“乗り鉄”副編が行く台湾鉄道事情――自強号と台湾高速鉄道に乗る(前編)
ITライフハック / 2016年6月9日 13時0分
「COMPUTEX TAIPEI 2016」の開催に合わせ、台湾へ取材に行くこととなった私。2日間のブース取材を終えて、あとは帰国するだけとなっていたわけですが。実は前もって1日帰国を伸ばしていたのですよ。その目的はもちろん、台湾の鉄道に乗ること。真っ先に浮かんだのは、台湾の新幹線である「台湾高速鉄道」。車両は日本の新幹線「700系」を元に作られており、中はほとんど変わらないとか。これはひとまず押さえておかねばなりません。そんなわけで、取材の本拠地であった台北から、台南に移動して1泊することにしました。
まずは切符の購入です。これはインターネットから予約ができ、クレジットカードで購入可能です。日本語のページも用意されているので安心です。予約の方法は日本でやるのとあまり変わりません。出発駅と到着駅、日付、だいたいの時刻を入れると検索して候補を示してくれます。列車によって、例えばこだま号とのぞみ号のように、停車する駅も異なります。所要時間が示されるので、短い時間で着く列車を選べば問題ないでしょう。なお、予約にはパスポート番号が必要です。きっぷですが、8日以上前に購入すると早期購入割引として、最大35%までの割引が受けられます。早めに予約した方がお得ですね。
このほか、英語のみの対応となりますが、iPhoneとAndroid、Windows Phoneに対応するアプリも用意されています。こちらでは予約のほかきっぷの発券もでき、QRコードを改札口でかざすことで利用できます。先ほどの方法だと最終的に窓口で発券しなければなりませんが、これならば便利ですね。
と、ここまでは日本にいたときに手配をしてしまいました。台北から台南まで1,080台湾ドル。日本円にして3,700円程度です。帰りは桃園国際空港から帰ることになるので、台南→桃園を予約。これでひとまずは終了です。
台湾に渡ってからもいろいろと調べたのですが、「自強号」という特急列車が台湾西線を走っていることを知りました(すみません台湾の鉄道には詳しくなかったので……)。往復新幹線では味気ないなぁと思っていたこともあって、この列車を使って台南に行ってみようと方針を変更。時刻を調べると、この列車は台北から毎正時に1本ずつ走っているようです。取材が終わってちょうどいい午後3時発の列車を取ることにしました。
まずは台北駅へ行きます。かなり大きな建物の駅で、中が吹き抜けになっており、きっぷ売り場の窓口などがあります。なお、台湾高速鉄道を含めてすべての列車ホームは地下にあり、地下からの発着となります。
窓口では英語で話してもいいのですが、「自強号」の発音が分かりません……。そこでここは漢字の国の人らしく、メモに書いてそれを見せ、きっぷを購入することにしました。書いたのは「自強号 台北→台南 成人票 1帳」です。成人票はおとな、1帳は1枚と言うことです(ネットで調べました)。窓口のおばちゃんは無言で機械を操作し、ちゃんと発券してくれました。738台湾ドルですので、台湾高速鉄道よりも300ドルも安いです。ただし台北から台南までは4時間15分の道のりです。ちなみにあとから分かったのですが、自強号のきっぷもインターネットから買えたのですね。
さてここからは戦いが始まります。なんと言っても困るのは言葉が通じないこと。英語の案内もありますが、駅名などは現地の発音なので(まあ日本でも一緒ですね)、どこに行っているのか分かりません。駅員に切符を見せながら、「Where?」を連発してホームにようやくたどり着きました。
午後3時ぴったりに自強号が入線してきました。列車は「E1000型電車」といい、先頭と最後部に動力車が配置されている、プッシュプル方式の電車です。なお線路の幅は日本と同じ狭軌が採用されています。これは戦前に鉄道を引いたのが日本だから。些細なことに歴史を感じます。
自強号の社内は、なんとなく日本の車両よりも広く感じます(多分気のせいなのですが)。2列シートが通路をはさんで両側に配置されており、日本の特急と同じような構成です。乗り心地はかなりいい感じで、揺れも少なく、スーパーひたちに乗っているような感じを受けました。
さてまだ戦いは続きます。先ほども書いたように、駅名は現地語発音。どこに到着しているのか分かりません。そこでGoogle先生の登場です。とりあえずiPhoneでGoogle Mapを表示させて、今どこを走っているのか分かるようにします。このあたりはGoogle様々です。そして一番やっかいなのは寝てしまうこと。寝過ごしでもしたら絶対に戻ってこれないと思います。このあたりはかなりの緊張感が漂いました。
外の風景はきわめてアジア的というか、これもまた日本と変わらないような光景が続きました。ただ困ったのは、右側のシートに座っていたため、西日をもろに受けてカーテンを閉めざるを得なかったこと。本当は気にせず開けて外を見ていたかったのですが、周りの人がみんなカーテンをしているので、小心者の日本人としては「郷に入っては郷に従う」の決まり通り、カーテンを閉めました。今度乗るときは左側の座席を取ろうと思います。
自強号に乗って面白いと思ったのが、意外と通勤・通学の足として使われているっぽかったところ。一駅だけ乗って降りるお客さんが結構いました。遠距離を乗るだけではないんですね。
そしてあっという間の4時間15分が過ぎ、台南に定刻通り到着しました。台南駅は戦前に作られたままなのだとか。かなりレトロな雰囲気が漂っており、非常に興味深い駅でした。
では後編で、台湾高速鉄道からの顛末をお伝えしたいと思っています。
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