ロボアドバイザー。手軽さが広げた投資の預かり資産は、1000億円以上に!/LEADERS online
INSIGHT NOW! / 2018年5月1日 11時0分
LEADERS online / 南青山リーダーズ株式会社
資産配分から見直しまでを指南
投資を始めるときのセオリーは、数年前までは次の形態が一般的なものでした。
まずは、証券会社やファイナンシャルプランナーのアドバイスをもとに、ポートフォリオ(資産配分)を作成。その比率に沿って投資する株や債権を決めていく……。
しかし、ITによる金融のスピード化や、ローコスト化をうながすフィンテックの加速により、ネット証券などに自分の口座を開設し、自分で考えながら手軽に投資を行う人が急増。投資の間口は大きく広がりを見せはじめます。
一方、市場の値動きに振りまわされたり、利益を出すことに難しさを感じているユーザが増えているのも事実。こうした流れのなか、投資ビギナーの指南役として人気が高まっているのがロボットアドバイザーなのです。
ロボットアドバイザー = 通称「ロボアド」とは、ロボットとアドバイザーを掛け合わせた造語のことで、カンタンに言えば、これまで金融のプロに託していた難しい投資の判断をロボットに任せてしまおう……というもの。具体的には、証券会社などがフィンテック系の会社と(合同or提携)によって開発したアルゴリズムを使い、その投資家が株や債権などをどのような比率で持てば最善かを指南してくれたり、市場の動向に合わせた見直しをしてくれるようになったのです。
ロボアドが投げかける、質問の意図
前述したように ロボアドは統計学的な理論に基づき、買うべき金融商品の組み合わせを計算していきます。その場合、個人の資産状況、ライフプラン、年齢、リスクとリターンに対する考え方によって、どのような株や債権に投資するのか、その組み合わせや比率は当然変わってくることになります。
ロボアドは、年齢、年収、リスクに対する考え方、運用期間などパーソナルな質問をユーザに投げかけ、最適なポートフォリオを組むためのリスク許容度を診断していきます。当然ながら、ハイリターンを期待するならリスクを大きくとらなければなりませんが、仮に収益がマイナスに振れたときに生活に支障をきたしたり、精神的なダメージを被るようであれば、その人にとっては合っていないことになります。
自分のリスク許容度を見極めることはとても大事で、ロボアドの仕事は、ユーザごとのリスク許容度を診断し、最適な資産運用プランを見つけていくことになります。さらに現在、楽天証券などのネット証券をはじめ、野村證券、大和証券などの大手証券会社まで約20社が参入していますが、「Wealth Navi」のように米国上場ETFを対象に国際分散投資を行うものや、楽天証券の「楽ラップ」のように、おもに投資信託を対象に投資を行うものなど各社個性や特性が異なるので、それらの違いもしっかり見極めていく必要もあります。
投資一任型は、リバランス機能も
ロボアドには「アドバイス型」と「投資一任型」の二つのタイプがあります。
「アドバイス型」は、文字どおり資産配分のアドバイスのみを行ってくれるもので、その先の売買は自分の判断に委ねられます。
一方の「投資一任型」は、買うべき金融商品の判断から運用まですべて行ってくれるサービス。具体的にはロボアドが提示したポートフォリオを了承・契約したら、自動でその金融商品を買い付けてくれます。
さらに、ある資産の価格が上がり、別の資産は下落するといった具合に相場が変動していくと、自動的にリバランス(資産配分の再調整)を行い、リスク水準を保つように努めてくれます。リバランスとは崩れてしまった投資配分計画を元に戻そうとする行為で、とくに長期運用では定期的なリバランスは大切になります。しかし、個人の判断が問われる資産の売り買いは運用管理の難しい部分であり、この点をロボアドが判断し自動で行ってくれることは、投資ビギナーにとって大きな魅力といえます。リバランスの頻度や方法については各社相違があり、どのような性格を持っているか見極める必要があるでしょう。
手数料やNISAへの対応は?
これまでご紹介したように、ロボアドは「放ったらかし」にしておいても勝手に運用してくれるもの。しかし、「いかに運用されているのか」をチェックするのは、あくまで自分自身であることは認識しておくべきでしょう。運用内容は、運用報告書にまとめられ通知されますので、信頼関係を構築していくうえでも投資を学ぶうえでも、自分のお金の動きを把握しておくべきです。
ちなみにアドバイス型は手数料無料(※一部有料もあり)ですが、投資一任型は年率1%前後の手数料がかかります。また気になるNISAについては、アドバイス型にも対応していますが、投資一任型は対応していません。
一見、メリットが多いと感じるロボアドですが、投資である以上、人間であれロボアドであれ、リスクがあることはしっかり認識しておくべきです。さらには、たとえば収益がマイナスに振れてしまった場合、ロボアドに一任していることに不安を感じずにいられるか……といった点も冷静に考えるべきでしょう。日本で始まってまだ日が浅いロボアド。楽観視すべきでない点や考慮すべき点が多いのも確かですが、果たしてみなさんはどのようにとらえるでしょうか?
≪記事作成ライター:ナカムラミユキ≫
石川県金沢市在住。広告制作会社にて、新聞広告を手がける。映画、舞台からメーカー、金融まで幅広い記事広告を担当。著名人インタビューや住宅関連、街歩きコラム、生活情報まで興味の赴くまま執筆しています。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
少し古いAIだからいい…「AI投資」達人が指南する"儲かる5大鉄則"と驚きの運用実績シミュレーション公開
プレジデントオンライン / 2024年4月25日 7時15分
-
私のファンドは大丈夫?相場急変時の心構えと対処法
トウシル / 2024年4月23日 7時30分
-
資産運用において“AIの暴走”はあり得ないのか? 新NISA開始で“投資初心者”の立ち回りをプロに聞く
ORICON NEWS / 2024年4月15日 9時10分
-
富裕層の資産形成をサポートする「プライベートバンカー」の具体的な仕事内容とは?【公認会計士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月3日 11時15分
-
インデックス投資とは?メリット・デメリットや初心者が失敗しないコツを解説!
ファイナンシャルフィールド / 2024年3月29日 9時26分
ランキング
-
1【解説】円安どこまで進む? 深刻…家計にも影響、為替介入の可能性は
日テレNEWS NNN / 2024年4月25日 20時5分
-
2なぜ歯磨き粉はミント味? ヒット商品の誕生には「無駄」が必要なワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月26日 8時0分
-
3英郵便局の冤罪事件、会計システム原因の富士通社長「申し訳ない」と謝罪…1月にドラマ化され批判強まる
読売新聞 / 2024年4月25日 23時0分
-
4濃口醤油と淡口醤油、塩分が高いのはどっち?…醤油の「色の濃さ」と「味の濃さ」の知られざる関係
プレジデントオンライン / 2024年4月26日 8時15分
-
5突然現場に現れて「良案」を言い出す上司の弊害 「気になったら即座に直したい」欲求への抗い方
東洋経済オンライン / 2024年4月26日 8時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください