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アクティブラーニング推進・高度化への新たな試みとして高専初の反転学習にgacco(ガッコ)の講座を活用

ITライフハック / 2015年6月23日 17時0分

アクティブラーニング推進・高度化への新たな試みとして高専初の反転学習にgacco(ガッコ)の講座を活用

石川工業高等専門学校電子情報工学科では、高等専門学校初の試みとして、NTTナレッジ・スクウェアとNTTドコモが共同で推進している日本初の大規模公開オンライン講座(MOOC)提供サイト「gacco」(ガッコ)の講座を活用した対面授業を実施する。

同校の2年生を対象とした授業(授業名:「電子情報工学基礎II」)の事前学習教材として「gacco」で2015年2月に開講された、「3Dプリンタとデジタルファブリケーション」を採用し、基礎的な学習を事前にオンラインで予習し、教室ではディスカッション等の発展的な学習を対話的に行なうことによって、学習効果を高める、いわゆる反転学習を行う予定。

具体的には「gacco」の動画視聴による知識の習得、ディスカッションボード(学習掲示板)による受講者同士の意見交換や協調学習、確認テストや最終テストによる知識の定着など、事前にオンライン学習をすることで、より学習効果の高い反転授業の設計が可能になる。

またこうした反転授業を実施することにより、学生の興味・関心を高め授業の活性化を促進させ、学内における能動的な学び(アクティブラーニング)の推進・高度化を試みる。

石川工業高等専門学校電子情報工学科小村 良太郎准教授は『座学による学習と発展的学習の組み合わせは高い学習効果が得られますが、両方を講義に取り入れると時間が不足しがちです。「gacco」の質の高い講座コンテンツを座学に変わる予習教材として活用することで発展的学習に注力できます。』と、この取り組みへの期待について述べている。

今回のように「数多くの受講者から好評を博しているMOOC講座を反転学習の教材として採用すること」について、反転学習について研究している東京大学大学院情報学環山内 祐平教授は「理工系の授業は一般的に内容の互換性が高く、米国でもMITが制作した電子工学のMOOCコースをサンノゼ州立大学の反転授業で利用したような事例がある。このような形で高等専門学校の授業と大学の工学教育の相互乗り入れが進めば、日本の工学教育の基盤はさらに強化されるだろう。」とコメントしている。

「gacco」を提供するドコモ、ナレッジ・スクウェアは、今後も幅広い用途にMOOCの学習プラットフォームを提供するとともに、アクティブラーニングに関わる教育支援(FD)・教材活用など今後高専で取り組まれるICTを活用した新たな学習形態の実現を協同で推進し、国内で不足している幅広い教養と専門的な技術を合わせ持った、イノベーションを実現できる実践的技術者の人材育成に寄与していくとしている。

※MOOC:Massive Open Online Coursesの略。Web上で誰でも無料で参加可能な、大規模かつオープンな講義を提供し、修了者に対して修了証を発行する教育サービス。2012年より米国を中心として、主要大学および有名教授によるオープンオンライン講座として公開され、世界中から2000万人以上が受講している。
※アクティブラーニング:教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学習者の能動的な学習への参加を取り入れた教授・学習法の総称。

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