NVIDIAのノートパソコン用GPU「GeForce 800M」の特徴【デジ通】
ITライフハック / 2014年3月14日 4時0分
昨日紹介したようにNVIDIAのノートパソコン用GPU「GeForce 800M」シリーズが発表された。約1年前の2013年春に「GeForce 700M」シリーズが登場しており、ちょうど1年で後継が登場したことになる。
デスクトップパソコン用のGPUでは、ミドルレンジクラスから、先日登場したKeplerに代わる新しいMaxwellアーキテクチャーを搭載したGeForce 750シリーズなどが登場している。同じようにGeForce 800Mシリーズでも、ミドルレンジではMaxwellアーキテクチャを採用するなどして機能が向上している。
搭載製品が日本で登場するのはまだ時間がかかりそうだが、GeForce 800Mシリーズはどんなユーザーに最適だろうか。
先述したようにGeForce 800Mは700Mの後継に位置づけられる。700Mは多くの製品でKeplerアーキテクチャーを採用していたが、新しい800Mシリーズでは、最新のMaxwell、次いでKepler、そして2世代前となるFermiの3つのアーキテクチャーが採用されている。これでは各製品のスペックやパフォーマンスの優劣がわかりにくい。
ということでシンプルな理解方法を教えよう・基本的に、数字が大きい方が性能が高いと思えばいい。今回のモデルで最も高性能なのはGeForce 880Mだ。しかし、ハイエンドのGeForce 880M、870MはKeplerアーキテクチャーを採用している。新しいMaxwellアーキテクチャーを採用したのは、GeForce 860M、850M、840M、830Mのミドルエンドからローエンドの製品だ。最もローエンドの820MはFermiアーキテクチャーを採用している。
GeForce 860Mに関してはKeplerとMaxwellの2モデル存在するのでこれまた注意が必要だ。
前モデルの700Mと比べた場合の性能向上の大きなポイントは、クロック周波数で780Mは823MHz、880Mは954MHzとなり、NVIDIAが公表している性能向上の15%という数値と重なる。Maxwellアーキテクチャーを採用したミドルレンジの製品の方が性能向上率は高いが、動作クロックはハイエンドモデルには届いていない。
■旧モデルでもドライバーの更新で「ShadowPlay」、「GameStream」に対応
今回の800M含め、旧製品の700Mや600Mで、Keplerアーキテクチャ以上を採用しているNVIDIAのGPUはドライバのアップデートでShadowPlay、GameStreamに対応する。
ShadowPlayはゲーム画面を録画する機能で、NVIDIAのGPUの機能を利用する。録画処理でシステムに与える負荷は、NVIDIAによれば5%程度と少なくゲームプレイ画面を簡単にかつコマ落ちなしで録画できる。GameStreamはNVIDIAの携帯ゲーム機SHEILDでPCゲームをストリーミングプレイできる機能だ。
これらの機能は、従来はデスクトップ用だけだったが、ドライバ更新だけでノートパソコンでも利用できるようになるのはありがたい。
■省電力性能こそが800Mシリーズの最大のメリット
昨日も紹介したが新しい800Mシリーズの最大のポイントは「Battery Boost」機能だと言える。ゲームプレイ中のバッテリー駆動時間を大幅に伸ばせる機能で、800Mシリーズ全モデルで利用できる。
バッテリー駆動時に切り替わるとゲームの画質などの設定を自動変更するため、最大パフォーマンスは出さないが、バッテリー駆動で少しでも長く遊びたい場合などに有効活用できる。ゲームによっても異なるが、1.5倍から2倍程度と大幅にバッテリー駆動時間が伸びる。
最近はゲーミングノートパソコンもUltrabookなどの影響で薄型になる傾向にあるが、発熱も抑えられるし冷却ファンのノイズが圧倒的に静かになるなどほかの部分でもメリットがありそうだ。
また、ミドルレンジのGeForce 850Mは3年前にハイエンドだったGeForce 580Mに比べて、3割ほど性能が向上している。数世代前の製品を利用している人が、GeForce 850M搭載ノートに乗り換えたのであれば様々な機能向上を含めてミドルレンジでも十分な性能だと実感できるだろう。
今後、GeForce 800Mシリーズを搭載したゲーミングノートパソコンは国内でも順次登場してくるだろうが、古い世代からの切り替えはもちろん、持ち歩いてバッテリー駆動でもゲームを遊びたい人には特におススメとなりそうだ。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
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