アイデアは「25文字以内」が必須! G-SHOCK生みの親の発想法/LEADERS online
INSIGHT NOW! / 2017年12月14日 14時0分
LEADERS online / 南青山リーダーズ株式会社
G-SHOCKが長く愛されるワケ
G-SHOCKのGはGravity(重力)のことだ。3階からの落下実験を繰り返す伊部さんを見ていたデザイナーが名付けたという。 「発売から来年で35年。ずっと愛され続けているG-SHOCKですが、その理由はなんだと思いますか?」とタケ小山。
「ひとつは丈夫だということと、時代に合わせて進化し続けたこと」だと伊部さん。そして「メディアの方々が定期的にG-SHOCKを取材してくださったことが大きかったと思います」と言うが、G-SHOCKにそれだけの魅力があるから取材されるのだ。
G-SHOCKが変わらないのはその丈夫さ。そこに最新のテクノロジーと最新のスタイリングを取り入れ、常に進化し続けている。
「ファンの方は、ショップに行くのが怖いと言うんです。自分が持っていないG-SHOCKを見つけると、買いたい衝動を抑えきれなくなるからと(笑)」
90年代の大ヒットから一時、人気は落ち着いたが、ここ数年、再び盛り上がりを見せているのだ。90年代のブームのピーク時は年間600万個を出荷していたが、なんと2014年度は730万個、2015年度は800万個、2016年は850万個と過去最高を記録し続けているのだ。
そして今年は、G-SHOCKがシリーズ累計出荷1億本を突破して記念式典が行われた。 今の好調な勢いからすれば1億本はあくまでも通過点だろう。
伊部流 アイデアを生み出すコツ
「アイデア出しする際は、頭の中をまずチャラにしてから」
現在は後進の育成に力を入れているという伊部さんが勉強会で必ず伝えていることだ。
「アイデア出しをする際、どうしても今までの商品が頭の中にあるんです。だから、なかったことにする。そこからスタートすると新しいアイデアが生まれるんです」
G-SHOCKがもし上辺だけ変えていたなら、これほどまでに愛され続けていなかったであろう。
「最新のG-SHOCKの、あそこを変えよう、ここを変えようと言うだけでは、決して新しいものは生まれないんです」
だからこそ頭の中をチャラにする。これこそ伊部流アイデア出しのコツだ。 ただG-SHOCKの場合、ひとつだけチャラにしてはいけないものがある。それは“丈夫”であること。
G-SHOCKが誕生したキッカケにもなった“非常識なモノへの挑戦”と、伊部流アイデア出しのコツ“まずチャラにしてから”。これらがG-SHOCKの進化を支えてきたのだろう。
「『伝えたいことは25文字以内で』とあるんですが、これはどういうことですか?」とタケ小山。
「本質を突き詰めるには25文字位が妥当だと思っています。25文字以内であれば、言ったことが頭の中で想像できるんです」
伊部さんは若手から上がってくる企画書を2~3度突き返すと言う。
「きれいな企画書を作ることに力を削いで本質がわからなくなってしまうんです。だから、まず1枚にまとめてもらう。更にそれを半分にしてもらう。最後はひと言で言ってみて」と25文字程度まで削り込む過程で、本当に企画書で訴えたいことが浮かび上がってくるのだそうだ。
「実は私の理想は10文字。それができたら普遍的な提案になると思います。しかし、なかなか出来ないので25文字と言っています(笑)」
物腰が柔らかく、笑顔で話し続ける伊部さんだが、『頭の中をチャラにする』も、『25文字でまとめる』も、かなり厳しい要求である。
「G-SHOCKはお客様の期待値以上のものを商品化しなければなりません」
常に高いハードルを掲げ商品開発に取り組んでいるからこそG-SHOCKは伝説となっているのだろう。
35年目の伝説。そして未来へ
“壊れない時計”をコンセプトに生まれたG-SHOCKは、ファンの期待値以上の進化を続け、来年35周年の節目を迎える。この先、G-SHOCKはどんな進化を見せてくれるのだろうか?
「現在G-SHOCKは、地球上のあらゆる場所で使うことが出来るようになりました。それを宇宙環境の中でも使えるようにしたいのです。温度差が非常に激しい宇宙空間でも耐えられるデジタル機器としてのG-SHOCKです」
『空の王者。陸の覇者。海の強者。』とすでに地球上を制覇しているG-SHOCK。伊部さんの次なる野望は宇宙。
「これまでの考え方は、耐えると言うことでした。低い温度に耐えるとか、高い温度に耐える。しかし宇宙空間では耐えるのではなく共存する。例えば低い温度の時時計が発熱して温めるとか、温度が高い時は時計が冷却する、そして環境と共存するんです」
なるほど、頭の中をチャラにして考えなければ出てこないアイデアだ。
「最近は、スマートフォンの普及で腕時計をしない人が増えていますが?」とタケ小山。
「我々がこれからアイデアを出していかなければならないのは、腕時計をすることによってより快適になるということ。そこを考えなければ腕時計は廃れていってしまうという危機感は持っています」
G-SHOCKのようなブランドが牽引して腕時計の文化を廃れさせないで欲しいものだ。
来年、35周年を迎えるあたり伊部さんはサプライズを考えているようだ。
「もう一度自分で非常識に戻ってみたいと思ったと考えたんです。G-SHOCKの原点は非常識ですから。非常識なものをもう一度チャレンジしようと考えています」
G-SHOCK生みの親である伊部さんの構想とは?
「100人が見て100人がびっくりするものを企画しています。ただあまりにも非常識になってしまって実現の可能性が非常に少ないですね(笑)」
そのヒントでもいいから教えて欲しいとタケ小山は食い下がるが「来年の春に公表しますので、そのタイミングでまたインタビューに来てください(笑)」と。
『The News Masters TOKYO』ではいち早くお届けしたいと考えている。
文化放送『The News Masters TOKYO』のタケ小山がインタビュアーとなり、社長・経営者・リーダー・マネージャー・監督など、いわゆる「リーダー」や「キーマン」を紹介するマスターズインタビュー。音声で聞くには podcastで。
The News Masters TOKYO Podcast
https://itunes.apple.com/jp/podcast/the-news-maste...
文化放送「The News Masters TOKYO」http://www.joqr.co.jp/nmt/ (月~金 AM7:00~9:00生放送)
こちらから聴けます!→http://radiko.jp/#QRR
パーソナリティ:タケ小山 アシスタント:小尾渚沙(文化放送アナウンサー)
「マスターズインタビュー」コーナー(月~金 8:40頃~)
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
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