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世界のオープンソースソフトウェア市場を牽引!ブラック・ダック・ソフトウェアの事業戦略

ITライフハック / 2014年3月18日 1時0分

世界のオープンソースソフトウェア市場を牽引!ブラック・ダック・ソフトウェアの事業戦略

ブラック・ダック・ソフトウェア株式会社(以下、ブラック・ダック)は、2014年3月12日(水)に青山ダイヤモンドホール2Fアイリスにて「事業戦略発表会」を開催した。

発表会では、昨年12月4日に就任した、新しい最高経営責任者(CEO)Lou Sipley(ルー・シップリー)が日本で初めて挨拶をするとともに、世界のオープンソースソフトウェア(OSS)市場を牽引してきた同社の新製品「Black Duck Suite 7」の発表があった。

同社は、この5年間、常に前年を大きく上回る成長率を記録し、OSSの利用、ガバナンスと管理における有力なパートナーとして評価の高いソフトウェアとコンサルティング、OSSの技術と手法を提供しており、様々な規模の企業で利用されている。

オープンソースを活用してシステムや新たなサービスを開発した際に問題になることとして、同様のサービスを真似されてしまったり、勝手に流用されて別のサービスを開発されてしまったり、ということが起きる。誰でも自由に使えるオープンソースが抱える問題点だ。しかし、こうしたオープンソースを活用して新サービスを開発しつつも、そのサービスを保護しビジネスにつなぐことができるようにしてくれるのがブラック・ダック・ソフトウェア株式会社のサービスだ。

今回、既存市場および新市場での成長を加速させるため、技術・仮想化・クラウドの専門知識と豊富な経験を有し、VMTurboでCEOを務めたLou Sipley(ルー・シップリー)氏が新CEOに就任。今回の事業戦略発表会をを開催するに至った。

■企業のオープンソース活用を支援したい – Lou Sipley氏
今回の発表会は、ブラック・ダック・ソフトウェア株式会社最高経営責任者(CEO)Lou Sipley(ルー・シップリー)氏の挨拶から始まった。オープンソースソフトウェアの市場は急激に成長しており、同社の製品はグローバルで24か国、1,300企業で導入されているという。

たとえば検索エンジンで有名なGoogleは、スマートフォン市場においてFLOSS(Free/Libre and Open Source Software)であるAndroidで大成功している。それを踏まえ、オープンソースの新たな展開として自動車のソフトウェア・ベンダーとのタイアップを模索しているという。

つい先日、アップルのiOS 7.1が公開されたが、そこに搭載されている「CarPlay」対応の車がボルボ、メルセデスベンツ、フェラーリから発売されるという発表があった。Androidでも同様のシステムを作ることは可能なわけで、そうしたことに興味を持つベンダーはコンタクトを取ってみるといいだろう。

同氏は「モノのインターネット」(Internet of Things:IoT)についても触れた。今後数十年以内に50億以上のさまざまなデバイス(モノ)がネットに繋がる時代がくる。ネット接続機能を持つ様々なモノが製作されるペースが速まってきており、それがソフトウェア業界にも大きな影響を与えるというのだ。

同氏は一例として、モノのインターネットに関するコミュニティ「ALLSEEN ALLIANCE」を挙げた。Qualcomm のオープンソース「AllJoyn」では、家電をはじめとする様々なデバイスでの利用を目的としている。たとえば、LG電子は、同社のテレビにAllJoynを採用するとしている。

そうした、様々なモノによるインターネット接続が普及するためには、自由に使えるオープンソースであることが重要なわけだ。同社としては、企業がオープンソースを活用して製品開発を行うのを様々な角度から支援して行きたいという。

発表会では、エンタープライズ向けのOSS導入ソリューション「Black Duck Suite 7」についても触れられた。Suite7はエンタープライズ(大企業)が統合化と自動化を強化したアプローチを導入してOSSのガバナンスを実施しながら、リスクベースの解析によって業界のベストプラクティスを取り込めるようにするものだ。

大企業ゆえに腰が重いと、余計なことで開発期間が長引いてしまうことがあるのを避けたり、関係部署の意見を統一したり、すみやかに情報を共有したり、といった必要なことを簡単に行えるようになるわけだ。

このようにエンタープライズのアーキテクトは、社内の開発およびビルドインフラと密接に統合できるオープンソース管理ソリューションを求めている。

Suite7では新たに、普及の進むIDE(統合開発環境)や主要なCI(継続的インテグレーション)ツールに対応、さらにエンタープライズ規模でのオープンソース導入の拡張をサポートするのに必要な新規管理ダッシュボード、リスクベースの解析テンプレート、統一スマート検索を提供している。

ブラック・ダック・ソフトウェア株式会社最高経営責任者(CEO)Lou Sipley(ルー・シップリー)氏

ブラック・ダック・ソフトウェア株式会社最高経営責任者(CEO)
Lou Sipley(ルー・シップリー)氏

■オープンソースには素晴らしいものがたくさんある – 日本代表 金氏
引き続き日本支社代表取締役 金承顕氏より、同社の過去5年間の軌跡と今後についての説明があった。

2009年1月に日本法人を設立して5月に最初のオープンセミナーを開催し、OSSマネージメントのパイオニアとして新聞でも取り上げられた。売上げ目標として、今年(2014年)は2009年の10倍を目指している。

同社のOSSコード流用検出Protexは、顧客のソースに含まれるオープンソースを検知して、ライセンス準拠ができる仕組みを提供している。2009年はProtex、Code Center、Export、KnowledgeBaseを提供していた。

2014年はProtexの日本語化、Suite(総合製品:Protex+ Code Center+SDK+(Export))、Black Duck Code Sight、Black Duck Consulting、Black Duck Open Hub(www.ohloh.net)を提供する。

2009年はOSSライセンスのリスク軽減がニーズであったが、それらに加え2014年はOSSの管理・ガバナンス、OSSの戦略利用、Inner Sourcing、OSSを利用したレガシーシステムへと移行する。

「オープンソースには素晴らしいものがたくさんあるので、会社で積極的に使っていこうというニーズがここ数年、高まってきている。」と、同氏はオープンソースの重要性を強調した。

顧客となる業界も変貌しており、2009年は複合機、電機、ソフトウェアが多かったが、2014年は車載、医療、工業機器、ゲーム、SI、ISV、携帯、半導体、インターネットと業種が増えてきている。

同社としては、事業会社、金融機関、メディアを含め、エンタープライズという大きな市場に対して、オープンソースの利用を促進する働きかけをしていくとしている。

ブラック・ダック・ソフトウェア株式会社 日本支社代表取締役 金 承顕氏

ブラック・ダック・ソフトウェア株式会社 日本支社代表取締役
金 承顕氏

■社名に秘められた創業者の想い
「ブラック・ダック」(黒いアヒル)というユニークな社名の由来を、同社のスタッフにうかがってみた。創業者に直接聞いた話ではないというが、興味のある読者もいると思われるので、ここで簡単に紹介しておこう。

ある日のこと、創業者は傷付いた鳥を見つけた。その鳥を手当したところ、傷が癒えた鳥は大空に羽ばたいていったという。あとからわかったことだが、その鳥はブラック・ダックという種類のアヒルだった。その鳥のように、会社も飛躍したいという想いが重なったというのだ。

発表会で配られた、ブラック・ダック

発表会で配られた、ブラック・ダック

同社は、ロゴも変えている。最初は動いていないブラック・ダックだったが、これでは鉄砲で簡単に撃たれてしまう。そこでロゴを空に飛ばしたが、それでも鉄砲で撃たれるに違いない。それなら、飛び回っていることにすれば、鉄砲に撃たれないだろう。それが、現在の企業ロゴというわけだ。

ブラック・ダックのロゴ。最新版は飛び回っているイメージ。

ブラック・ダックのロゴ。最新版は飛び回っているイメージ。

オープンソースを使ったサービス開発は、自由に使える分、どういった危険が潜んでいるかがわからない。こうした危険を取り除きつつ、素早く製品化を行うためにも「黒いアヒル」を利用して、「撃たれない」対応が必要ではないだろうか。

■ブラック・ダック・ソフトウェア

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