発注者とゼネコンの立場が逆転!収益改善目立つ中堅建設 注目銘柄を斬る【ビジネス塾】
ITライフハック / 2014年2月26日 0時0分
建設業界にようやく明るさが戻ってきた。背景は、2014年度予算案での公共事業費が前年比12.9%増の約6兆円となるなど、東日本大震災からの復興や「国土強靱化」が進ちょくしていることと、首都圏を中心として大型オフィスビルの建設が進んでいることだ。消費税の駆け込み需要も後押ししている。
大手はもちろんだが、中堅を含む22社の2014年3月期第3四半期累計(12年4-12月)を見ると、単体での通期受注達成率は大手4社が88.2%に対し、中堅17社は93.8%と、むしろ中堅の方が好調だ(合併した安藤ハザマを除く)。事業別では、土木事業よりも建設事業の方が達成率が高い。工事粗利率も、大手が減少傾向であるのに対し、中堅は一部を除いて改善している。
各社の動向を追ってみた。
■中堅建設各社の動向
昨年4月に新会社を発足させた安藤ハザマは、2014年3月期通期の営業益を従来予想70億円から101億円と大幅に上方修正した。第3四半期の受注高、とくに建築事業のそれが前年同期比で2.5倍に増加したことが大きな原因だ。
最近受注した業務には、リゾートホテル「エクシブ鳥羽別邸(仮称)」(三重県鳥羽市)、パチンコメーカー大手・ニューギンの東京ビルなどがある。
西松建設は、すでに第3四半期で2014年3月期の経常利益進ちょく率が151.4%と上回った。ただし、第4四半期は赤字化を予想、通期計画は据え置いた。
面白い動きとしては、玉川大学との産学連携で蓄積した植物工場技術をベースに、独自のモデルプラントを神奈川県相模原市に開設する計画だ。リーフレタスを生産・収穫できる完全人工光型プラント、システム販売に乗り出す。
海外進出では、新市場として注目されるミャンマーに営業所を開設、同国のインフラ整備をはじめ、東南アジア全域に進出先を広げる構えだ。
戸田建設も、通期計画の経常利益60億円に対して、進ちょく率は144.1%と上回った。受注した業務としては、三菱UFJリースなどと共同で、長崎市でメガソーラー発電事業に参画している。営業運転開始は2015年4月の予定。世界貿易機関(WTO)適用対象である、西日本高速道路四国支社の高松自動車道大坂トンネル南工事も受注した。東京の豊洲新市場(仮称)水産仲卸売場棟ほか建設工事の一部にも参加する。
五洋建設はこの第3四半期、77.4%増と、全ゼネコン中でもっとも受注高が増えた。通期経常利益は17.3%上方修正し、増益率は14.3%増から34.2%増へと拡大する見通し。
こちらも、シンガポールの鉄道トンネルを受注したほか、ミャンマーの工業団地開発の一部を請け負うことが決まった。また、WTO対象である東日本高速道路北海道支社の、北海道横断自動車道忍路工事を受注している。
■株価は上昇第2ラウンドへ!
建設業界にとっては、2020年の東京オリンピックにおけるインフラ整備で計画される約4500億円の予算、さらに新興国のインフラ整備で大きな恩恵が期待できる。
人手不足による人件費の高騰と円安による資材費上昇は懸念材料で、自治体の発注工事への入札への参加をためらう「入札不調」なども相次いでいる。しかし、建設投資額の大幅増加は発注者とゼネコンの力関係を逆転させており、工事単価の伸びが収益を下支えすることは確実だ。
長期大型工事主体の大手ゼネコンも来期以降は収益の改善が見込まれが、当面は中堅ゼネコンの収益性が評価される局面が続こう。収益率改善の動きは急ピッチであり、低位に甘えていた株価も意外高となる可能性が高い。昨年の上昇が第1ラウンドだとすると、保ち合いから上放れを模索する現在は上昇第2ラウンドの序曲。ここでの押し目は絶好の買い場を提供しよう。
(小沼正則)
※投資の判断、売買は自己責任でお願いいたします。
■電子書籍好評発売中(AmazonよりKindle版)
あのファーストリテイリング(ユニクロ)を真っ先に推奨したこ
とで知られる“銘柄発掘のカリスマ”小沼正則の投資・ビジネ
ス塾が電子書籍になりました。第一弾は、最新情報と投資へ
のノウハウを読みやすくまとめ、初心者にもわかりやすくな
っています。スマホやタブレットでいつでも手軽に読めます。
まもなく第二弾、第三弾が登場しますのでご期待ください。
■ITライフハック
■ITライフハック Twitter
■ITライフハック Facebook
■ビジネス塾に関連した記事を読む
・週末のG20に注目!米「出口」に対する新興国の反応は?
・構造改革で復活?NEC&富士通に注目 注目銘柄を斬る
・新興国騒動の裏で米雇用情勢が黄色信号 FRBは「出口」を続けるか
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
天野秀夫 中小型厳選株 「オープンワーク」に一段高の期待膨らむ 社員口コミサイトを開発・運用、自社株買い発表の好業績低位株
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月21日 6時30分
-
高配当株ランキング~7-9月期の決算発表を受けて株価評価が高まった高配当利回り銘柄
トウシル / 2024年11月20日 16時0分
-
凄腕アナリスト ザ・覆面 「住友電工」は上昇ステージ第2幕、通期利益予想を上方修正 電線御三家で最割安、株価低位の魅力
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月20日 11時0分
-
天野秀夫 中小型厳選株 「テクノロジーズ」に先高観あり 100億円超のビッグディール計上なるか 今1月期85%営業増益達成に期待
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月14日 11時0分
-
トラトラ株 「ウッドワン」業績回復、工場閉鎖効果や子会社の輸出が好調 「バンダイナムコHD」全事業の前年同期比で増収増益
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月9日 15時0分
ランキング
-
1『シャニマス』に武藤遊戯?混乱の声 ショップ「武闘遊戯」見間違い続出でトレンド入り「脳がバグった」
ORICON NEWS / 2024年11月22日 18時32分
-
2「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
ねとらぼ / 2024年11月22日 17時40分
-
3自分のスマホが犯罪インフラに? 知らぬ間にSMS大量送信、日本サイバー犯罪センターが警鐘
おたくま経済新聞 / 2024年11月22日 15時0分
-
4イオシス、“あのスマホ”大量入荷 「待ってたぜェ、この瞬間をよォ!!」
ASCII.jp / 2024年11月22日 15時5分
-
5明石家さんま、VTuberになっていた―デビュー配信からホロライブ、にじさんじとコラボした謎の新人「八都宿ねね」の正体に宝鐘マリンらも驚愕
インサイド / 2024年11月22日 10時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください