関係においても、大きく意味あることです。
クライアントの状況が今どうなっていて、
優先的に必要とする支援はどのカテゴリーなのか、
まず、これに対する合意を形成する。
それから、具体的に取組むテーマを検討していくという順です。
そこを曖昧にしたまま、何となく話の成り行きで支援を進めていくと、
後々「どんでん返し」や「そもそも論」が勃発
といったことが起こります。
そうなったときに、
「依頼があったとおりに進めただけです」
などと言い放てば、次回から呼ばれることはないでしょう。
今提供すべき支援は、大きなカテゴリーでいうとどれなのか?
クライアントとの最初の面談では、まずこれを押さえることに
フォーカスを当てるべきでしょう。
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