2017年、メールマーケティング業界で注目すべき3つの変化/エクスペリアンジャパン 株式会社
INSIGHT NOW! / 2017年2月10日 10時30分
エクスペリアンジャパン 株式会社 / エクスペリアンジャパン株式会社
1 パーソナライズドメールは次の次元へ突入する
これまで多くの企業が活用してきたパーソナライズドメール。もし、あなたがその施策を、ユーザーの属性データやアクセスログや購入情報をトリガーとした広義なレコメンドメールと捉えているのであれば、その考えは時代遅れになるかもしれません。
いまメールマーケティング業界で注目されているのは「コンテクスチュアル」(コンテクスト:文脈、前後関係、背景)であること、つまり、より具体的で、かつリアルタイムにユーザーの状況を察知して、ユーザー個々の文脈に沿ってメールクリエイティブを変動させる仕組みです。この仕組みは米国のスタートアップが2014年頃から開発を本格化させ、欧米では最も注目されているメールマーケティング技術の一つです。
ほんの一例ですが、具体的には、以下のような要素がコンテクストとしてメールに応用することができます。
- デバイスタイプ
- 開封場所/時間
- 開封した地点/気温の天気状況
- TwitterやInstagramなどのフィード情報
こうした要素を組み合わせることで、例えば「朝開封したら朝焼けの画像とその時点の気温情報を出し、夜開封したら夜景の画像とその時点の気温を出す」、「開封時点の最新の空席状況をメール内で表示する」など、これまでにないクリエイティブを表現することが可能になります。
2 AI技術とモバイル決済がトランザクションメールに変化をもたらす
言わずもがな、AI(人工知能)やApple Payなどのモバイル決済技術が今後の企業のマーケティング活動において重要な要素になっていきます。これらのテクノロジーがメールマーケティングにどう影響してくるのか。キーワードはトランザクションメールです。
eコマースにおいて重要なAI技術のひとつにChatbotがあります。ご承知のとおり、この技術は人工知能から派生した対話型のコミュニケーション自動化ツールです。Chatbotは、技術自体は新しい革新的なものですが、何をするツールかといえば、要は接客をロボットが行うというもので、アクションする中身自体は商品をレコメンドしたりメールの登録を促したりといった従来のコミュニケーションと変わりません。
こうしたChatbotやApple Payを代表するモバイル決済が今後トレンドになるにつれて、登録完了通知や購入明細といったトランザクションメールにも変化が起こるでしょう。これまではWebの登録フォームや購入決済ページとのシステム連携が主流でしたが、今後はこうした新しい仕組みとの連携が必要になってくると思います。また、クリエイティブの表現の仕方も変わってくるでしょう。特にChatbotの場合は対話式のコミュニケーションツールです。それに合わせてトランザクションメールもフレンドリーな表現にするなど、企業によってブランドの見せ方をより意識する必要が出てくるかもしれません。
3 ガラケーはいよいよクローズへ向かう
“NTTドコモは2日、ネット接続サービス「iモード」の機能を搭載した従来型携帯電話(ガラケー)の出荷を年内で終えると発表した。対応機の部材の調達が難しくなってきたため、在庫がなくなり次第、販売を終える” 日本経済新聞 記事より抜粋
“パナソニックなど日本の携帯端末メーカーが独自の基本ソフト(OS)を載せた従来型携帯電話、通称「ガラケー」の生産を2017年以降に中止する。スマートフォン(スマホ)の普及が進み、ほぼ日本だけで通用する従来型携帯は開発が重荷になっていた”
日本経済新聞記事より抜粋
こうした記事が発表されているとおり、これまで日本国内のモバイル市場を席巻していたガラケーが生産終了、さらにそのガラケーを牽引していたiモードがいよいよその役目を終えることになります。ここでメールマーケターが着目すべきは、やはりデコメの行方ではないでしょうか。
ガラケーの出荷終了、在庫のみの販売、アンドロイド端末へのシフト、ということを考えると、必然的にデコメの需要は減っていきます。2017年は、いよいよその現象が加速を始める年、ということになりそうです。言い換えれば、デコメを配信している企業はデコメ配信からの撤退について、そろそろ真剣な議論を始めたほうがよい、ということです。
2017年以降、いよいよモバイル市場はスマートフォンの独壇場になっていきます。さらに言えば、このスマートフォン対応も同時に検討を本格化させなければならない、ということにもつながるでしょう。
いかがでしたでしょうか。新しいテクノロジーがどんどん出てくることによって、メールマーケティング市場自体も進化を重ねる必要があり、また新しいテクノロジーとの共存を図る必要もあるでしょう。筆者の感触として、2017年はメールマーケティングにおいて重要な変革期になる気がしています。
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