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経営戦略構文100選(仮)/構文10:関連多角化/非関連多角化/伊藤 達夫

INSIGHT NOW! / 2016年10月28日 10時0分


        経営戦略構文100選(仮)/構文10:関連多角化/非関連多角化/伊藤 達夫

伊藤 達夫 / THOUGHT&INSIGHT株式会社

多角化は一般的にある程度までは収益性を上げるが、ある程度を超えてしまうと収益性を下げる。しかし、どのような多角化でも収益性を上げるかというとそうでもなく、事業間のケイパビリティ関連性がある多角化が必要となる。ケイパビリティ関連性のある多角化を関連多角化、ケイパビリティ関連性のない多角化を非関連多角化と言い、多角化に際しては関連多角化が望ましく、事業の整理に際しては非関連多角化の原因となっている事業の整理が望ましい。


おはようございます。「自己啓発系コンサルタント」に敵認定されているらしい伊藤です。クライアントの幹部の方々というか、私にお鉢が回る原因を作った方々にも嫌われますが、まさか自己啓発系の人々からの嫌われるとは・・・。嫌われ者、ここに極まれりですね。ただ、戦略のプロジェクト検討は区切りがついてもついてもエンドレスに続いていくので、私のことが嫌いだとすごーく大変な思いをすることになるでしょうね。てへへ!

ただ、自己啓発セミナーとか、有害ですからね。最近は、そっち系の人たちもロジカルに図解したりして表現するそうです。ロジックが大事なんだとか・・・。なんでも取り入れるそのスタンスは見習うべきでしょう。

でもね、コンサルティングのバリューがロジックだとか言ってるのって、マネジャーになれない下っ端の人たちだけですけどね・・・。チャート作成マシーンみたいな連中がいて、「ロジカルに図解」(失笑)することがコンサルティングバリューだと思いこんで、ファームを去っていく。

その劣化した教えがビジネス界を始めとして、その場末にある自己啓発界隈でも普及して、迷える子羊を騙す手段になっていく。いやー、せつない・・・。

こういうことを書くと、次の私の本のAmazonレビューは荒れるでしょうね。星1つが何個並ぶのでしょうか・・・。荒れっぷりが楽しみです。

あと、自称コンサルタント(失業者)なんて、プータロー(失業者)みたいなもんですからね・・・。私も彼らとさして変わりません・・・。仕事がなければプータローです。来年度、つまり2017年度の12月~3月ぐらいのプロジェクトを絶賛募集中です。この期間で大きな検討1つならできますよ。

さて、今日は多角化についてです。多角化には関連多角化と非関連多角化と呼ばれるものがありますね。写真はドローンを操作する女子大学生モデルの川村友歌さんです。いい笑顔ですね。

この写真のように、本社は笑顔でサブシダリーにハンズオンしたいものですが、なかなかそうもいきません。

あ、横文字がうざいですね。サブシダリーは子会社です。ハンズオンは事業経営への参画ぐらいの意味です。つまり、本社はいろいろ子会社に口を出して、子会社の収益の純粋な足し算以上の価値がでるように、いろいろとやっていきたいということです。でも、なかなかうまくいきません・・・。

今日のお話はそれはなぜか?というところともからんできます。ここからまじめに書きます。箸休めの方はご退場を。

単純に考えると、多角化をしようとした時に、2つの考え方があると思います。

まず、内部の「強み」を活かして多角化をしようという考え方です。強みという言葉は好きではないですが、複数事業を展開している企業があったとして、バリューチェーンを書き出してみます。そのバリューチェーンのプロセスの中で、共通度合いが高く、かつ付加価値の量が多いものが、複数事業で考えた時の強みでしょう。VRIOで細かくチェックしても構いません。

そのプロセスの遂行能力がケイパビリティと捉えられ、いわゆる強みになるケイパビリティなわけです。それを活かして他の市場に入っていくという考え方ですね。

もう1つは、外部に機会があるから、その機会を活かして多角化しようというものです。その機会を単純に捉えると、すごく成長している市場があるとか、そういったことになると思います。要は、儲かる市場があるから入ってみよう!というやつです。

日本の工場数の統計を経産省が出していますが、ここ5年でめちゃくちゃ増えています。工場の日本回帰でよかった!ということならいいのですが、ちょっと違います。統計に発電所がカウントされていて、太陽光発電所が恐ろしい勢いで増えたんです。なぜかって?政府がすごい値段で買い取ってくれるからですよ・・・。ソフトバンクの創業者の方の陳情ですよ。ええ、はい。香ばしくて香ばしくて・・・。

発電なんて縁遠い会社がバンバン入ってますからね。まさに機会があるからとりあえず発電所の申請しておこう、的な・・・。まあ、経産省も絞る方向性にあって、実際に絞り始めていますけどね・・・。いやー、香ばしい・・・。

ちなみに、工場の日本回帰が全くないかというと、去年、調べた私の記憶では、食品加工の一部が戻っていましたね。中国で食品事故が相次いだこととの関係は気になるところですが、そのあたりまで検証するプロジェクトでもなかったのでよくわかりません・・・。

脱線しました。話を元に戻しましょう。

要は、内部の強みを活かすか、外部の機会を活かすかの多角化の考え方があります。当然、両方を考慮するのが当たり前ではあるわけですけどね・・・。

ただ、最近では、どちらかと言えば、ケイパビリティのないものはできないことがわかっています。顧客基盤がない事業は厳しい、顧客へのインサイトが出ない事業は厳しい、同じような機能提供で済むような事業でないと厳しい、といったことは分かっています。

これと似ているようで違うのが、コア事業を中心とした多角化という考え方ですね。

自社の収益基盤となっているコアな事業をまず設定して、そのケイパビリティを活かすことを優位に考えて、展開するという考え方です。

当然、自社のコアな事業であるということは、ある程度の収益性があったということです。それが危機にさらされる恐れがあるなら、多角化という手段がある。どうやってか?と言えば、コア事業の周辺領域に移動していくプロフィットプールを追って、という考え方です。

現在は、この3つ目が主流というか、確実性が高いでしょうね。

シンプルに言えば、今、儲かっているものの周辺に少しずつプロフィットが出る場所が移動していく。その移動に対する対応という意味合いで多角化を考えていくということ、と捉えられるでしょう。

そうすると、自然に関連した多角化になっていきます。

当然、ケイパビリティ優位で多角化すれば関連多角化になるわけですが、それだと何が自社のコアか?がよくわからなくなって、意思決定のコスト、複雑性が上がってきて、結局マネジメントできなくなります。

外部環境の機会優位で多角化すると、非関連多角化になり、経営資源が分散され、結局は競争に負けることが多いでしょうね。収益性は低いままでしょう。

コア事業を設定した上での多角化は関連多角化になり、意思決定のコストも低く抑えられて、本社部門としてみれば、管理がシンプルで、「戦略的」にマネジメントできると思います。ただ、現場からは「うるさいなあ」と思われるかもしれませんけどね・・・。

いわゆる素人的な発想だと、内部を活かすか、外部を活かすか?みたいな話か、その折衷に行きやすいと思います。コア設定という考え方にはなかなか辿り着きません。

かつ、「強み」を中心として、というと、どうしても議論が抽象的な方向に行きがちです・・・。コア設定はけっこう難しいんですよね・・・。失業者にはできませんね・・・。

ちょっと長くなってきたので、今日はこれぐらいにします。仕事が忙しいですが、だいぶ調子がよくなってきて、頭が回るんです。しばらく調子が悪くて、プロジェクトもしんどかったのですが、ちょっとキレキレになってきた気がしています。慢心しないように、常に全力で頑張っていこうと思っています。

このサイトでは全力で嫌われに行きます。そして、失笑を買いに行きます。愛をもって眺めて頂けますと幸いです。

それでは今日はこのあたりで。次回をお楽しみに。




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