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ホリスティックと言う言葉とマズローの自己実現欲求を考える/内藤  由貴子

INSIGHT NOW! / 2016年8月8日 1時41分


        ホリスティックと言う言葉とマズローの自己実現欲求を考える/内藤  由貴子

内藤  由貴子 /

ホリスティックでスピリットを捉える

「ホリスティック」という言葉をご存じでしょうか。

「ホリスティック」という言葉は、全体、つながり、バランスなど訳され、
ホリスティック医学では、健康を捉えるとき、ボディ、マインド、スピリット のつながりからとらえていくことが前提になっています。

ホリスティックなセラピーでは、体だけでなく心を無視しませんし、
フラワーフォトセラピストの立場では、「すべての病気は心身症」と言っているくらいです。

では、もう一つのスピリットとは?
魂とかスピリチュアルというと、なんだかあやしい、と思う人が、未だに少なくないようです。

スピリットは「あなたはどのように生きるのか」を問うてくる言葉ではないか、と私は考えます。

日本ホリスティック医学協会の名誉会長で、帯津三敬病院名誉院長でいらっしゃる 帯津良一先生は よく「命を輝かせること」という表現をされています。

自己実現欲求とマズローの5段階説

ところで 「自己実現」というのは、その前提になる言葉ではないでしょうか。

だから思うのです。
あの「マズローの5段階欲求説」は、本当にあの順番でないと、自己実現欲求まで到達しないのでしょうか?

よく知られた自己実現へのピラミッド型5段階ですが

Wikipedia から引用すると

1.生理的欲求 (Physiological needs)
2.安全の欲求 (Safety needs)
3.社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
4.承認(尊重)の欲求 (Esteem) 

5.自己実現の欲求 (Self-actualization)

つまり、ちゃんとご飯が食べられて、命を維持できる状態なら、
住まいを確保し、経済的安定を得ようとします。

その欲求が満たされると、社会の一員であり、愛を求めるのが次の段階。
それが満たされると、仕事で認められたりしながら、自分への評価も上がるでしょう。

この時、単に他者からの評価によって承認欲求を満たすのでは、注目を得る、名声を得るという
低い次元の評価にとどまってしまいます。
自身を信じられることによる自己評価が高まることによる、自己評価アップによる自己承認でありたいわけです。

ここまでが第4段階でした。

そして、ここまで満たされると、5段階目の自己実現欲求を持つようになる。
それが、自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化して自分がなりえるものにならなければならないという欲求。

ということなのですが…

4段階目まで満たされないと、ほんとうに5段階目の欲求は生じないのでしょうか。
到達するかどうかは別にして、欲求だけなら、いくらでも5段階の人いるでは?と思ってしまいます。つまり、逆マズローの欲求実現です。

逆マズロー説を考えてみる

私など、中学生くらいから、自己実現欲求を持っていたように思います。
自分の持つ能力や可能性なんて、皆目見当はつきませんでしたが、なりえるものにならなければならないという欲求。それは、かなり強かったと思います。

もちろん、当時、親の保護下にあったので、生理的、安全の欲求が満たされてはいましたが、 自立していたわけではありません。

所属については、学校や部活などの所属はあったったし、部活での成績が良ければ、承認欲求を得られたこともありました。

でも、そこから自己実現欲求が生まれるというのは、違ったと思います。
思い描いていたのは、それらの延長にあったものではありません。


そして、私がセラピストになってから多く出会ったのは、
「マズローの自己実現を、いきなり目指していませんか?」と言うような人達です。

それは、「なりえるものにならなければならない」という欲求の強い方たちでした。

社会人でも、どちらかと言えば 非正規雇用の方が多いし、経済的な安定にあるとは言いがたい人も。
これらは、第2段階 が脆弱だということ

また、自分になかなかOKが出せない人も、かなりいらしゃいます。
これは、第4段階を 卒業していないことを意味します。

だから「なりえるものにならなければならないという欲求」から、
セラピーを学び、あわよくばセラピストとしてなろうとします。

でも、独立できない理由は、経済的な理由のように見えて、実は第4段階の自己承認、つまり自信の程度が、その後を左右していることが多いようでした。

INSIGHT NOW! を訪れる方は、ビジネスマン、ビジネスウーマンが多いでしょうか。

そういう意味では、現在、少なくても第3段階、あるいは第4段階の方も多いかもしれません。

一方で、私はセラピーの講師として15年以上たちますが、意外にも、正社員の方の参加率は低かったと感じます。

その分、バイトや派遣社員、主婦の比率がとても高いのです。

彼女、彼らに比べれば、正社員のほうが自由になるお金の額は、多いはずなのに、
少なくても私が関わった方たちの中では、
例え自分と向き合い、自分を知る目的の受講でも、セラピーを学ぶことに、自己投資する正社員さんは、多くはありませんでした。

男性のビジネスマンは、もっと少ないです。でも、何か人生の課題にぶつかった時に参加された場合は、本当に熱心でした。

今の仕事が充実しているなら、それは、理想的でいます。
今をしっかり仕事するとご自身の第5段階「自己実現」につながるはずですから。

でも、もし、安全の欲求を満たせることに、比重をかけすぎると、
自己実現どころか、職場にしがみつくばかり… ということにもなりかねません。

また、定年退職後、○○会社の○○部長などの所属・肩書を失って、自分を見失う人がいます。
このケースは、第3段階の 所属の欲求、低い承認欲求より上の段階の欲求に気づかなかった可能性が…。

だから、第1~第 3までの欲求の段階を踏んでも、第4、第5段階に進めるとは限らない。
一方、第5の欲求が、いきなりあっても、第2、3、4も不安定だとうまく行きません

あらためてスピリチュアルって?

さて、話を戻し「スピリチュアル」についてです。

ここまで見た状況では、マズロー的であれ、逆マズローのようであれ、
命を輝かせて生きる、という状態ではなさそうですね。

では、どうしたら命を輝かせて生きられるのか、。

そのスタートは、案外簡単です。
それは、今、ここを生きること。ボディ結局今をよく生きることにしか、命は輝きようがないのですから。

その今の連続に未来があるのですから。

その時のセラピストの役割は、

心の奥の自身の真の気持ちに気づくサポート

そんな気持ちを抑えているなら(気づいていなくても)それを解放すること

そして気づいたらそれを実現するサポート

場合によっては、ボディとマインドをプロテクトされた感覚にすること

 ホリスティックな視点でのセラピストの役割ですね。

さて、あなた自身は、どんな生き方を望みますか。

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