個人でも可能な電子出版 誰でもできる電子出版 第四十九回
ITライフハック / 2015年5月28日 9時0分
![個人でも可能な電子出版 誰でもできる電子出版 第四十九回](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/itlifehack/itlifehack_10806_0-small.jpg)
■はじめに
本ブログは隔週で掲載しているので、1回お休みすると約1か月ぶりとなります。
今回は情報系の内容で行ってみようと思いますが、約1か月の間のニュースからピックアップするので、タイミング的に微妙なトピックがあるかもしれませんが、ご容赦ください。
■iBooks AuthorブックがiPhoneでも閲覧可能に
本ブログで結構プッシュしているApple製電子書籍制作アプリ「iBooks Author」がiPhoneでも閲覧できるようになるそうです。
これはiOS8.4のリリースに伴う変更とのこと。
一応iBooks Authorについてご存じない方向けに少しご説明します。
Appleの電子書籍環境は、電子書店であるiBooksストアで購入した電子書籍を、電子書籍リーダーアプリiBooksで閲覧する、というものです。
iBooksストアで販売可能な電子書籍フォーマットは、EPUB形式とiBooks Authorブック形式で、iBooks Authorブック形式というのはiBooks Authorで制作した電子書籍の形式のことです。
EPUB形式は電子書籍の標準形式で、iBooksストアの他さまざまな電子書店に入稿できますが、制作用の手頃なツールが無くHTMLやCSSのソースコードを直接編集することも少なくありません。
それに対して、iBooks Authorブック形式はiBooksストアでしか販売できないものの、制作ツールのiBooks Authorがとても出来がよく制作が苦にならないという特徴があります。
この辺りは、本ブログでも幾度か触れてきた話です。
そのiBooks Authorブック形式は今までMacのデスクトップ環境かiPadでしか閲覧できませんでした。
つまり、iPhoneやiPod TouchではiBooks Authorブックが閲覧できなかったのですが、それが今度のiOS8.4のアップデートでとりあえずiPhoneで閲覧が可能になるということなのです。
まだ詳細はよく分かりませんが、閲覧できるようになるのが画面の大きいiPhone 6/6 Plusだけなのか、それ以前のiPhoneでも閲覧できるのか、iPod Touchではどうなのか、気になるところです。
また、制作時にiPhoneで閲覧できるようにするための設定などは必要ないのか、と言った点も気になります。
iBooks Authorブックには、インタラクティブなオブジェクトが利用可能なので、スマホサイズの画面ではスムーズな操作が難しそうです。また、iBooks Authorブックは固定レイアウトが基本になるので、文字サイズがとても小さくなってしまうでしょう。
この辺り、Appleが何かしらの工夫を盛り込むことができるのかチェックしたいと思います。
■インプレスR & D社のOnDeckがWebに移行
2015年5月14日に、インプレスR & D社が2010年12月から発行してきたEPUB電子雑誌「OnDeck(オンデッキ)」がEPUB形式での配布形態からWebでの公開に切り替わりました。
インプレスR & D社のリリースでは、OnDeckは「EPUBの普及を目的の1つ」として創刊し、4年余りが経過した現在「当初の主目的は達成された」と判断し、「次のミッションのためにリニューアル」を決断した旨が公開されています。
インプレスR & D社のOnDeckは、2010年当時からEPUBベースの電子書籍に取り組んでいらっしゃった方々にとっては、いろいろな意味で参考にするところの多い電子書籍だったと思います。
当時のEPUBはEPUB2.0で、縦書や右開きなどを設定できず日本ではまだまだマイナーな形式でした。
当時の制作者は欧米のEPUBファイルを参考にしたり、日本で制作された数少ないEPUBファイルを相互に参考にしたりしていました。そんな中、OnDeckを参考にされた方は少なくないはずで、その影響は想像以上のものがあると考えます。
HTMLやCSSの基本的な設定はもちろん、各プラットフォームでのEPUB書籍の閲覧方法(アプリの入手先や操作方法)の紹介や、行末をきれいの揃えるために英数文字を全角にする(…うろ覚えですが、そんなこともやっておられた気がします)といったTipsなど、広い範囲で意識の高さを感じたものでした。
そんな個人的な感慨から、今回OnDeckのWeb移行のトピックを取り上げた次第です。
次のミッションのためのリニューアルという、前向きな言葉を目にしてもなおやはりどことなく寂しさみたいなものは感じます。
OnDeckが廃刊になるわけでもないのですが、ひとつの区切りではあると思うのでこの場を借りて、勝手に感謝を述べたいと思います。
インプレスR & Dさん、OnDeck参考にさせていただきました。ありがとうございます。新たな取り組みにも期待しています。m(_ _)m
■最後に
今年は5月にもかかわらず既に真夏のような暑くなっていますね。
5月は8日と23日に子供の運動会があったのですが、どちらも日差しが強く日焼けや熱射病に十分注意しました。
まったく電子書籍と関係なくて恐縮ですが、皆さまもこの暑さには十分ご注意ください。
最後に例によってハンズオントレーニングのお知らせです!
いずれも原宿のロクナナワークショップのハンズオン講座です。
結構ちょこちょこ各ストアの状況が変わっていますので、随時内容を更新しています。
・「Amazon:Kindleストア用電子出版講座」
Kindle向けの電子書籍の制作とリリースの手順を扱った講座です。
次回は6月2日の予定です。
・「Apple:iBooksストア用電子出版講座」
iBooks Authorを利用した電子書籍の制作と、iBooksストアへのリリース手順を扱った講座です。
次回は6月9日の予定です。
いずれも、電子書籍の制作はハンズオン、リリースの手順はセミナー形式で行います。
是非ご参加ご検討ください!
■著者プロフィール
林 拓也(はやし たくや)
テクニカルライター/トレーニングインストラクター/オーサリングエンジニア
Twitter:@HapHands
Facebook:https://www.facebook.com/takuya.hayashi
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