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アピールの誤解  土下座で交際してくれることはありません2017/増沢 隆太

INSIGHT NOW! / 2016年7月20日 6時59分

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増沢 隆太 / 株式会社RMロンドンパートナーズ

・面接アピール
面接において自己アピールは大切です。しかし「しっかり自己アピールしてるのに採用されない」という声もよく聞かれます。これだけ熱意をもって応募しているのに、それに応えてくれないというのは納得いかないかも知れません。では少し場面を置き換えて考えましょう。

就職は恋愛や結婚と例えられます。人生における重要なターニングポイントである点、そしてどちらも片方の一方的意思では決まらない点は確かに共通しています。つまり片方がどれだけ燃え上がっていても、どれだけ熱意があっても、土下座したとしても、付き合ってくれない相手は絶対に振り向いてくれません。

ドラマと違う悲しい現実は、熱意や誠意だけでものごとを成就させてはくれないのです。下手すれば熱意が逆に不気味に思われ、ストーカー扱いされてしまうことすらあり得る現在です。ただ単に熱意を持っているだけでは、ただの個人の思い込みであり、エゴです。就職活動はビジネスです。ビジネスにおける自分を売り込む交渉がESであり、面接です。この基本を絶対に忘れてはなりません。


・あこがれの会社の面接にて
実際の面接においても、「御社に入るのが夢でした」とか「御社以外に志望先はありません。他社は受けていません」とかアピールしたり、あこがれの会社の面接にまでたどり着けたことで、面接の場で泣いてしまったという学生もいます。

一見誠意のある態度のように見えます。しかし良く考えてみれば「御社に入るのが夢」って、幻想ではないでしょうか?そんなにその会社は天国でしょうか?入ってみたら嫌な上司や意地悪な先輩、そりの合わない同僚・・・・嫌な思いをすることなど無い方が「異常」です。職場が天国であるはずがないのです。

そうです、つまりは勝手に一人で盛り上がり、会社への幻想に突き動かされているだけの状態を表すのが、こうした「入るのが夢」のような状態と考えられます。

恋愛でも一目ぼれというのは悪いこととは言いませんが、ほとんど何も情報もなく、人間性もわからない相手を好きになるということは、いわば「見た目のみで好きになった」だけのことではないのでしょうか?思い込みで、それも冷静さを欠く感情に突き動かされ、あげくに面接という重大な交渉の場で感情露わに泣き出してしまうような人が、「仕事をできる」イメージに映るでしょうか。

結婚や恋愛であれば、外見オンリー、美人・イケメンだけを理由に好きになったといわれても、お付き合いする以上人間性に関心が無いというのはぶっちゃけすぎでしょう。つまりこうした間違った自己アピールや志望動機は視点がすべて「自分中心」なのです。告白される側にしてみれば、そんな妄想のような思い込みを並べられても何一つ魅力を感じないのではないでしょうか。

意欲が悪いのではありません。採用を決めるのはそこではないことを忘れているのではないかという指摘です。戦略的就活において目的が決定的に重要なのは、常に相手視点に立った、相手の感情や相手の立場を反映させることがなければ戦略が成就しないからです。


・面接でアピールすべきこと
少なくとも相手にとって交際(採用)するメリットを訴えましょう。

 「能力がある」
 「利益をあげられる」
 またはそれらの「可能性がある」

ことを伝えるだけです。至ってシンプルですが、ビジネスの場で求められるのは情緒的な思い込みというゆがんだ意欲ではなく、冷静に相手(=お客様)のことを考えられるマインドでしょう。

自己アピールの目的を再度点検して下さい。相手の目線に立っていますか。そうでない自己アピールはどこまで行っても単なる自己満足です。それを聞く(読む)人にとって、何ら目を引くことは無いでしょう。どうしたら相手に納得してもらえるアピールになるか、正に企業研究が必要なのです。わかりもしない相手に惚れるのは、しょせん見た目だけ、外見だけ気に入った「一目ぼれ」に過ぎません。

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